コンビニのレジ前に団子が置かれている理由
ほとんどのコンビニで、レジに並んでいるとその前に団子や饅頭と行った和菓子が並んでいるのを目にします。あまり普段は気にすることはありませんが、よく考えてみるとどうして和菓子が並んでいるのでしょうか。この和菓子を手にとって購入する人があまり多くいるとも思えませんし、コンビニに来てわざわざ団子を買う人も多くはないでしょう。
レジ横という場所について考えてみると、想像通り一番売れる場所といえます。レジに並んでいてついでに置いてあるものが気になって手に取ってしまうことを狙った効果的な販売手法なのです。
では、団子などの和菓子はお店にとって利益をもたらす魅力的な商品なのかというと実はそうでもないといいます。それに、一日平均44万円程度の売上げの中で和菓子の販売は1日平均で約1000円。たったの0.2%の売上げでしかも利益率も良くないのです。
ということは、このレジ前という魅力的な場所に3本で100円の団子をおくことに対して、謎が深まるばかりです。お店として一番売れる場所なのであれば、一番売れる商品を置くか、一番売りたい利益率の高い商品を置くべきなのに、なぜか多くのコンビニは和菓子をおいているのです。ここには、何か秘密があるに違いありません。その謎を船井総合研究所の笠井清志さんが明かしてくれました。
和菓子を購入する中心層は高齢の方になります。コンビニというと若者というイメージがありますが、街の中で営業をする上で高齢層の存在を忘れてはいけません。数が多いのもそうですが、街とコンビニが一体化するためには、その街に長く住んでいる高齢層に愛される存在であり続けなければなりません。
そう考えると、高齢の方にお店に来てもらうための工夫を店舗内に施す必要があります。その1つの戦略として和菓子やせんべいをレジ前に置くのです。もしも売上げだけでを考え、店の奥におかれてしまったら、高齢の方が来て見つけることができず、「このお店には自分の欲しいものがない」と思われてしまい、二度と来なくなってしまうでしょう。
もちろんすべてのコンビニで、上記のように考えて戦略的に和菓子を置いている訳ではないと思いますが、高齢者に優しい店舗づくりを促進した結果の手法が元々の考え方であることがわかります。
であれば、それをもっと訴求するともっと効果を上げるのではないでしょうか。和菓子が置かれていることが分からなくらいひっそりとレジ横に置くのではなく、高齢者に優しくすぐに欲しいと思っていくことができるようにディスプレイしたり、若者も和菓子を食べたいと思うような施策を打つことができれば、まさに一石二鳥だと思います。
本来の目的だけなく、売上げを上げるという本来の目的も達成できるディスプレイと施策が効果的に働いたとき、もしかしたら和菓子ブームが訪れるかもしれません。
【参考】COBS ONLINE
http://cobs.jp/jijinews/trend/2010/10/18_1.html
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