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平清盛 第13回「祇園闘乱事件」

2012年4月 01日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は清盛が起こした騒動である「祇園闘乱事件」一色となりました。ここまで題名と内容がぴったりと合うのも珍しいことではありますが、それ故終始一つの内容をしっかりと見ることができて満足できるものとなりました。

強訴を当然快く思っていない比叡山延暦寺の僧侶たちは、平氏の中で一番の弱みである兎丸を挑発することによって見事混乱を起こすことに成功します。絶対的なものを背中に背負っていることから、かの白河院も自分の意のままにすることができなかったと言われる僧侶たちですが、清盛たちもまた同じように苦労することになります。

きっかけは些細なことではありましたが、いずれ平氏の存続を揺るがすほどの大きな出来事となっていくのですが、ここでも存在感を見せつけたのが忠盛です。ここぞとばかりに検非違使に被疑となった人々を差し出し、さらに自分と清盛を連れて検非違使で蟄居する選択を即断します。

この中で、普通なら自暴自棄になってしまいそうになる清盛をうまく抑え、効果的な言葉を発します。それは舞子とのなれそめと清盛をなぜ自分の子供としたのかということ、さらに清盛が平氏や世の中にとってなくてはならない人物であることを語ります。この後の清盛はどう感じたのか分かりませんが、最後の場面で非常に効果的であったことがわかります。

平氏をつぶそうとする人は多く、この事件をきっかけにして藤原摂関家の頼長などは、いつものように事実をねちっこく調べ上げて、鳥羽院に直訴します。このいやらしさがあってこそ、困難な状況であることが強調されているのだと思います。そういう意味で頼長も物語の中になくてはならない存在だといえます。

鳥羽院はどのように判断したらいいのか完全に分からなくなってしまい、得子に自分がまだ白河院の亡霊から逃れられていないということを告白します。自分の体に流れる血が白河院を彷彿とさせるというのです。後から考えるとこの出来事や言動がフラグになっていたのだとわかりますが、このときはまだまだそんなことは分かりません。

迷い抜いた鳥羽院は蟄居している忠盛・清盛のいる検非違使に向かいます。そこでの出来事は本当に緊迫したすばらしい描写となりました。

「神輿に矢を放ったのは、わざとか、それとも手違いか?」

この究極の質問に対して、清盛は手にさいころをぎゅっと握りしめて、考え抜いた結果わざとだと述べます。忠盛も静かにそれを見つめています。このあたりの感情は分かりづらく、視聴者にゆだねられているあたりの演出ににくさを感じつつも、自分もまんまとそれに乗ってしまい「忠盛はどう思っているのだろう」と気になって仕方がありません。

さらに鳥羽院は、「ならそのときのように自分をいってみよ」と述べます。ここでも完全に試されている感がありますが、清盛は鳥羽院に弓をいるふりをすることを決断。鳥羽院は自分から白河院の血が吹き出ていると喜びます。

一歩間違えば、平氏そのものの運命が尽きてしまうばくち的な状況下で、見事正解を導いたのは、忠盛曰く「清盛はばくちがうまいな」という一言に尽きるのでしょう。このあたりの様々なフラグが一つの結論にしっかりと収束する美しさを感じずにはいられませんでした。

そういう意味で、今回の内容はしっかりと計算し尽くされた物語であり、用意された敷石を確実に通ることによって、平氏の運の良さを演出することに成功しているのです。次回は家盛が反乱を起こすようですが、なんとなくうまくいかないような気がします。

きっかけの描写もかなり薄いことから、次回でこの反乱も終わってしまうのではないかと予測しています。それがどうなるのか、楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?祇園女御塚
 ?八坂神社
 ?舞殿
 ?本殿
 ?忠盛灯籠

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平清盛 第12回「宿命の再会」

2012年3月 25日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

少しずつではありますが、源氏の勢いが出てきて何となく嬉しくなりました。やはり物語を白熱したものにするためにはライバルという存在が必要であり、お互いに切磋琢磨することで人間的にも魅力的になって行き、世の中も良くなっていけばいいんではないかと思っています。

