あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 松田翔太


平清盛 第49回「双六が終わるとき」

2012年12月 22日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

この物語全般にわたり、人生をすごろくに例えて様々な場面を表現してきましたが、それも終わりを迎える、つまり清盛の人生も終わるのだということをタイトルから見て取ることが出来ます。平氏を取り巻く情勢はますます悪化の一途をたどっていて、もはや修復不可能な状況になっていました。栄枯盛衰という言葉を思わず感じてしまいます。

その中で、後白河法皇が幽閉生活から戻ってきます。多くの平氏は恐れおののくのですが、清盛だけはそんな感じではなく、どこかで戻ってきたことに喜びを覚えていたのではないでしょうか。義朝がいなくなって清盛にとってのライバルは法皇たった1人の状況。そのライバルさえも幽閉生活で不在ということは、自分は今どこにいてどこへ向かっていくのか、それは正しい方向なのかと叱咤するものもいないということになります。それ故、清盛はこれまで自分を見失っていたのではないでしょうか。

そんな清盛は、法皇のもとに最後のすごろく遊びをするために訪れます。何でも言うことを聞くことを条件に始まった双六は清盛が勝ち、そこで清盛は法皇に対してそでに世の中は武士同士が覇権を争う時代になっており、朝廷は何の力もないということをのべ、それを受け入れるように言うと、法皇は静かに納得、時代は清盛達が目指した武士の世にうつっていくことになります。

武士の世の中を作り上げ、それを頼朝が父や清盛の思いをくみ取って、さらに完成させるという時代が確実に流れていくのでした。そう考えると、この時の時代は確実に後世に行くにしたがってよくなっていくのだなと思えてきます。

次回はとうとう最終回。清盛が亡くなり、時代は平氏から源氏の世になって行く様子を最後にしっかりと目に焼き付けたいと思います。

◆清盛紀行◆
兵庫県神戸市
 - 能福寺

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平清盛 第44回「そこからの眺め」

2012年11月 11日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は、珍しく頼朝のハッピーシーンから始まります。娘を抱きかかえ政子と共にラブラブな毎日を過ごしています。こんな緩みきった表情の頼朝に対して北条時政は、「平家の世の中は続かない。頼朝に、そして源氏の魂に賭けてみようと思う」とおっしゃいます。今後はそういう場面もきっと出てくるのだと思いますが、残念ながらこの時点でその状況を思い描くことはできません。

回を重ねる毎にどんどん悪みを増していく藤原基房を演じる細川茂樹さん。今回はとうとう盛子の病死と共に藤原摂関家に領地を戻すことに成功し、これからいい感じになって行くのかなと思いきや清盛にぼこぼこにされ、どうやら失脚してしまいそうな勢い。次回以降は登場しないのでしょうか。また一つ楽しみをなくしてしまいそうで残念でなりません。

物語としての大きな流れは変わっておらず、王家、源氏、平氏の3つから成り立っています。源氏は前述の通りラブラブモードだとしても、王家は完全に後白河上皇の独壇場と化しています。危篤状態になった重盛のもとに後白河院が向かって、散々悩みを聞いたあげくすごろくで勝ったら言うことを聞いてあげるなどと大人げない行動にでます。この部分は完全にフィクションだと思いますが、演出上どのような意図があったのか今もよく分かりません。

結果として、過去の清盛との賭けの対象として重盛を使ったことを暴露した後白河さん。笑いながら退場します。これによって、涙ながらに早く死にたいとおっしゃる重盛。この辺りの演出も分かりづらさがありました。結局自分は孤独なのだと悟ったのでしょうか、それとも思うように行かなかった無念さなのでしょうか。おそらくフィクションの場面なので、わかりやすい演出が欲しかったところでした。

次回は、頂きに立った清盛がどんどん人間的に崩れていく様子が始まるものとみられます。そこにも見ていてよかったと思えるような情景が見えることを願ってやみません。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 - 浄教寺

平清盛 第43回「忠と孝のはざまで」

2012年11月 04日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は、処罰から物語が始まるのですが、改めて思うのは英雄と犯罪人は紙一重であると言うこと。それを強烈に感じさせてくれたのが、成親でした。彼の台詞のなかでもありましたが、どっちつかずで上手く渡っていこうという動乱の世の中では当たり前の行き方をしたにも関わらず、成親はそのすべてが裏目に出てしまい結果として流罪になって、食べ物を与えられず餓死していきます。そのどちらかの動きがうまくいっていれば、彼は歴史上大成功をおさめることができたことでしょう。それがかなわず寂しい結末を迎えることになるのでした。

そして、もうすぐ英雄になろうという2人の源氏も静かに動き出します。頼朝と政子がいい感じになり、時政のもとに結婚の許しを得るために出向きます。時をほぼ同じくして遮那王も常盤のもとに出向き、これから平氏を討とうと決意を新たにします。驚いたのが、その許しを与えるはずだった大人の2人の言動が恐ろしく似通っていたこと。どちらも社会通念上簡単に認めるわけにはいかないもの。なので、はじめは猛反対するのですが、わずか数分で陥落し、快く認めてしまいます。そればかりか、強力なバックアップまでついていて、拍子抜けしてしまいました。

平氏に立ち向かう人を粛正し、息を吹き返しつつある源氏のことを知るよしもない清盛ですが、一番の危機は自らの家族にありました。親子で十分なコミュニケーションが取れないため、それぞれで何を考えているのかわからないというありがちなパターン。たしか、以前の大河ドラマの中で似たようなシチュエーションありました。
自分の父親に対しては「孝」が働き、お守りしている後白河法皇には「忠」が働き、自分は一体どっちにいけばいいのかわからなってしまって、公衆の面前で泣き出してしまいます。じぶんのやりたいことは、立場上ほどんとすることができない以上、信念を持っていてもそれが自分を苦しめることになっているのですが、平氏の棟梁としてはちょっと頼りないと映ったことでしょう。面々のなかには、泣いている人もいましたが。

次回は、この重盛の苦しみを存分に味わうことになりそうです。多分決して楽しい気持ちになって終わることはないでしょうね。このドラマを見た後に月曜日を迎えるのは厳しそうなので、今から盛り上げる方法を考えておいた方が良さそうです。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 - 長楽寺
 - 妙順寺
 - 安徳天皇産湯の井戸