あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように


あしたまにあーな > 阿部サダヲ


平清盛 第10回「義清散る」

2012年3月 11日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回の大きなポイントは佐藤義清と王家の物語。次の帝に据えようと様々な画策をする得子は確実に朝廷の中で大きな権力を握っていくことになります。このあたりのどろどろとした人間模様は、大河ドラマとしては正しいのかもしれませんが、なんだか見ていて苦しくなります。決して気持ちがいいものではないですね。

佐藤義清が救うとした待賢門院璋子も得子の権力に対抗しながらもどんどん脇の方に追いやられていってしまうのですが、その中で前回からアプローチされていた佐藤義清に心揺られます。それに乗って佐藤義清はますます待賢門院璋子に吸い寄せられていきます。

しかし、この中で待賢門院璋子の心の本当の部分は、佐藤義清に行ったわけではなく始めから鳥羽院のところにあったのです。このことを知った佐藤義清は取り乱し、待賢門院の首を絞めてしまうのです。自分のものにならないのなら痛めつけたいという義清の気持ちはよく分からないのですが、気のあるそぶりをみせてしまった待賢門院は罪な女性でしょう。

こうして取り乱してしまった義清を守ろうとする人はほとんどいないのは仕方がないことでしょう。花形のところにいる者の定めとも言えるねたみややっかみが裏であったのかもしれません。藤原頼長のように露骨に義清を落とそうとしっかりと裏を取って追い詰めるような人がほとんどのなかで、唯一手をさしのべたのが親友である清盛でした。

必死に共にがんばろうと言っている清盛は太陽のような存在に見えます。もし一緒にここで清盛と共に動乱の世の中を見変えていたら、今の時代はまた変わっていたかもしれないと思えるほどの存在でしたが、清盛の言葉に最後まで頷くことなく、出家することになります。義清は、美しいものを追い求めていて泥臭い世界に生きることを良しとしなかったのです。

桜がなびくちょうど今頃、清盛の前で義清は髪の毛を切り、出家をすることを決意するのでした。最後の清盛紀行で、佐藤義清が西行法師であることがわかり、驚きました。歌人として卓越したものを披露していたので、こうなってもなるほどと思うのですが、こうやって西行=佐藤義清と結びつくと不思議な感じがします。

ここまでで佐藤義清に関しては終わりでしょう。そののちに世の中を賑わすことになる源義朝の登場時間はわずか数分。毎回少しでも彼を登場させ、視聴者に忘れさせたくないという思いなのでしょう。きっとそれが報われるときが来ることを願って待ちたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?勝持寺
 ?西行桜
 ?西行姿見の池
 ?西行法師像

奈良県吉野町
 ?吉野山 西行庵

ピアノミニアルバム「NHK大河ドラマ 平清盛」

ピアノミニアルバム「NHK大河ドラマ 平清盛」
価格:735円(税込、送料別)

NHK大河ドラマ・ストーリー平清盛 前編/NHK出版

NHK大河ドラマ・ストーリー平清盛 前編/NHK出版
価格:1,100円(税込、送料別)

平清盛 第9回「ふたりのはみだし者」

2012年3月 04日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

平氏の中は幸せが包み込んでいて見ていてほんわかとなるのと対照的に、王家では血みどろの戦いが繰り広げられていて今回それがとうとう顕在化してしまう状況にまでなってしまうという両極端な展開となりました。その中で登場した源義朝は、相模国の三浦一族が助けを求めにやってきて、助ける代わりに三浦一族は源義朝に従う約束をするなど、着々と力を蓄えていました。あまりもあっさりとしすぎているので、おそらくほとんどの人が何らかの伏線であるとは気がつかないのではないでしょうか。

その今回のメインどころ1つ目が平氏のほんわか家族です。清盛と明子の間に生まれた清太は、清盛にとってはめちゃくちゃかわいい存在で、雅仁親王が後半で清盛の家にやってきた際に双六の台を清太に投げつけようとした際には、全力で清盛は我が子を守ります。いずれ親子の関係は崩れると誰かが行っていましたが、この親子にはそのようなことはなさそうです。のちの重盛についても色々調べてみましたが、父を助けて後白河上皇との関係を取り持っていたりしたようであり、将来我が子がどのように育っていくのかを自分に照らし合わせて考えては、期待と不安が交錯していました。

そんな幸せは平氏とは裏腹にどろどろ模様を呈しているのが王家。鳥羽院との子供を産んだ得子によって、朝廷を緊張させます。明るみになったのはこの子供の誕生を祝う宴でのこと。鳥羽院が我が子を紹介するところまでは平穏だったのですが、佐藤義清が崇徳帝の歌を歌い始めた頃から状況が一変します。場が凍り付き、雅仁親王が出てきては得子に権力欲であることを非難、それに反論する得子が待賢門院を苦しめたかったということを暴露します。このあたりは男女ともに最悪な状況、見かねた藤原摂関家は途中退席します。

