2016/06/26
Category: 2016年_真田丸
北条家が前回滅亡し、名実ともに天下統一を果たした秀吉。次なる戦いは朝鮮出兵なのですが、それまで少し時間がありそうなので、何のネタを持ってくるかなと思っていたら鶴松の最期のシーンでした。悲壮感が漂うシーンが多いのだろうなと思っていて、確かに秀吉や茶々の周辺ではそんな雰囲気だったのですが、意外だったのがそれ以外の人々。
特に、真田家の人々は明らかに笑いを取りにいっているではありませんか。鶴松のために持ってきた薬草をせんじて薬を作るのですが、その途中で肝心な液体を捨ててしまうという失態だけでなく、少しだけ残った薬を昌幸が飲んでしまうというダブルパンチ。
それだけでなく。信幸も妻に迫って人を呼ばれそうになるという大失態を織り交ぜながら、全体として盛り下がらないような工夫が至る所に組み込まれているあたり、演出が上手いなと感じてしまいました。さらに、利休の思いをしっかりと伝えることによって、これまでの大河ドラマファンの心をつかみながら、ライトな視聴者も上手く取り込んでいるような気がします。
次回は、朝鮮出兵をさくっと終わらせる雰囲気が漂っていますが、少しずつ豊臣家が怪しくなってきたので、注目してみていきたいと思います。
◆真田丸紀行◆
大阪府堺市
- 南宋寺
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2016/06/19
Category: 2016年_真田丸
前回から顔を真っ白にしながら頑張ってきた北条氏政が最期の時を迎えます。氏政を演じる高嶋政伸さんのインタビュー記事を読んだことがあります。最近奇抜な雰囲気を醸し出した演技をすることが多いそうなのですが、外見にとらわれずにその人物をいかに引き出すかを意識しているといいます。
そういう意味で、今回の氏政も外見とは裏腹に、悩みに悩んだ結果の絶望と決意をうまく表現できていたと思います。このような素晴らしい演技をする役者が物語を支えているのだと改めて感じました。
歴史上大きな転換期となる、一夜城に関しては今回は描かれませんでした。こういった圧力的な部分ではなく、人間が1つの決断をしたのだということを表現したかったのではないかと思います。その中で信繁に与えられた役割は本当に大きかったのではないでしょうか。乗り込んでいった小田原城のなかでも氏政にいい感じでPUSHすることもできたし、それ以降伊達政宗との接触も今後の布石になったと思います。
さて次回は、千利休の最期、そして鶴松亡き後の混乱を中心に、ご乱心な秀吉を見ることができると思いますが、その中での真田家の人々の振る舞いを楽しみにしたいと思います。
◆真田丸紀行◆
神奈川県小田原市
- 北条氏政・氏照の墓所
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2016/06/12
Category: 2016年_真田丸
とうとう本格的に小田原攻めが始まります。歴史上では小田原城の近くに一夜にして巨大な城を完成させ、それをみた北条家は戦意を喪失し、終焉を迎えるということが有名ですが、実際にはそこに至るまでたくさんの人間模様があったはずです。今回は、北条家の立場から色々と描いてくれるので新しい発見や思いを感じることが出来ます。
その1つとして、北条親子の関係。秀吉に敵対していたのは親子というふうにかたまりとして捉えられていたのですが、実際には暴走する氏政に対して実際に当主である氏直は父親を止めることができないというもの。降伏するというのも氏直は賛成に傾きますが、氏政は最後まで徹底抗戦するとの意志がかたく、このことが北条家の結末を迎える要因になっていきます。
氏政は伊達政宗を頼っていましたが、その伊達政宗も秀吉に頭を下げることになってしまい、望みが完全にたたれます。蹴鞠をしたりお香を焚いたり、お化粧をしているのは、家臣に動揺していることを悟らせずいつ敵が来てもいいように臨戦態勢を整えていることを示しているのですが、途中から化粧が真っ白になっていき、恐ろしい雰囲気を醸し出していきます。
思えば数年前、軍師官兵衛の世界では北条に単身で官兵衛が乗り込んでいき、見事にその役目を果たすことになります。同じように信繁も小田原城に乗り込んで説得を試みることになります。どのような結果になるのか、楽しみにしたいと思います。
◆真田丸紀行◆
神奈川県小田原市
- 小田原城址公園
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