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魔法のバケツが世界を救う

2009/01/07 Category: 環境問題

ゴミの焼却時に出る有毒ガスの存在や、埋め立て処分地の不足などゴミ問題が自分たちの生活に暗い影を落とし始めたことによって、各自治体もゴミ対策に本格的に取り組むようになりました。ゴミの分別、ゴミ袋などの指定等による有料化、収集日の減少などがその施策として行われ、自分たちもなるべくゴミを出さないような工夫をするようになってきたのかなと思います。

しかし、世界に目を向けると今もなお多くの国で路上にゴミを捨ててしまったり、勝手に自分で町の外れや河川に捨ててしまう行為が横行しているところがあります。以前のブログでタレントのゾマホンさんが故郷ベナン共和国でも同様の問題に頭を抱えていたことを紹介しましたが、その他でも日本人にとってはリゾート地であるフィリピンのバリ島やセブ島も数年前まで、街中に生ゴミが散らかる状況でした。生ゴミが街を埋め尽くすような状況になったときに最も怖いのが、その不衛生状態からくる伝染病です。コレラや赤痢、腸チフスなど多くの伝染病にかかる市民が急増したといいます。

市民がゴミを街中に捨ててしまう理由がそこにはありました。それは、ゴミの有料化です。日本のように公的機関がゴミを収集するというのではなく、お金を払って生ゴミを収集してもらう仕組みだったのです。もし日本でそのように有料化されたら同じようなことをする人が急増するでしょう。家電リサイクル法が施行されてからのゴミの不法投棄を見れば明らかだと思います。政府を含めて新しいみんなが喜ぶような仕組みが求められていました。

そこに救世主が登場します。それは日本人で、電力事業を展開するジェイペックの高倉弘二さんです。高倉さんは既に日本ではおなじみにありつつある生ゴミを入れておくと分解してくれる物質が入っているバケツ(コンポスト)をインドネシアの風土に合うように改良し、市民に紹介していったのです。始めはあまり信用しなかった市民も次第にそれを「魔法のバケツ」とよび、利用するようになっていきます。さらに利用者を加速するために、インドネシアのスラバヤ市では、市民に無料で配布し、そこでできた堆肥をNGO団体が買い取るという循環を構築しました。これにより爆発的に利用者が増加したといいます。街からはゴミがなくなり、その代わりに堆肥を売って得たお金で鉢植えの植物が通りを彩るようになったのです。

もちろん、高倉さんが行っていることはジェイペックとして電力事業をこのような国で展開したいという思惑も大きかったのですが、それでも市民の健康の不安と、経済的な負担軽減、街の美化という3つの改善をみることができたということから考えると、真のビジネスといえるのではないでしょうか。お互いにハッピーになることができビジネスが大切であり、企業である以上そこを目指さなくてはならないのだと思います。

同じような仕組みは日本でも構築することはできると思います。さらに紙ゴミや燃えないゴミなどもどのように再利用していけるのか、うまく循環する仕組みが今求められています。日本人が率先してそれを世界に広めていくことによって、日本の存在感を見せつけたいものです。

【参考】ガイアの夜明け 12月30日


【魔法のバケツ】エコパラダイスペール(10L)




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