あしたまにあーな

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アラビア竜血伝説の島で起きた異変

2009年2月 02日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

竜血樹
中東にあるイエメン共和国。ここは海のシルクロードの要所として遙か昔から栄えてきました。このイエメンに、シンドバッドも立ち寄った場所があり、そこには竜の血でできた宝石「シナバル」があるとされてきました。その場所が、ソコトラ島です。

このソコトラ島には、ボトルツリーと呼ばれる瓶のように膨らんだ幹と可憐な花が咲く植物が生息し、砂漠のバラ”デザートローズ”と言われています。このように水分をためる太い幹をもった植物が数多く存在し、この島は植物のガラパゴスと呼ばれるほど植物の楽園が広がっています。

竜血樹もそんな植物の一つで、この木こそ冒頭に紹介したシナバルの秘密を解き明かす鍵をもっているのです。その竜血樹の森が広がっているハグハル山脈の麓にあるシュバホン村。ここは、年間降水量が250mmと非常に少ないにもかかわらず、竜血樹は立派に育っています。

海からの湿気のあるモンスーンが、ハグハル山脈にぶつかってその麓にあるシュバホン村は深い霧に包まれます。これが竜血樹を育んできました。竜血樹の不思議な形は、樹冠で霧を水分に変えて地面に落とし、それを樹が吸収しているのだと言われていてその形には理由があったのです。

その竜血樹の幹から村人であるアブドラ・サードさんが削りだしているのがシナバルです。赤い宝石の正体は竜血樹の樹脂だったのです。このシナバルは古くから万能のクスリとして消炎や止血に、そしてニスとしても利用されてきました。その歴史は古くローマ帝国や中国でも利用されていた記録が残っています。

当然、シナバルは貴重な現金収入の元になり乱獲になってしまう危険性もあるのですが、シュバホン村には大切な掟があります。それは、樹脂を取ったら2年間はその木を休ませるというルール。これによって、乱獲を防いで来ました。

ところが、ソコトラ島での均衡を崩してしまった出来事が2008年に起こりました。それは、ソコトラ島の豊かな自然から2008年7月に世界遺産に登録されたこと。それと共に世界中から多くの観光客が訪れるようなりました。

島の中心街などで多くの観光客がシナバルを様々な理由で購入することによって樹脂バブル状態になり、それと共に売り手が急増して、供給過多によって仕入れ値の減少を引き起こす結果となってしまいました。村の中にも掟破りがいるのではという疑いが生まれ始めます。

そうやって村人が議論している間に、事態はより深刻な状況へと進んでいたのです。なんとこれまで稼ぎのもとであった竜血樹が次々と枯れ始めてしまったのです。村人であるアブドラさんは、「太陽が沈んでいく・・・竜血樹が枯れていく・・・・」と嘆きの歌を歌います。まさに村人にとって危機的な状況に陥ってしまったのです。

この問題に対して、ソコトラ環境保護期間(EPA)のナディーム・タレブさんは、村に霧が減っているのが原因だと指摘しています。桐が減ってしまった原因は、地球温暖化でした。村の地表温度が上がり、上昇気流が発生してしまったため、山脈のはるか上の方で霧が出るようになってきてしまい、その結果として竜血樹が水分を吸収することができなくなってしまったのです。

このままでいくと、あと30年で消えてしまうでしょう。それを早速ナディームさんは村の人に伝えます。これまで地球温暖化について考えたこともなかった村人は、深い悲しみの中で「変わりになる樹なんてないんです。」と訴えます。このままでは子や孫の時代に竜血樹が消えてしまいます。アブドラさん達は、早速竜血樹の苗木を植えることにしました。

世界遺産登録によるシナバルブームも、環境問題が解決されて初めて成り立つこと。日本からはるか離れたこの場所へも、自分たちは大きな影響を及ぼしているのです。

【参考】素敵な宇宙船地球号 2月1日

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ゾマホン汗かき奮闘記 続編 青い悪魔を駆逐せよ!

2009年1月 26日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

ホテイアオイ

日本から1万4千キロ離れた西アフリカの国ベナン共和国にあるノコエ湖に「アフリカのベネチア」と呼ばれる水上集落ガンビエ村があります。ガンビエ村を含めベナンはここ数年、深刻なゴミ問題が広がっていて水質汚染によって多くの人が命を落としたり伝染病などにおびえる生活をしていました。

そこへ、ベナン共和国出身でビートたけしの付き人であるゾマホン・ルフィンさんが故郷を救おうと立ち上がったのが2008年2月です。フジタの島多義彦さんの力を借り、湖にカキ殻を沈ませ、フジツボなどがかき殻に付着しそれらの働きによって海水が浄化されていきました。住民の意識を少しずつ変えるきっかけを作ったのです。

時は経ち、2009年。ベナンに再び降り立ちノコエ湖を訪れたゾマホンさんがみたノコエ湖は緑一面のじゅうたんが敷き詰められていたのです。それは日本でもおなじみの水草であるホテイアオイでした。このホテイアオイが異常繁殖していたのです。

ホテイアオイによって海水に光が届かず水中の植物が光合成を行うことができないことから、海水内の酸素が欠乏してしまい魚なども生きていくことができなくなってしまいます。また、腐ったホテイアオイが湖底に堆積し、ヘドロ化してしまう恐ろしい植物です。ホテイアオイは5大陸50カ国で自生しており、「青い悪魔」と呼ばれ恐れられているのです。

