雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう
この出だしで始まる曲といえば誰もが知っている山下達郎の「クリスマス・イブ」しかないでしょう。歌詞を眺めているとすごく悲しい物語なのに、なぜかクリスマスの風物詩ともいえる曲になっています。恋人たちはこの曲を聴きながらイブの夜を過ごすのでしょう。この山下達郎の曲は四半世紀以上前の1983年に発売され、3年後の1986年から今年までの24年間連続してオリコンチャート100位以内に入るという快挙を成し遂げたのです。
「クリスマス・イブ」を聞くと思い出すのが、JR東海の「X’MAS EXPRESS」のCMソングが思い出される人も多いのではないでしょうか。1987年に国鉄からJRに変わり何となくお堅いイメージがあった企業がそのイメージを一新するために起用したのが1988年から5年連続して放送したこのクリスマスエキスプレスです。自分はこの中で始めの深津絵里さんと牧瀬里穂さんのイメージが強烈に残っています。ずっと逢えなかった恋人たちが夜の新幹線のホームや改札で再会するほんの1シーンを上手に切り取っていて、見ている自分までなんだか嬉しくなってしまいそうな素敵なCMです。
男性としてはこのように自分を待ち遠しく待ってくれる女性がいることの幸せとあこがれを思い描いたのではないでしょうか。これを見たほとんどの人が新幹線に乗っている自分の姿を重ねたに違いありません。今改めてこのCMを見てみても当時と同じ新鮮さを感じ、全く古さを感じさせないところがすごいと思います。1988年当時といえばバブルの全盛期ですが、CMの中にそのことを知る術はありません。それこそがいつの時代にもマッチし続ける音楽と映像を提供できている所以なのかもしれません。
JR東海はこの他にも「そうだ、京都へ行こう」というキャンペーンも見事成功させ、その地位を盤石なものにしています。直感的に新幹線にのって出かけたくなる仕掛けをうまく表現できているのですね。高速道路が安くなっている今、新幹線にのって恋人に会いに行く人は今年どのくらいいるのでしょう。素敵なクリスマスがやってきますように・・・
【参考】be on Saturday 2009/12/19
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