2015/11/02
Category: 2015年_花燃ゆ
今回は教育問題に取り組む楫取達の姿が全編にわたって繰り広げられます。阿久沢のように仲買人は潤いを見せ始めていましたが、養蚕に取り組む農家の方々の暮らしは一向によくならず厳しい状況にあります。当然、子供を学校にいかせるわけにもいかず、重要な労働力として毎日駆り出します。
さらに、近くに学校もないので遠くまで行くだけの気力も無いというのが普及の妨げになっていました。そういった問題を解決することによって、就学率を上げて貧困から脱却することが楫取の目指す方向であったと思うのですが、物語のなかではその導入だけに留めているようです。
楫取自らが各地を回って、学校を様々なところに建設する場面はありました。これで一つの問題は解決するのですが、重要な労働力をとられてしまうという問題については、どのように解決したのか物語の中ではよく分かりませんでした。寺の中にわーっといいながら子供達が押し寄せて喜んで自分の席に座るのですが、その子供達は家の仕事を放置していい経済環境だったのでしょうか。
おそらくは、近くにあるなら通わせたいという少数の家庭の子供のみが、初めは対象になっていて、徐々に楫取達が経済の循環を良くし、子供を自由に通わせることができほどの状況になって、生徒が増えていったという感じでしょう。今後も群馬の教育がどのように変遷をたどるのか、物語のなかで描写があるといいと思います。
しかし、阿久沢は前回までで完全に楫取に懐柔されたと思っていたのですが、全然違いましたね。それでもどこか憎めないのは、群馬を思う気持ちを秘めているのがわかるからかもしれません。次回も抵抗勢力になるものとみられますが、こういった敵がいるからこそ論点が明確になるというメリットもあるので、じゃんじゃん暴れて欲しいと思います。
中央政界ではとうとう木戸の死亡フラグがたち始めました。全然姿を現さない西郷が挙兵したという場面でも、顔面を蒼白にしながら一生懸命戦っています。いつも隣にくっついていた伊藤博文は今回はお休みだったようです。毛利家の面々も元気そうで、未だに殿と言っている姿を見ると微笑ましく感じました。
次回は、生糸を巡る大騒動が起こる模様で、群馬の方向性が見えてくるのではないかと期待しています。
◆花燃ゆ紀行◆
群馬県藤岡市/桐生市
– 旧群馬県衛生所(桐生明治館)
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2015/10/25
Category: 地域イベント
毎年伺っている生田緑地のばら苑が公開されていて、およそ440種、4000株のバラが見所を迎えています。
子供と散歩ついでに行くことにします。午後になってからだったので、大分涼しくなって来たのですが、それでも多くの人たちがまだまだ続々と向かっているのを見ると、その人気の高さをうかがい知ることが出来ます。
階段をのぼる途中で、子供がどんぐりを見つけ大きな声でどんぐりの歌を歌い始めると、周りの大人達が笑顔でほほえみかけてくれ、改めてかわいいやつだと感じ自分もいい気分でばら苑に到着します。
すでに花びらを落としてしまっているばらもありましたが、まだまだ多くの花の競演を楽しむことができます。
まずはお約束のように子供はアイスクリーム売り場へダッシュ。まずは腹ごしらえしないとバラの鑑賞はできないようで、完全に甘い親になってしまっている自分も一緒になってアイスクリームをほおばります。
その後、ばらの観賞を始めるのですが、いつになく子供がやる気になっていて、自分の手を取って色々なバラを見つけに行きます。彼としては完全にここが迷路であると勘違いしているのではないかと思うくらい、「まだこの道通ってないよね。」等といいながら全ての通路を通ります。

そして、これまで知らなかった新しい看板を発見。それは「バラの7つの香り」というもので、これまで個人のイメージに頼っていた香りという要素を7つに分類し、それぞれの分類がどれに当たるのかネームプレートとして設置されていたのです。

これには子供も自分も大興奮。全てのプレートを探し、香りをかぐというこれ以上ない楽しいミッションを二人で夢中で実行し、見事クリア。ちょっと息子も誇らしげでした。
<バラの7つの香り>
◆ダマスク・モダン
濃厚な甘さをもつ洗練された香り。強い香りで、情熱的な印象。(パパ・メイアン)
◆ダマスク・クラシック
甘い香りは爽やかさをあわせもつ。誰もがイメージする「バラの香り」。(芳純)
◆ティー
バラにもっとも多い紅茶のような香り。上品で優雅な印象。(ガーデン・パーティ)
◆フルーティー
ピーチ、アプリコットなど新鮮な果物をイメージさせる香り。(ダブル・デライト)
◆スパイシー
スパイスのクローブのような甘くスパイシーな香り。控えめながら成熟した印象。(アルブレヒト・デューラー・ローゼ)
◆ブルー
青バラ系の品種がもつ独特な香り。芳純な甘い香りの中に木のような香りが混ざる。(ブルー・ムーン)
◆ムスク
ジャコウのような独特の甘く粉っぽい香り。(ポールズ・ヒマラヤン・ムスク・ランブラー)
ムスク以外は花の香りをすべて確認しました。ダマスク・モダンにあるパパ・メイアンは元々香りが濃厚で印象深かったので、香りをかいでから表示を確認し答えが一致した感じでしたが、それ以外は、表示されている言葉を見て、香りをかぐとそんな感じかなと感じました。表現能力の乏しい自分としては、これが限界でした。

香りという新しい分類のなかでバラを見つめ直すのもすごく楽しく、新鮮な気持ちで鑑賞することができたと思います。

毎年のことではありますが、ここまで綺麗に整備されたボランティアの方に改めてお礼したいと思います。また来年の春の公開も楽しみにしています。

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2015/10/25
Category: 2015年_花燃ゆ
群馬において徐々にその働きを認められつつあった楫取や美和でしたが、今回問題になったのが教育でした。これまで男子がメインであった読み書きを始めとする教育は、女性にはなかなか浸透していませんでした。結果として、不当な契約行為をさせられてしまうような問題も発生し、美和達はなんとかしなければと立ちあがります。
しかし、何事もそうなのですが、世の中的に常識と考えられていることを覆すのは容易なことではありません。阿久沢せいも言っていましたが、教育を受けている時間があれば、その間に糸を紡いで稼いで欲しいという思いは周囲にもあったのだと思います。それを覆す程のメリットを訴求しなければ、美和達の意見も理想を語るだけになってしまうでしょう。そのあたりの具体的なアプローチが次回ありそうです。
そしてもう一つ大きな出来事として、萩の乱がありました。首謀者とされる前原は、それまでに新政府に対していろいろと進言し、民衆のための政治をして欲しいということを言ってきたそうですが、本人曰くそれが受け入れられることはなかったというのが立ちあがるきっかけとなったとしています。
新政府が具体的に民衆の貧困に対してどのようにアプローチしてきたのかがよく分からないことと、前原が進言した内容が本当に現実的なものであったのがが不明なので、この決起に対してそこまで思い入れはありませんでした。萩の乱の正当性をもう少しだけ説明してあげても良かったのかなと思います。
この戦によって主人公の美和の親族を亡くしていますし、楫取も寿が倒れなければこれに巻き込まれ、県令としての仕事ももうできない状況だったかもしれない大きな出来事であったからこそ、もう少し丁寧な描写が欲しかったと思います。
さて、次回は教育問題にどのように楫取たちが取り組んでいくのかという文化的、政治的な課題に注目されるようなので、楽しみにしたいと思います。
◆花燃ゆ紀行◆
山口県萩市
- 前原一誠旧宅
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