今ハイボールが熱いワケ
今居酒屋に行くとほとんどのお店でハイボールが人気メニューとして掲げられています。ハイボールという言葉はよく聞くのですが、一体どういう飲み物なのでしょうか。簡単にいうと「ウィスキーのソーダ割り」になります。ハイボールという言葉はどうやら世界ではないらしく日本独特の呼び名なようです。
時はさかのぼり戦後のこと。気軽にウィスキーを飲むことができるバーが急速に広まった頃、氷は貴重なものとされ水は必ずしも衛生的とはいえない状況のなかで、割とポピュラーに存在していたソーダを利用してウィスキーを割るようになりました。それが通称「トリハイ(トリスハイボール)」です。
それから、徐々にハイボールは一般家庭にまで普及すると共に、水がおいしなったり手軽に氷を作れるようになるとハイボールは静かに我々から離れていくことになります。さらに1983年をピークにウィスキー自体の消費も下降傾向をたどっていくことになります。
これに危機感を感じたのはウィスキーの大御所であるサントリーでした。消費が伸び悩んでいるはずのウィスキーが東京のとあるお店でよく飲まれていることを調べてみるとハイボールという形で売られていたのです。ウィスキーを改めて飲んでもらうためにハイボールという形で販促活動を開始します。
しばらくして、これが功を奏し人気が人気を呼んでいくことになります。今では「チューハイ」も「焼酎ハイボール」と略称をほどいて呼んだり、スパークリング日本酒を「日本酒ハイボール」と呼んで売ったりするほど、ハイボールに対する一種のブランドが確立されつつあります。
◆ハイボールの語源
ウィスキーのソーダ割り=ハイボール、という名前になかなか結びつかないのですが、ハイボールという言葉の語源として大きく2つの説があるといいます。
説1:アメリカの鉄道にて
棒の先に金属製のボールが上がっていれば青、上がっていなければ赤という「ボール信号」があったそうです。駅員の人はとなりの駅にあるボール信号を望遠鏡で見ながらウィスキーを飲んでいて、ボールが上がる(これはハイボールという)と、列車がくるのでホームに駆けつけました。そのときの駅員が飲んでいたのがウィスキーのソーダ割りだったといいます。
説2:スコットランドのゴルフ場にて
ある紳士がスコッチを飲んでいたところ、打ち上げられたゴルフボール(ハイボール)が飛び込んできたそうです。慌ててしまった紳士はスコッチを水で割るところを誤ってソーダで割ってしまったのですが、意外にもこれがおいしかったので広まったといいます。
どちらも、ことの真偽は分かりませんが、今世界でハイボールという言葉が使われていないところから考えると、もしかしたら日本人が考えついた名前なのかもしれません。そんな語源を考えつつお酒を楽しむのも悪くないでしょう。
◆森の中のウィスキー蒸溜所
そんなハイボールのもとになるウィスキーですが、メトロミニッツにサントリーの白州蒸溜所が紹介されています。山梨県北杜市にある白州蒸溜所は周囲を深い緑の山々に覆われていて、その中でシングルモルトウィスキー「白州」が作られています。
以前、北海道余市にあるニッカウヰスキー北海道工場余市蒸留所を訪れたことがあるのですが、この白州蒸溜所はまた違った趣を感じることができます。周囲の森から発酵段階では森からやってきて樽に棲みつく乳酸菌が、熟成段階では樽の中の原酒が呼吸をする森の湿潤な空気がウィスキーを育てていきます。
このように仕込み、発酵、蒸溜、熟成のほとんどすべての工程で、森や近くを流れる清流からの恵みを受けているのです。その生きているウィスキーを最高の商品にする最後の砦は人。人と環境が整ってこそ、最高のウィスキーを作ることができることを教えられます。
おいしいものは、最高の場所で最高の人によって作られる。大量生産で手軽に手にすることができるものがあふれている今だからこそ、こういうてまひまかけたものに貴重な価値があるのです。そんな作り手の心を感じながら、一杯のハイボールを飲んでみてはいかがでしょうか。
【参考】メトロミニッツ No.093
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