狛江市が多摩川河川敷でBBQ禁止に
多摩川河川敷は、様々な自治体にまたがっているのですが、特に特徴的な使われ方をしているのが、東京都狛江市と神奈川県川崎市付近といえます。実際に行ってみると分かるのですが、どちらも休日になると実に多くの学生や家族連れで賑わっていて、そのほとんどがバーベキューをやっています。小田急線の和泉多摩川駅を降りて、河川敷に向かう商店街では、バーベキュー用の薪や炭まで売っていて現地調達が可能な状況になっています。
青空の下でのバーベキューは本当に気持ちが良く楽しい気分にさせてくれるのですが、それはバーベキューをしている側の思いであり、住民にとっては大量の残飯の放置、ゴミ捨て、騒音、ニオイ、煙といった害に悩まされてきました。
自分もよく河川敷で子供と遊ぶのですが、バーベキューをやっている学生がビールを飲んで酔っ払って羽目を外して大声で叫んでいるのをよく見かけます。子供は少しびくびくしてしまい、自分たちに絡まれることがないか不安になることもあります。
もちろん節度とマナーを守ってバーベキューをしている人がほとんどなのですが、一部の心ない人たちのためにバーベキュー利用者全体のイメージは確実に落ちていったのでしょう。この度東京都狛江市では、市域にかかる部分でのバーベキューや花火を全面的に禁止する方針を固めたそうです。
早ければ2012年4月にも条例が施行されるとのこと。河川敷には監視員を置き、バーベキューや花火を発見すれば、即立ち退きを勧告。聞き入れない場合、2013年4月以降は罰則として2万円を上限に徴収する事になる見込みです。規制の対象エリアは小田急線のガード下をはさんだ上流、下流の河川敷になるそうなので、バーベキューを計画している人はしっかりと見ておいた方がいいでしょう。
多摩川流域では、バーベキューを有料化しているところもあるのですが、狛江市ではより厳しい禁止としたことに、これまでの被害状況の深刻さをうかがい知ることができます。確かに、河川敷には大量のゴミが落ちていて、さらにバーベキューの跡の炭や食べ残しを数多く見ることができます。冬はともかく夏場の衛生状態は深刻であっただろうことが容易に推測することができます。
おそらく一時的には、バーベキュー利用者は周囲でできる場所を探し、そこで同じようなことを繰り返すでしょう。そして今は寛容な周辺自治体も今回の狛江市と同様締め出し策を打つことが容易に想像することができます。最終的には多摩川でバーベキューをすることができなくなるのかもしれません。
本来、バーベキューは認められた場所で責任をもって後始末をして楽しむのが筋なもの。ゴミの始末などを任せるのであれば、それ相応の費用を支払うのは当然と言えます。今のように無料で楽しむ際には、他人に迷惑をかけた時点でアウトなのです。みんなが気持ちよく楽しむために、どうしたらいいのか頭で分かっているモラルをきちんとわきまえて実行することが改めて求められているだと思います。
【参考】asahi.com http://www.asahi.com/national/update/1119/TKY201111190165.html
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