大発生してしまった原因は、生活排水の垂れ流しによって水が富栄養化してしまい、窒素やリンを栄養源とするホテイアオイに十分な栄養を与えてしまったことがあげられます。ノコエ湖のカキ殻浄化装置がある場所でも、ホテイアオイで一杯になっていて近づけない状況になっていて浄化装置が動作しているかも不安です。水が連続的に流れる場所をはやく作ってあげないと、腐ってしまいよけい水が汚れるといいます。早速ホテイアオイを人海戦術で取り除くことにします。

一日掛けてようやく取り除くことができました。今後は定期的に駆除してかないといけないことを村人は感じ取ったようです。取り除いたホテイアオイは、再び船に積み込んで畑の肥料にしている村人からは芽生え始めたリサイクルの考え方が見て取れます。

しかし、ベナンのゴミ問題はまだ氷山の一角です。ノコエ湖が大西洋へと注ぐ場所は未だにゴミの山になっていました。上流から流れてくるゴミがすべてここに集まるのです。ゾマホンさんはこのゴミ問題へと立ち向かいます。

ゾマホンさんが日本から持ち込んだ技術は「廃プラスチック油化装置」です。これは、プラスチックを熱分解し、溶けて気化したものを再度冷やして燃料を作りだす装置で、ビニールなどのプラスチック製品を装置に入れるだけで、石油やガソリンを生成することができる魔法の装置です。この装置を開発した株式会社ブレストの伊東昭典社長と共に、早速ベナンで実演を実施します。

実演では、ベナンの人が持ち込んだゴミを装置に投入し1時間経ってできたガソリンで船を動かし、その利用価値の高さをベナンの人に示すことができたのです。ブレストが作ったBlester?1という装置は、100kgの廃プラスチックゴミを90kgの油にすることができるそうで、日本でも今後積極的に利用すべきすばらしい商品です。

このように工夫次第でゴミは再利用することができるのです。ゾマホンさんは日本の人はこういう装置でゴミを減らす努力をしているとベナンの人に紹介しています。その言葉に恥じないように、プラスチックゴミを再生させさらにそれを利用する仕組みを構築することが大切だと思います。日本でも、ゴミ問題について生成したガソリンを買い取ってくれたり、装置の購入に大幅な補助を行政が行うといった方法など、手を打つことができるものはまだまだあるのではないでしょうか。

【参考】素敵な宇宙船地球号 1月25日


エコなお箸 パピルスティック

下町ノラ猫事件簿

2009年1月 18日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

野良猫

昔は「なめ猫ブーム」、今ではYoutubeで盛り上がりを見せた「ねこ鍋ブーム」によって、猫のかわいさがクローズアップされ代表的な人気ペットの一つとなっています。台東区にある谷中銀座商店街の理事長である堀切さんは、猫によって商店街の客が3割から5割は増えたとホクホク顔です。

しかし、そんな人気の裏に隠された影の姿としてノラ猫による様々な被害が顕著になってきているのです。例えば、猫に朝を上げる人たちの増加によってそのえさを狙うカラスまで増加させてしまったり、猫そのもののふん尿による悪臭などによって地域住民が大変な被害を被っているのです。

住民の声に応えるため、荒川区では「餌やり禁止条例」を制定しました。本来の意図としては餌やりそのものではなく、無責任な餌やりによって環境を著しく悪化させる行為を禁止しているのだと区の担当者は言いますが、餌やりによって被害が出ている現状を考えると、事実上は餌やりそのものを禁止しているといってもいいでしょう。

このように問題になっている野良猫とうまく付き合っていく方法はないのでしょうか。その問題に対して、必死に取り組みを行っている人たちがいます。それは、地域猫として世話をする人たちです。地域猫とは、人間の都合で捨てられた猫を世話しようとするもので、哀れなネコを助けたいと始まった活動の一つです。えさ代などは自分たちで負担をしている等、活動上負担になることは多いのですが、現在もなお、多くの人たちが必死に活動を行っています。

そんな活動をしている会として、「荒川区地域猫の会」や「ニャオニャオ助ける会」などがあります。彼らは、小さくてちっちゃいものを助ける気持ちを忘れていけないと我々に訴えます。野良猫と上手に付き合っていく方法にどのようなものがあるのでしょうか。それを以下にまとめます。

■野良猫対策
1.不妊治療、去勢対策
メスとしては発情のストレスもなくなり、オス同志のケンカもなくなるのでメリットがあります。

2.追っ払うこと
少し面倒ではありますが、一番効果的だといえます。人間が猫を追っ払うことによって、猫は自分の生きていける場所を自分で探すために、他の場所を探すのです。都会の猫は特にそのような能力を持っています。

3.ふん尿被害を軽減するトイレ作り
ふんや尿をする場所をあらかじめ与えることによって、それ以外の場所での被害を最小限にとどめるのです。

実は猫も自分たちで人間に迷惑を掛けようとしているだけでなく、様々な努力をしているのです。例えば、都会での猫もねずみを駆除しようとパトロールをしていたり、猫の集会を行い不要な争いを裂け猫同志がお互いに共存するための大切なしきたりを行っていたりします。

自分では満足にえさを取ることもできない飼い猫。経済的な理由で手放されなければならなかった悲しい猫も、寒空の中で生まれたちびも、みんな幸せに生きたいんですよね。不幸な猫を作り出すのも、また救えるのもまた人間なのです。どうやってこの問題を解決していけるか、まさに人間が試されているのかもしれません。

【参考】素敵な宇宙船地球号 1月18日


野良猫の気持ちを考える絵本


野良猫を傷つけず追い払うジェル