2016/07/18
Category: 2016年_真田丸
これまで様々なドラマの中で秀次は描かれていましたが、そのほとんどが秀次を謀反人として秀吉から一方的に迫害を受けてきたというものでした。歴史上それが正しいのかどうかは分かりませんが、そのシナリオ以外の見方をすることが出来なかったのに対して、今回は全く異なった観点で見ることができたと感じます。
最後の最後まで秀次のことを気にかけていて大切に思っていたのに、完全に自分は必要とされておらず疎まれた存在であると思い込んでしまった秀次。結果として自分を追い込む結果となってしまい、最期は自害をしてしまいます。
穏便に済ませようとしていた秀吉に対して、その逆鱗に触れるような行動を繰り返す秀次という新しい関係は非常に斬新な描き方だとおもいつつも、秀次の死後、秀吉は秀次の家族を三条河原にさらすというむごいことを決断します。これまでの温情からはかけ離れた判断に対して若干違和感を感じました。
世間では、秀次を失ったことによるロス現象がいわれていますが、個人的にはこれまでのちょい役だった人の存在感が大きかった分、今回は比較的冷静に捉えられているのかなと感じます。次回はその大物の1人である秀吉が危うくなってくる場面がありそうなので、秀吉ロスにならないよう、しっかりと見て行きたいと思います。
◆真田丸紀行◆
秋田県由利本荘市
- 妙慶寺
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2016/07/10
Category: 2016年_真田丸
歴史上では、拾が生まれたことで秀次への仕打ちが厳しくなり結果として悲しい状況になってしまったことが有名ですが、今回の描写を見る限りあんまりそんなことはなくて、なんとなく自滅してしまったのではないかと思えてきます。
秀吉がよかれと思ってやってあげる事に対して、その裏を読んですべてを自分を疎んでいるのだと結論に導く秀次。このようなコミュニケーションではうまくいくものもいかないのではないでしょうか。そんなことを演出の中で伝えたかったのかもしれません。
といっても、裏を読むということを秀吉がしなかったといえばそんなことはなく、信繁に官位を授けるという場面においては、信幸を差し置いて自分が官位をいただくわけにはいかないと引き下がる信繁に兄弟両方の官位をいただくよう謀っているとご乱心になるところからみると、秀次の考えもあながち嘘ではないのかなとは感じます。この時代において、何を信じて生きて行くのか、もの凄く判断に迷う世界であったことを痛感します。
そんな秀次はとうとう関白の座を放棄し、きりのところに姿を現します。真田家を思い切り巻き込んだ状態でどのようにこの秀次問題が進んでいくのか楽しみにしたいと思います。
◆真田丸紀行◆
奈良県吉野町
- 櫻本坊
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2016/07/03
Category: 2016年_真田丸
天下を統一した秀吉の次なる野望は朝鮮出兵でした。これは歴史の中ではあまりにも有名なのですが、今回その目的がはっきりと明示されます。それは、武士に仕事を与え続けることによって国内、もっと言うと自分へ矛先を向けるような余計な考えを持たせないため、というものでした。これまでも朝鮮出兵に関しては描かれていましたが、そのほとんどが秀吉のワガママといった印象を与えるものが多かったように思います。その中で、今回明確にその目的を示してもらったことは大きかったなと感じます。
しかし、肝心の挑戦での戦の雰囲気は描かれることなく、加藤清正が陣地で叫ぶくらいで終わってしまいます。きっとこれでもう朝鮮出兵話は終わりになってしまうことでしょう。こういうところからも、今回の物語が歴史上有名なシーンを網羅的に描くのではなく、真田家に直接関係の無い部分は徹底的にそぎ落とし、描きたい部分に時間を割くという方針を貫いていることがわかります。
その代わりに今回大きな時間が割かれたのが仮装大会でした。朝鮮出兵の話があまりないなかで士気が下がっているということを上手く理解することが出来ず、結果的に仮装大会の意味を十分理解できないままの展開となってしまったような気がします。昌幸と秀吉の演目がかぶっていて、結果的に昌幸が瓜売りの役を降りたということに何らかに意味を持たせたかったのでしょうか。この辺りは難しい解釈を求められそうです。
真田家では、おばば様が危篤ということで秀吉から許しをもらい、仮装大会の後にみんなで上田に帰ることになります。結果的におばば様はなくなる寸前で突然目を覚まし、信幸と信繁に活を入れて元気に去って行きます。この物語の女性陣の中で最も安心して見ることができた人を失ってしまい、今後の展開に若干不安要素は残りますが、新たな安心材料を求めて次回から楽しみにしたいと思います。
◆真田丸紀行◆
佐賀県唐津市
- 名護屋城跡
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