篤姫 第35回「疑惑の懐剣」
まず懐剣という言葉が分らず、懐かしい剣と解釈すると全く訳が分らなくなるので、きちんと調べてから、物語に映る必要があります。懐剣とは護身用の刀のことで、幕末期などには実際に、暴漢などが家に上がりこんできた際に懐剣を突きつけて撃退したという話もあるそうです。納得しました。
寝室に和宮が懐剣を持ち込んでいるといううわさ話が瞬く間に広がって、大奥で大問題となります。この問題に取り組むのが滝山なんですが、最近では大奥の警備を隅々まで行き届かせていて、かなり頼りになる存在になってきましたね。
その滝山が和宮のところへ事実を確認するところ、観行院や庭田嗣子といった外野ばかりが怒りまくって、一方的にののしられてしまいます。滝山も天璋院も和宮と話をしたいのに、周りばかりが敵対する和宮像を造り出しているようにしか見えません。なんだかかわいそうになってきました。
そこに、業を煮やした天璋院が自ら和宮と話をしに行きます。このとき和宮のことを「宮さま」と呼んでいたことについて、プライドを捨てた柔軟な考えをすることができる人であることをうまく演出しているなと感じます。
天璋院は和宮に、懐剣を持っているのか訪ねるとそれはないと言い、結局それは手鏡であることがわります。家茂に気に入ってもらえる様にするための女性としてのアイテムだったんですね。
これで、いけると思った天璋院は、家茂に全てを話すように諭します。さすがの指示です。これによって、少しずつ和宮と家茂の関係、和宮と徳川の関係がいい方向に行くのでした。この先が楽しみですね。
一方、薩摩では奄美より西郷が戻り、久光に対し上洛は無謀かつ時期尚早であり、当主でもなく官位のない田舎育ちの久光にできることは何もないと発言します。当然久光は怒りまくります。当たり前ですよね。
もう少し言い方を気をつけないと、酷い誤解を与えてしまうことになります。かろうじてこの後大久保と小松によって、斉彬の遺志を継いでいるのだということを聞かされ、納得して上洛することになります。
しかし、久光はいつ西郷に対してその不満を爆発させるのかハラハラドキドキです。今後は幕府に対して刃を向ける薩摩と天璋院の関係という、全体の中で大きな場面に向かいます。天璋院はどのように振る舞っていくのか、すごく楽しみです。
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