そういう意味で、今回東国から帰ってきた義朝はそのインパクト十分でした。片手には鳥羽法皇が求めていた水仙の花を携え、完全に清盛を出し抜いた形になります。義朝は東国の部下たちに命じて東北の山から取ってこさせたといっています。それに対して清盛は自ら原っぱの中を探し求めます。結果を出したのは義朝の方。部下をうまく使って結果を出した結果、上司から認められるという現代にも通じた統制の取れた手柄と言えます。きっと作者としても今回の義朝の活躍から、将来的に平氏と源氏が共に世の中を二分する大きな勢力になることを示していたのでしょう。そのフラグとして十分すぎるほどの登場シーンでした。

さらに、義朝や清盛のプライベートでも進展があります。明子を病でなくした清盛はしばらくふさぎ込んでしまいますが、それを必死で元気づけたのは時子でした。深田恭子という人選も雰囲気を良く出していていいと思います。それに対して義朝が自分の子供を産めというなんだか理不尽な言い方をしながらも求婚したのが由良姫でした。こちらは、田中麗奈でありキャラが少々かぶっているような気がしなくもないのですが、今後きちんと色分けされることを願っています。

そして、いつもドロドロな雰囲気になる王家関連の皆様ですが、今回は璋子が出家&病で倒れる、それを見た得子が慈悲深い発言を繰り返すことによって、なんだか穏やかで心温まる情景に早変わりします。病で床に伏せる璋子を心配して鳥羽法皇が水仙の花を探してまた取り乱します。このあたり、こういう人に国政を任せていて本当に大丈夫なのだろうかと思ってしまいますが、璋子への思いが今ようやくここで届いたと感じるべきなのでしょうね。実際、義朝の活躍によってGETした水仙を璋子に届け、璋子はそれを携えてあの世へ旅立っていきます。

得子は璋子を地獄へ落とすために色々と画策してきたのですが、結果として璋子は安らかな気持ちで旅立っていったのはなんだか皮肉なことです。こころなしか得子の表情も優しく見えたのは自分だけではないでしょう。そこは松雪泰子の演技をほめた方がいいかもしれません。

そろそろ、今後活躍しそうな人物もそろってきていて、物語も本格的に動き出そうとしています。ここまでの流れがすごくもどかしいと感じた人もいるとは思いますが、しっかりとした物語を作るためには必要不可欠だったと思います。そんな次回は平氏の初めての聞きが訪れます。どのように打ち払っていくのか楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?法金剛院
 ?青女の滝
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平清盛 第11回「もののけの涙」

2012年3月 18日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

人の世の中にはびこる怨念と清らかな家族を思いやる大切な思いの対比がこれでもかというくらい登場する内容となりました。はじめの怨念に関しては、毎回恒例となっている鳥羽院と崇徳帝、得子と璋子の静かなる次期帝の座を巡る戦いでした。

結果としては、鳥羽院は法皇となり得子は皇后となって実権を握ることになり、それと共に崇徳帝や璋子は敗北し去らざるを得ない状況になりました。いつの時代も権力闘争は厳しく、そこに怨念があるのは当然のことのように思えます。この話が毎回登場するのはいつかきっと清盛たちに大きな影響を及ぼすからに他ならないのですが、そのときが近いのか、遠いのか今はよく分かりません。

もう一つの内容である平氏のなかで、今回のメインは明子でした。宗子、明子、秀子の3人が、新年を祝い、奏でる和琴、琵琶、笙の調和がとれた演奏をし、それに忠盛がまさにこれが平氏という家の理想であり、一門の結束が大切だと話をします。いつもながら忠盛はすばらしいことをいいます。平氏の棟梁たるものそうでなくてはならないと感じます。

どこまでも清盛を支える明子は、性格も完璧で盛国の結婚相手を探してあげたり、2人の母親として思いっきり愛情を注いだり、他の人のことを常に気遣うすばらしい女性だったのですが、最期は突然やってきました。疫病患者の介抱をしてうつってしまいます。

必死に薬を探す清盛が取り乱すのも無理はないことでしょう。その思いむなしく彼女は息を引き取っていきます。忠盛の言葉に、未だに白河院の呪縛から逃れられない息子を感じたといいます。本人はそのことを打ち破って自分は楽しく全力で生きたいと言っていたにもかかわらず、まだ逃れられないのは運命なのか、それとも打ち破ることがでいる未来なのか、どうやらその答えはまだまだ先のことになりそうです。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?六波羅蜜寺

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