あしたまにあーな

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平清盛 第42回「鹿ヶ谷の陰謀」

2012年10月 28日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回の企ての全貌は、前回のあらすじでポイントとなる発言をすべて見せられてしまったので、自分のなかでは特に驚きもなく、淡々と頭の中であらすじをトレースするだけで再現することができました。しかし、その中で完全に予想外だったのが西光を演じる加藤虎ノ介さんです。

彼の迫真の演技で、様々な思いや憎しみを今までにないほど臨場感のある演技で見ることができました。その直後に清盛が西光を足で踏みつけたりするのですが、加藤虎ノ介さんの方が迫力には勝っていました。このキャラクターをもっと早くに出していれば、存在感のある人物になったのにとちょっと残念でなりません。

その本題である鹿ヶ谷の陰謀ですが、首謀者と見られる多田行綱を演じる野仲イサオさん。かなりの悪顔ですね。よく時代劇で越後屋などを演じる人が悪そうな人相であることは有名ですが、この方も負けず劣らずそのような雰囲気を醸し出しています。彼が演じる人はきっと色々やってくれるんだろうなと思っていたら、陰謀の企てから裏切りまでこれでもかと言うくらいその道を突き進んで頂きました。きっと最後に密告を受けた清盛も多田行綱を信じられる存在にはならなかったのではないでしょうか。

後白河上皇側もなんとなく盛り上がりに欠け、いつの間にか周囲が捕らえられていきまたひとりぼっちになってしまった後白河さん。そこへ聖子ママがやってきて、優しくすごろく遊びは簡単じゃないのよ、と諭します。この辺りは前回も見たような気がしていて、聖子ママの登場回数が多くなるに従って、うさんくささも広がっていくのは自分だけでしょうか。そろそろこの方の登場回数を減らさないと、よく分からないまま終わってしまうような気がしてなりません。

一方、頼朝と政子も今回無事に結ばれることになります。結婚式の当日に花嫁を奪いさるという、今ではトレンディードラマの世界でしかないような状況を脚本家はさくっと取り入れています。後のことが大変そうだなぁとそればかり思ってしまう自分。きっと政子パパは激怒するんでしょう。それをどのように説得していくのか、次回を楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 - 大善寺
 - 徳林庵

平清盛 第41回「賽の目の行方」

2012年10月 21日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回の内容は完全に平清盛と後白河院のそれぞれの静かなる戦いに終始します。直接それをいうことはせずに、あえて賽の目という今まで比喩的に使っていたものを全面に出して話を進めていくのですが、なんとなく上手く機能したのかは微妙な状況となりました。

しかし、それ以外の内容については非常にワクワクするもので内容的には濃かったと感じます。今までナレーションの中でしか表現されてこなかった「平氏の思うままの世の中」があまりしっくり来なかった状況の中で、その状況を打破しようとして次々と反平氏の皆様が登場してきたことによって、しまりのある内容になったからだと思います。

その急先鋒が、後白河院。これまで滋子とラブラブで完全に押さえ込まれていたのですが、開化したかのようにどんどん清盛を追いつめていきます。後白河院は直接バトルを繰り広げていましたが、今回はあまり有効に機能しなかったように感じます。次回も引き続き戦いは続きそうなので、その結果が楽しみです。

その他、今はまだ敵にも見なされていないが、役者としては重要である源氏の皆様。頼朝は政子に出会って少しずつではありますが、「昨日が今日でも・・・・」という自嘲的な気持ちが緩んでいっていて、雪どけはあと2週間くらいでしょう。同様に弁慶に乗せられて表舞台に登場するのではないかと見られている後の義経もあと2週間くらいで元気が出てくるのではないかとみられます。ということは、来週は源氏の皆様以外でもう少し頑張って頂かないといけません。そのためにも後白河院の役目は重要ですね。

こういったどっちに転ぶか分からず、判断を誤った場合にはすぐに命を失うスリリングな状況というのが、大河ドラマとしての醍醐味だと思います。そのあたりの楽しさをここに来て感じることができるのは大河ドラマファンとしては嬉しいところ。次回がいよいよ見逃せなくなってきました。

◆清盛紀行◆
静岡県伊豆の国市
 - 北条氏邸跡
 - 伝 北条政子産湯の井戸
静岡県熱海市
 - 伊豆山神社

平清盛 第40回「はかなき歌」

2012年10月 14日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は、完全に滋子デーとなりました。演出の観点から誰もが分かるほど露骨に滋子が初めから登場し、様々な場面で「私は平家と王家を結びつけるためになくてはならない必要な存在なのよ」オーラを出すと共に自らもそのようなことをおっしゃっており、自他共に滋子という存在がこの時代においてどんだけ大切だったのか明示的に示しています。言葉にして話してしまえば簡単ですが、そのような状況をあえて行動や雰囲気で示して欲しかったところではありますが、おそらく時間がなかったのでしょう。

それ故、滋子が亡くなったときのあっさり感はひっかかるものがあります。ここまで引っ張っておきながら最後の言葉もなく、後白河院の表情だけでその場面に突入してしまうのは、見る方としては少し状況を把握するまで時間がかかってしまい、その分感情を移入することもできなくなってしまったように思います。せめて遺言のなかで平家と王家がこれからも協力しながらいってほしい、みたいなことを言っておけばよかったのではないでしょうか。

一方、頼朝付近も急激に北条政子が頼朝に迫り、恋愛の一歩手前まで来ます。政子は一生懸命頼朝に叱咤するのですが応じようとしない頼朝。この二人はもう少しで心を通い合わせ、そして平氏に向かって立ち上がってくるのでしょう。その日が近いことを演出の中から感じ取ることができます。

このように、今回の内容はともに平氏の落日の日がもう少しでやってくるんだ、ということを暗に示すためのフラグとして機能する大切な回だったのでしょう。全く年齢的に変わることのない松山ケンイチですが、そろそろ50代も終わろうとしている時にどのように残り10回が進んでいくのか楽しみです。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 - 平野神社
– 三嶋神社