あしたまにあーな

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平清盛 第16回「さらば父上」

2012年4月 22日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

とうとう、平氏にとって大きな転換点となる場面がやってきます。今回はそのことが最初から最後まで気になって色々なシーンが出てきましたが、あまり頭に入ってこなかったように思えます。その重要なシーンはやはり最後にやってくるのですが、まずは心を落ち着けるためにそれまでのシーンを思い出してみようと思います。

といっても、平氏そのものの話以外に登場するのは、大きく2つだけ。それが源氏の状況と王家の状況です。まず源氏の状況としては、為義と義朝の関係が段々悪くなっていきます。源氏が藤原摂関家に仕える段階で義朝にとってはいい思いがしないはず。それでも生きていずれ武士の世の中を作るためには、地を這ってでも生きなければならないという為義は、どこかで忠盛に通じるものがありました。それは、歴史的にみると確かに正しい判断であることから、為義は先見の明があったと言えます。

途中に登場する、義朝の子供である頼朝に対して台詞が多いのも、きっと将来的なフラグなんでしょう。今はまだ子供ですが、大きくなって「あのときは、」という台詞と共に平氏に大きな影響を及ぼしていくというシナリオなのでしょう。そのときまでもうちょっと様子を見たいと思います。源氏に光が差すようになるのはまだまだ先なんだなと感じてしまう内容となりました。

もう一つの内容である王家の状況ですが、今回は藤原摂関家の兄弟争いに焦点があてられます。忠通と頼長の兄弟争いは、父親が弟の頼長に傾くことで勝負ありなのですが、兄としてはどうしてもそれが許せずに、美福門院得子に泣きつきます。今まで十分な関係もない鳥羽院と摂関家なので、弱みを見せたらいいように利用されてしまうのが関の山です。家盛の時に摂関家に利用されたのと同様、今回もこのタイミングで頼長の勝ちであることは明白。なんか泥沼の戦いになっていって、見ていて苦しくなってしまいますが、もうちょっと続きそうです。

そんな閉塞感を打ち破ってくれたのが、平氏の状況というのもいつもの構図だったりします。安芸守に任じられた清盛は、国府の官人や嚴島神社の社司・佐伯景弘から歓待を受け、さらに船が盛んに作られている造船の町であることがわかり、可能性が広がることに夢を抱きます。はやくその面白いことを見たいと思うのですが、それはまだ先の話。

その一方で、忠盛は確実に衰えていきます。中井貴一さんも全く衰える様子がないのですが、体はすでに限界だったのでしょう。舞子に昔言われた「夢中に生きていればなぜ生きているのか、なぜ太刀を握っているのかがわかる」という言葉に、まだわからないと嘆きながらも、自分の人生を振り返っては、満足感すら漂っています。きっと心の軸をしっかりと持てたのだと思いますが、それを最後まで告げることはありませんでした。

一族を集め、後継者を清盛とすることを告げます。その後、安芸に戻った清盛に幻影としてあらわれ、亡くなったことがナレーションで示されます。このあたり、なんかあっけなくて思わずぼーっとしてしまいました。残した功績や遺志などをあまり強くメッセージにしなかったのは、何らかの意図があってのことなのか、そうでないのか。自分には分かりませんが、あまりにも清盛にとって偉大であった父・忠盛の最期は、もう少し本人の言葉がほしかったような気がします。

これからは清盛の平氏になりますが、苦労は必至でしょう。どのように乗り越えていくのか、楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
広島県呉市
 ?音戸の瀬戸
 ?平清盛公日招像
 ?日招き岩
 ?清盛塚

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平清盛 第15回「嵐の中の一門」

2012年4月 15日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回から平氏一門はバラバラになっていました。確かに結果論的に言えば清盛が棟梁となってよかったのかもしれませんが、そのまっただ中にいる人々から見てみると本当に任せることができるのか不安だったと思います。清盛に任せると、天罰が下る可能性もありますし、平氏を正しい方向に導いていってくれるのか疑問のなかで、家盛のように生まれもしっかりとしていて、品行方正な若者のほうが安心感があるのも当然の考えといえます。

そんな拮抗した思いがうずまく平家のなかで、不幸が起こります。これまで跡継ぎの有力候補になっていた家盛が病で倒れてしまうのです。こうなってくると完全に神輿に矢を射た清盛の天罰が下ったと考えるのは自然でしょう。当然母親である宗子は家盛に触らず、ちょっと関係がよくなったかに見えたおじの忠正からも「代わりにお前が死ねばよかった」という衝撃的な罵声も飛び出す始末。

これで完全にふさぎ込んでしまった清盛に対して鳥羽院は高野山の宝塔再建という大役を授けます。なかなか気が進まない清盛をサポートしたのが、かつての義清である西行と高階道憲でした。この二人がくじけそうになっている清盛をもり立てて、高野山の宝塔再建は再開されます。久しぶりに登場した西行の周りにはやはり女性がたくさん寄ってきて大人気。このあたり、作者としてはキャラクターとしてそういうものだったと自分たちに伝えたいのでしょうか。この場面だけ本編とはあまり関係ないもので浮いていたように感じます。

