開脚してべたーっとなることによる弊害
最近本屋をのぞくと至る所に体を柔らかくするためのノウハウ本が山積みになっています。
自分は立位体前屈でもマイナスになり地面に手をつけることができないほど体が硬いので、もの凄く惹かれるものがあるのですが、アスレティック・トレーナーの森本貴義さんによると、無理に開脚するのはとても危険なことであるといいます。
彼は、イチロー選手、フェリックス・ヘルナンデス投手、プロゴルファーの宮里優作選手など多くのトレーナーを務めるプロフェッショナルな人。
昔から日本人は体が柔らかいことがいいことであるという風習があり、背中を思い切り押されることによって床にべたーっとなることを求められてきました。
しかし森本さんによると、普段体を動かさない人が急に開脚ベターッを目指すと、筋肉が弱いままで股関節だけが柔らかい状態になってしまい、体のバランスが崩れ、股関節だけでなく、膝や腰まで痛める原因になる危険性をもっているといいます。
本来は、関節を柔らかくした分、その関節を守るために相応の筋力をつける必要があります。特に、筋力をつけにくい高齢の人が過度なストレッチをすることによって、怪我をしやすくなってしまうという弊害もあるのです。
なので、自分の体に応じたストレッチを選ぶことが重要だといいます。たとえば、猫背の人は、背中や首の筋肉が短くなり、筋肉にこりが生じている事が多いので、こった部分をゆっくりと伸ばしていく動きが効果的とのこと。
さらに森本さんは、ストレッチは鏡を見て、自分の体の声を聞きながらやることを勧めます。
「今、ここが突っ張っているな」
「ここが伸びているな」
これによって、体の変化に敏感になり、体の自由度も上がるといいます。
開脚は見た目に分かりやすく、柔らかくなったことを他人に示すことができることから、多くの人の支持を得ているのは事実ですが、無理することによって体はボロボロになることも。
見た目ではなく、体が楽になる、疲れにくくなる、といった体の機能や生活の向上を目指すことが真のストレッチであることが改めて分かりました。
(参考)gooニュース https://news.goo.ne.jp/article/jisin/life/jisin-30567.html