事故を予知する方法
1対29対300
この比率を見てなんだか分かりますか?これは、「ハインリッヒの法則」と呼ばれる比率で危険な事故を予知するのに非常に役立つ考え方とされています。
このハインリッヒの法則は、自分たちの身の回りでも日常的に使われています。例えば、ある交差点で1件の死亡事故が発生したとします。その裏には29件の軽いケガを伴うような事故が起きており、さらに300件のヒヤリハット体験が隠されているといいます。つまり、1件の事故は氷山の一角に過ぎないということになります。
この確率のピラミッド構成は、以下のような様々な場面で当てはめることができます。
・自動車・飛行機・列車などの交通事故
・公園遊具による子供の事故
・病院の人為ミス
・お客様からのクレーム
・体調不良で休む人
この他にも多くの場面で使用されるこの考え方ですが、逆に300件の方から考えることによって命に関わる重大事故を予知したり防止することができると東大名誉教授の畑村洋太郎さんは話します。失敗学の権威である畑村教授によると、身の回りでうっかりミスが多く出るようなことが起き始めたら、大事故の予兆と考え放置せずに何らかの対策をすぐに行うことが大切だとアドバイスしています。
人間は誰でも失敗するものです。300件のヒヤリハットであればいくらでも取り返しをすることができますが、重大事故につながると取り返しのつかないことになってしまいます。日常生活の中でひやっとしたことなど好ましくないことが起きたときに、どうしてそれが起こったのか考え、その再発を防ぐにはどうしたらいいのかを考えてみるといいと思います。ミスや事故が何もおこならいことで、効果を実感することができないのですが、それこそが一番の効果なのです。
【参考】日経Plus1 2009年8月1日
ヒヤリ・ハットにさようなら!早わかり薬の知識―事例で学べる薬剤・輸液・注射薬 (Hon deナースビーンズ・シリーズ) (2008/05) 守安 洋子二宮 洋子 |
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