この最悪な状況を決定的にしたのは義清の歌なのですが、天皇から直々に自分を守ってくれと頼まれれば嫌とは断れなかったというのも分かるので、百歩譲ってここはよしとしましょう。しかし義清はこれだけでなく、人を愛しく想う気持ちが分からないという待賢門院に、自分がそれを分からせてあげると言わんばかりにアプローチします。このあたりは完全に私欲に走っています。待賢門院に対する自分の気持ちをぶつけたかっただけなのでしょうが、自分が帝や待賢門院の力になると言わんばかりの行動。うーん、謎です。

この義清の想いや行動は次回へつながっていきます。義清はこの後どのように生きていくのか、それによって清盛や物語の中でどのような影響を及ぼしていくのか楽しみにしたいと思います。最悪次回で義清は居なくなってしまうことも。藤木直人好きな奥さんには残念なことでしょう。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?法住寺
 ?新熊野神社
 ?法住寺陵

ピアノミニアルバム「NHK大河ドラマ 平清盛」

ピアノミニアルバム「NHK大河ドラマ 平清盛」
価格:735円(税込、送料別)

NHK大河ドラマ・ストーリー平清盛 前編/NHK出版

NHK大河ドラマ・ストーリー平清盛 前編/NHK出版
価格:1,100円(税込、送料別)

平清盛 第8回「宋銭と内大臣」

2012年2月 26日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は平氏がどのように反映しその礎を築いていったのかがよく分かる内容となりました。大河ドラマの中に激動なる人間模様や心の変化を求める人にとってはなんだか物足りないと感じた人もいると思いますが、これまであまり多くを語られることのなかった平氏の基礎の部分と周囲の人たちにクローズアップされていたように思います。

そのポイントなったのが神埼での日宋貿易でした。忠盛が数年前に院の名前をかたって当時必須だった太宰府を通さずに取引をするように命じた結果、平氏はこの場で宋との貿易で莫大な利益と珍しい品々を手に入れることができるようになったのです。それを使って王家に献上しその見返りに様々なものを手に入れ、さらに宋との貿易が豊かになるというプラスのスパイラル状態でした。

この状況は、見つかったときに平氏そのものの地位を危うくする大問題なのですが、これを平然とやっている忠盛と、それを見た清盛。ワクワクすると話をしていましたが、それは危険と隣り合わせだったからという事もあるのではないかと思います。後に頼長と高階通憲が話をしていましたが王家はこのとがめを決してすることはないだろうと。つまり、世の中の通例として客観的に見るとNGなことであっても、事前に権力者と根回しを行い合意をとりつくと共に、自分もそれだけの権威を持つようになった時、自分に都合のいいようにシステムは回り出すこということなのかもしれません。なんだか現代にも通じるようなものがあります。

平氏の動向以外にも今回は周囲がかなり活発になって来ました。今回大きく動いてきたのが、清盛の弟である家盛、藤原頼長、そして王家の人々でした。源義朝は野山を駆け回り肉をほおばるシーンだけだったのですが、インパクトが強かったのが由良姫でした。

まず家盛ですが、これまで清盛に対して従順な姿勢を見せてきたのですが、家盛自身の恋愛関連をきっかけとして段々裏のダークな人柄が出てくるようになりました。結局は自分が好きだった女性とは別れ、親が薦めた女性と結婚することを笑顔で選ぶのですが、次回あたりから徐々に平氏の波乱要素になっていくのではないかと思われます。

次に頼長ですが、藤原摂関家のなか有能な人物として取り上げられています。山本耕史さんも冷たい人物を演じていますが、もう少し冷たくあしらってもいいのではないかと思うほど熱い部分が見えてしまっています。あまりにも鮮烈な登場だったので、彼はこの後どうなってしまうのだろうと調べてみると、なんだか壮絶な人生であったことがわかり、また一つ物知りになることができました。細かい性格がこの後清盛とどのように影響を及ぼしあっていくのかが楽しみです。

そして最後に王家の人々。毎回ちょい役で誰かが登場するのですが、毎回の鳥羽院のやばそうな視線の先には今回は菊の花。これを鮭に浮かべて飲むと不老長寿になると言われているようです。今の菊のイメージとは全然違うので、少し驚きました。そんな鳥羽院周辺から少し離れたところで今回存在感を出しまくっていたのが崇徳天皇です。井浦新さんが演じるのですが、彼と言えば蜜の味で熱演した雅にいちゃん。まさにそんなイメージぴったりの演技で、思いっきり重なってしまいました。後数回見ないと、かぶったまま終わってしまいそうです。

平氏がどんどん追い詰められていくのか、それともこの逆境を乗り越えて繁栄の道につなげていくのか、ここ数回がカギになって来そうな感じがします。清盛のいいところは自分はまだまだだと自分を反省し冷静に見つめることができること。今回の頼長との関係から自分に何が足りなくてどのようにしなければならないかを次回以降見つけていってくれることでしょう。それを楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
佐賀県神埼市
 ?櫛田宮

ピアノミニアルバム「NHK大河ドラマ 平清盛」

ピアノミニアルバム「NHK大河ドラマ 平清盛」
価格:735円(税込、送料別)

NHK大河ドラマ・ストーリー平清盛 前編/NHK出版

NHK大河ドラマ・ストーリー平清盛 前編/NHK出版
価格:1,100円(税込、送料別)