その再建作戦に快く思っていないのが藤原摂関家。鳥羽院にあった帰りの忠盛に対して、家盛が平氏を乱しただけで犬死にだと状況を説明する藤原頼長。山本耕史の見るものを嫌悪感の嵐に誘い込むほどの悪役ぶりも素晴らしく、完全に摂関家のイメージは急降下中です。話をした後の忠盛のものすごい形相は忘れることができないほどで、この勢いのまま高野山再建をしている清盛のもとにいって、すぐにこんなことをやめるようにいいます。

本当にやめてほしいのであれば、書いている曼荼羅をバラバラにしてしまえばいいと思うのですが、散々息子を殴った後、清盛が心から家盛のことを思っていることを感じた忠盛は、血だらけにした息子の前で涙を浮かべます。感動の場面ですが、あくまで殴ったのは自分であることを忘れてはいけません。さらにやってきた宗子はこれまでさげすんでいた清盛に優しい言葉をかけます。この手のひら返しが素早すぎるのがなんだか違和感を感じたのは自分だけでしょうか。

何はともあれ、平氏はこれで結束が高まったとのこと。ひとまず安心です。次回は源氏や藤原摂関家がバラバラになって行きます。そのさなかで父親である忠盛もとうとう最期がやってきそうです。次回は中盤戦の一つの大きな転換期になると思いますので、心して視聴したいと思います。

◆清盛紀行◆
和歌山県高野町
 ?根本大塔
 ?奥の院
 ?弘法大師御廟
 ?金剛峯寺

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平清盛 第14回「家盛決起」

2012年4月 08日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回、弟から決別と共に今後は兄とは思わず家督を継ぐとまで言われてしまった清盛は、今回そのショックから立ち直ることができずに、最後まで落ち込んだ様子でした。家を継ぐことを宣言されたことよりも、小さい頃からずっと仲良しで、自分のことを兄上と慕ってもらった家盛が突然反旗を翻したことに対してショックを受けたのです。

事実、途中で平氏一門で集まった際に家盛に対して、もう自分は降りたとまで宣言したことからも、家督に関するこだわりはなく、ただただ弟のことを思っていたのだとわかります。

しかし、演出家は、家盛のことをあまりよく描きたくないようで、一門の繁栄のことを述べる家盛に対して、世の中がよくなるということを常に考える清盛の対比の場面では、かなり差が出たように思います。見る側から見ると、大きな視点で物事を見ることができる清盛と局所的な利益しか見ることができない家盛という図式ができあがってしまったのではないでしょうか。そう考えると、家盛はまるで悪役のような扱いになってしまったのが少し残念ではあります。

そんな家督争いに第三者が近づいてきて利用しようという動きはいつの時代でもつきもので、この平氏の家督争いに絡んできたのが藤原摂関家でした。中でも頼長の絡み具合は半端なく、男同士にも関わらず、家盛に近づいては寄り添っていく様子はなんだか軽いカルチャーショックを受けました。その誘いに乗ってしまう家盛も不慣れで用心が足りなかったとしかいえないでしょう。公の舞台での経験値があまりにも少なかったので、上のものに完全に飲まれた感じでした。

今回の内容の中で、家盛が終始頑張ってはなかなか報われず、利用され続ける悲しい状況の中で唯一盛り上がったのが義朝と清盛の絡みでしょう。久しぶりに登場した義朝は、今回かなり清盛とフレンドリーでした。二人で酒を交わしながら色々と言い合っている様子は、見ていてなんだか楽しくなります。ライバルでありながらもお互いのことを認めている二人というのは気持ちのいい関係です。なので、これからもこの二人の関係はいい意味で続いていってほしいと思います。

その二人が出会ったのが、武井咲演じるみすぼらしい身なりの娘でした。町の女にも関わらず、出演時間が半端なく多いので、絶対に今後何らかの形で大きな影響を及ぼすことになりそうな人であるとわかります。それがいい人なのか、そうでないのかは分かりませんが、実にわかりやすいフラグになったような気がします。

次回は、今回主役になった家盛が、ちょっとやばい状況に。これによって平氏がまた揺れに揺れる内容になりそうです。ここまで盛り上がっているのに視聴率が下がっているのは、やはり時代自体に興味が薄いからなのかもしれません。NHKもなんとかしようと、ホームページにこれまで見ていなかった人のために、わかりやすく内容をまとめた絵を掲載して必死に分かってもらおうとしています。これがどのくらい功を奏するのか分かりませんが、次回以降視聴率がどのようになっていくのか楽しみです。

◆家盛紀行◆
和歌山県本宮町
 ?熊野古道
 ?大斎原
 ?熊野本宮大社

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