あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 伊勢谷友介


花燃ゆ 第44回「運命の糸つなげて」

2015年11月 02日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

今回は教育問題に取り組む楫取達の姿が全編にわたって繰り広げられます。阿久沢のように仲買人は潤いを見せ始めていましたが、養蚕に取り組む農家の方々の暮らしは一向によくならず厳しい状況にあります。当然、子供を学校にいかせるわけにもいかず、重要な労働力として毎日駆り出します。

さらに、近くに学校もないので遠くまで行くだけの気力も無いというのが普及の妨げになっていました。そういった問題を解決することによって、就学率を上げて貧困から脱却することが楫取の目指す方向であったと思うのですが、物語のなかではその導入だけに留めているようです。

楫取自らが各地を回って、学校を様々なところに建設する場面はありました。これで一つの問題は解決するのですが、重要な労働力をとられてしまうという問題については、どのように解決したのか物語の中ではよく分かりませんでした。寺の中にわーっといいながら子供達が押し寄せて喜んで自分の席に座るのですが、その子供達は家の仕事を放置していい経済環境だったのでしょうか。

おそらくは、近くにあるなら通わせたいという少数の家庭の子供のみが、初めは対象になっていて、徐々に楫取達が経済の循環を良くし、子供を自由に通わせることができほどの状況になって、生徒が増えていったという感じでしょう。今後も群馬の教育がどのように変遷をたどるのか、物語のなかで描写があるといいと思います。

しかし、阿久沢は前回までで完全に楫取に懐柔されたと思っていたのですが、全然違いましたね。それでもどこか憎めないのは、群馬を思う気持ちを秘めているのがわかるからかもしれません。次回も抵抗勢力になるものとみられますが、こういった敵がいるからこそ論点が明確になるというメリットもあるので、じゃんじゃん暴れて欲しいと思います。

中央政界ではとうとう木戸の死亡フラグがたち始めました。全然姿を現さない西郷が挙兵したという場面でも、顔面を蒼白にしながら一生懸命戦っています。いつも隣にくっついていた伊藤博文は今回はお休みだったようです。毛利家の面々も元気そうで、未だに殿と言っている姿を見ると微笑ましく感じました。

次回は、生糸を巡る大騒動が起こる模様で、群馬の方向性が見えてくるのではないかと期待しています。

◆花燃ゆ紀行◆
群馬県藤岡市/桐生市
– 旧群馬県衛生所(桐生明治館)

花燃ゆ 第22回「妻と奇兵隊」

2015年5月 31日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

前回まで血気盛んだった久坂率いる砲撃隊も、やがてやって来た異国による報復によって一網打尽にされてしまい、結果として下関の街は壊滅的な被害を受けることになります。歴史の世界ではこの大敗によって長州は大きく舵を切って異国とともに倒幕に向けることになっていくとありますが、まだそれは先のことのようです。久坂は敗北を認めながらも、軍備を増強していくことを主張するのに対して、新たな方法を提案する高杉。

毛利敬親の判断は、高杉の作戦にのること。早速町民を集めて奇兵隊を結成します。突然髪型も変わってしまったので驚きましたが、時代の先端を行っている感を出すことには成功しているようです。そんな高杉は外国船とまともに戦っても勝てはしないということ。そのためにどうすれば良いのか考えたときに奇兵隊を結成するという結びつきが、ドラマを見ているなかでは見いだせませんでした。きっとこれから、高杉のやっていることがどのように異国と渡り歩くことになるのか分かってくるものとみられます。

今回のもう一つの大きな出来事は萩の町で、女性も土塁構築作業に混じったということ。文が発起人になったような演出ではありましたが、徐々にその輪が広がり、椋梨の奥さんを始め、とうとう藩の大奥の取締役まで登場します。この辺りは7月からの大奥編へのつなぎという側面もあったのだと思いますが、みんなで力を合わせて萩の町を守るために努力したという雰囲気を作り出すことができていました。

さて、次回は京に向かった久坂をきっかけに、動乱が始まる見込みです。文も巻き込まれていくとありますが、どのような状況になるのか楽しみにしたいと思います。

花燃ゆ 第21回「決行の日」

2015年5月 24日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

今回は、久々に江を思い出す展開となりました。久坂を追って山口まで来た文が最初に出会ったのが毛利敬親とその正室。正室からは弱気になって悩んでいる文に対してそのようなことでどうするのかと叱咤する様子でしたが、その直後に登場した毛利敬親によって中途半端に退場させられることに。さくっと自分の身辺のお世話は要らないと断りを入れます。

その後からが思い出す要因となる場面。あのときも主人公が様々な殿様に直接直談判したりしながら、さすがにそれはないのではないかと思わせる状況でしたが、今回も毛利敬親と文が直接会話をするという少し現実離れしている感が否めない状況になります。もしこれが史実に合っているのなら勉強不足なのですが、せっかく北大路欣也さんが自分の政治手法についていい話をしているのに、その相手が文というのでは少し引いてしまいます。なるべくその場に文がいることを忘れて、毛利敬親の「そうせい!」という言葉の意味を深く考えていました。
おそらく、そのまま萩の杉家にいたのでは、話として微妙と判断し表舞台に登場させたのではないかと考えられますが、それは強引だという印象を与える危険性もあるので、微妙なさじ加減が求められるのだと改めて感じます。

当の文について見てみると、久坂が京で女性に言い寄られていることを噂で聞き、さらに毛利敬親の言葉を噛みしめた上で、好きなように夫に行動してもらうことが望ましいと判断し、それを久坂に伝えます。しかし次回の予告を見る限りでは、ここで引き下がるような文ではないことがわかります。

攘夷運動を長州の立場から見てみたいと思っていたのですが、ここまでのところそのあたりは飛ばされかなり簡易な形で描かれているのが残念で仕方ありません。家茂の上洛、下関からの攻撃などもっと深く描けそうなところもあったのではないでしょうか。今後の描写の中で少しでもそういったところが明るみになれば良いなと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
山口県下関市
 - 壇ノ浦砲台跡