あしたまにあーな

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軍師官兵衛 第37回「城井谷(きいだに)の悲劇」

2014年9月 14日 By: rainbow Category: 2014年_軍師官兵衛 No Comments →

前回、官兵衛が「長政が危うい」と叫んだところで終わってしまうという、民放でありがちなパターンにまんまとはまり、続きが見たくてたまらない状況でした。序盤から城井谷での苦しい戦になりますが、本当にギリギリのところで又兵衛に助け出され、命拾いすることになります。

隠れていたすぐ近くで鎮房が黒田の小せがれを捜し出して討てと言い放っている中で、ひたすら声を潜めて隠れる黒田勢。もしも誰かがここで黒田を見つけ出したりしたら、また歴史は変わっていたのかもしれません。運命というものは本当に紙一重なんだと実感させられる一瞬でした。

これ以降、鎮房たちは黒田の家臣となって働くのですが、いつも長政の冷たい視線がシーンとして描かれています。きっと上記のような状況を経験してしまったので、宇都宮を信じることが出来なくなっているのでしょう。結果的に秀吉から宇都宮を討伐せよという命令がおりるのですが、そうならなくても長政は宇都宮の皆々を亡き者にしていたのではないかと思わせるくらいすごみのきいた表情でした。

それにしても長政は周囲からの影響を受けやすく熟考しないで即断してしまうという人物像で描かれているような気がします。城井谷への攻撃も鎮房のはかりごとも、家臣や周囲からのアドバイスにのせられています。これから、長政という人物が官兵衛にかわって黒田家を束ねていく際に大丈夫なのか、いささか不安要素でもあります。

益々周囲にYESマンしかいなくなっていく秀吉に対して官兵衛が今後どのように振る舞っていくのか、次回は若干のピンチもやってくるようですので、楽しみにしたいと思います。

◆官兵衛紀行◆
大分県中津市
 - 中津城

軍師官兵衛 第36回「試練の新天地」

2014年9月 07日 By: rainbow Category: 2014年_軍師官兵衛 No Comments →

これまで苦楽をともに戦ってきた高山右近の話から始まります。かつて信長に従うために結果的には荒木村重を裏切る形となってしまった右近は、そのことがずっとひっかかっていて、同じような事はしないということから、今回は信仰に生きることを決意します。秀吉にそのことを伝えた右近は追放処分となってしまい、ナレーションのなかで最期はルソン島で生涯を閉じたと伝えられます。

人間にとってなにが成功なのか難しいところではありますが、右近にとっては信仰の中で自分の考えを誰からも制約を受けない場所で全うすることができたことから、幸せな生涯だったのではないでしょうか。自分の中で信教を持つことを許されたことから、官兵衛も表だってこれからキリシタン大名として何らかの動きをすることもなくなるとは思いますが、そこには右近の思いが残されていくのだと思います。

もう一つの大きい話が宇都宮鎮房関連でしょう。秀吉につく代わりに本領安堵と言われたにも関わらず、結果的には伊予へ配置転換となってしまうのですが、その間を取り持った官兵衛が新たな領主となってしまったことによって、鎮房は完全に裏切られたと考えてしまいます。その結果、鎮房と黒田家との泥沼の戦いが始まってしまうことになります。この辺りは、武士の世の中にあって主君に忠誠を誓わないといけない時代なのは分かりつつも、宇都宮鎮房に同情してしまいます。

次回もこの鎮房との激しい戦が繰り広げられることになりそうですが、どのように官兵衛が秀吉との関係を維持しながら鎮房と対峙していくのか楽しみにしたいと思います。

◆官兵衛紀行◆
福岡県行橋市
 - 馬ヶ岳城跡

福岡県築上町
 - 法然寺

軍師官兵衛 第32回「さらば、父よ!」

2014年8月 10日 By: rainbow Category: 2014年_軍師官兵衛 No Comments →

徐々に官兵衛から離れ三成の方によっていく秀吉の片鱗を見ることができます。小牧長久手の戦いは官兵衛にとっては直接関係のない出来事だったので軽く扱われていましたが、惨敗した後に三成は面目を保つために再度家康と戦うことを進言。それに対して官兵衛は家康の強さを分析し、兵力の問題ではなく機が熟していないと判断し敗退するのですが、どちらが理路整然としているかは一目瞭然であり、三成に従っていれば秀吉の天下は志し半ばで終わっていたかもしれません。

やはり石田三成という人物は与えられた仕事を完璧にこなす能力は高いのですが、軍師としての素質はそこまで高くなかったのではないかと思います。今回はギリギリのところで秀吉が官兵衛の意見を取り入れるのですが、官兵衛の先を見据える能力を少しずつ恐れ始めている様子が分かります。いずれこの問題は大きくなっていくのでしょう。

一方黒田家では2つの出来事が起こります。一つが長政が播磨・山崎の統治を任され努力するのですが、もともと新しい領主にはなかなか心を開かない領民に苦労しあるとき刀に手をやってしまったことで噂が広がりますます窮地になってしまいます。それを優しく手助けしたのが職隆でした。昔話をしながら急がずにゆっくりとやればいいと諭します。こういった優しい語り口なのは柴田恭兵さんならではでしょう。昔のあぶない刑事の頃にはなかった良い感じが出ているような気がします。

そんな職隆も孫達が遊ぶ庭でにこやかにしながら穏やかにこの世を去っていきます。この亡くなり方は大河ドラマではおなじみで過去に同じような設定で亡くなっていった人はかなりいたりしますが、若干不自然さは残るものの、見ている側に「良い人世だったね」と思わせるには十分な演出と言えるでしょう。

官兵衛を表裏で支えた父親が亡くなっていくのですが、官兵衛は後は任せろといいながら泣き崩れることもなく志を新たにしている姿はさすがだと感じます。次回からはますます秀吉との関係は冷めていくことが想定されますが、それに負けずに支えていって欲しいと思います。

◆官兵衛紀行◆
兵庫県宍粟市
 - 山崎城

兵庫県姫路市
 - 黒田職隆廟