花言葉の今と昔
青いバラがサントリーから開発された話は以前このブログでも紹介させていただきましたが、その青いバラの花言葉は「夢かなう」というもの。この花言葉は今までできないとされてきた色を長年の研究によって実現させた思いが詰まっているもので、サントリーの方によって付けられた花言葉なのですが、このように一企業が花言葉をつけるのはすごく珍しいことだそうです。では、花言葉は一体どのように決まったのでしょうか。
専門家である徳島康之さんによると、花言葉の多くは古代ギリシャ・ローマの神話に基づくものが多く、その他地域に根ざした言い伝えや宗教などから引用されるものも存在することから、一つの花でも違った花言葉を持つものが存在するといいます。例えば、バラは英米で美や愛情の象徴とされていますが、フランスでは無邪気さを示すものとされています。そんな花言葉は、中東トルコのイスタンブールで1600年代に花に対して付けられるようになり、それがイギリスやフランスに伝わって、19世紀頃には世界的に広まったとされています。
このように欧米が中心になりがちな花言葉ですが、日本の花にも花言葉は存在します。中心になって決めているのが財団法人日本花普及センターで、「誕生花・花ことば366」等が有名です。例えばソメイヨシノの花言葉は「優れた美人」だそうです。日本の花に関する花言葉を見てみると、宗教や言い伝えというものよりも、どちらかというと見た目であったり何らかの象徴として名付けられているという印象を強く持ちます。自分の誕生日の花は何なのか一度見てみるといいかもしれませんね。
バイオ技術の発展と共に、花は次々と開発される時代となりました。今まで自然界ではなかったような花々が次の世代の人々にとっては当たり前に存在する懐かしい花になる日が来るのもそう遠くないでしょう。それと共に花言葉は、青いバラの「夢かなう」に始まり、これからもっと多くの花言葉が企業が名付け親となって次々と登場してくることでしょう。先に登場した「夢かなう」は、その大変さを自分たちが見ることができたので、本当にかなうのかも知れないなと感じられるかもしれませんが、試験管の中で大量に新しい花が作られたとき、その一つ一つの花言葉に一体どのくらいの効力を信じることができるのでしょうか。そういった花言葉への愛着と信じる気持ちをあなたならどこまで持つことができますか?
【参考】日経Plus1 2009/11/07
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