おんな城主直虎 最終回「石を継ぐもの」
毎回、ユーモラスなタイトルに魅了されてきた本ドラマですが、最終回は「石を継ぐもの」。この石という言葉にいくつかの思いがあるのだろうなと思って見始めました。まず、思いつくのが意志や遺志でしょう。井伊家は代々思いを繋いで生きてきました。直虎が先代や父親から受け継いできたのは、農民を大切にして、外から来たものを快く向かい入れる多様性をもつこと、そして戦わずして生き延びる術を身につけることでした。こういった思いは直虎の死後、万千代から元服した直政に引き継がれていきます。
そして、もう一つの「石」とは、政次から引き継いだ碁石でした。ここには、様々な思いがつまっていました。おとわに関連した人々は、その最期に井伊谷の井戸でおとわに一緒に行こうと呼びかけます。その中にはかしらもいて、後に海岸でおとわがかしらに渡した水筒が打ち上げられている様子から、南蛮行きに失敗したものとみられます。
直政は北条との和睦をまとめたりしながら、その後徳川家を支えていく力量を見せつけますが、最後まで井伊家を直虎から明示的に家督を譲るという流れではなかったのが残念でした。しかし、周囲の人々やその後の人事によって、直政は井伊谷の人々の思いを引き継ぎ、立派に井伊家を盛り立てていきます。その様子を見ることができずちょっとさみしいですが、それはいつか見られると信じて今回のドラマの感想について筆を置きたいと思います。
一年間ありがとうございました。
来年は「西郷どん」。
再び幕末の世の中ですが、少しずつ勉強をしておきたいと思います。
■直虎紀行■
滋賀県彦根市
- 彦根城
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