あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように



辛みの度合いを示すもの

2011年9月 02日 By: rainbow Category: グルメ No Comments →

先日、後輩とともに人気の中華料理屋さんに行ったときのことです。

そのお店の人気商品は麻婆豆腐と担々麺なのですが、がっつりと食べたいと思った自分は麻婆豆腐をチョイス。メニューにはほんの少しだけ辛いという表示がされていて、辛いのが苦手な自分としては一瞬躊躇したのですが、辛みが「ほんの少し」だということを信じてオーダーをします。

そして出てきた麻婆豆腐を見るといやな予感が。表面には唐辛子のような赤いものがたくさん浮いていて、見るからに「ほんの少し」の辛さどころではなさそうです。いつもこのお店に来ている常連客であれば、その程度は身をもって理解しているのでしょうが、久しぶりの来店だったので辛さの度合いを完全に見誤ってしまいました。

そこで感じたのは、定量的な辛み度合いというものはないのかということ。よく甘さは糖度として定量的にはかることができるので、目安にすることができるのですが、甘さ以上に食べたときの後悔感が高い「辛さ」についても何らかの定量的な評価をするものはないのでしょうか。もしその評価があって、メニューに「辛度3.2です」などと書かれていたら、このような選択の誤りをなくすことができるのではないでしょうか。

そこで早速そのような辛み度はないものか調べてみました。辛みと一言に言っても、わさび、トウガラシ、ショウガというような違った辛さがあります。これは舌に作用する物質がそれぞれ異なり、わさびは硫化アリル・アリルカラシ油といったアリル化合物、トウガラシはカプサイシンと呼ばれる成分、ショウガはジンゲロールやショウガオールという成分が作用しているのです。

その中で辛味の度合いを定量的に表す単位として、「スコビル値」というものがあるそうです。ただしこれはカプサイシンの含有率を表す値なので、カプサイシンを含まないものの辛味を測定することはできないという欠点があります。日本人はわさびやショウガに対する耐性は比較的ついていると思うので、スコビル値がメニューに書かれているだけでも、思いを満たすことが十分にできます。

ちなみにスコビル値の算出をするには、トウガラシの辛味の素となるカプサイシンを砂糖水で薄めていってどの濃度で辛味を感じなくなるか計測し数値で表します。砂糖水に溶かさなくとも辛味を感じないものはスコビル値0であり、激辛で有名なハバネロは30万倍の砂糖水を加え、ようやく辛さを感じなくなるといいます。

確かに、麻婆豆腐でひりひりになった自分の舌は、出口に備え付けられていたカルピスを飲むことによってかなり楽になったのも頷けます。あまり広く語られることの少ない唐辛子の辛み度合い「スコビル値」が今後、唐辛子を扱う飲食店で広く普及することを願ってやみません。

【参考】
・TOKYO GAS http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/chie/650.html
・wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%91%B3

おいしいビールの注ぎ方

2011年7月 21日 By: rainbow Category: グルメ No Comments →

暑くなってくるとすごく飲みたくなるのがビールでしょう。一日の疲れもはじめの一口のビールによって癒されるのもこの時期の醍醐味といえます。

しかし、家で飲むビールよりも居酒屋さんで飲むビールの方がおいしいと感じてしまうのは、雰囲気だけでのせいではないようです。そこにはおいしいビールを自宅でも入れることができるコツがありました。

そこで、今回はそんなおいしいビールを注ぐためのコツをビールメーカーの方のアドバイスをもとにマスターしていきたいと思います。

うまいビールは泡が命

その昔、ビールはなるべく泡立てないようにして注ぐことが大切だとばかり思っていました。しかし、ビールメーカーの方によると、その泡こそが命だといいます。それは、泡が蓋となって空気に触れることによる味の劣化や炭酸が抜けてしまうのを防ぐ効果があるからなのです。

なのでビールの泡が消えることによって味は少しずつ落ちていってしまうことになります。

ポイントは高いところからの泡立て

そこで、重要となるのが注ぐ際の泡立て方。キリンビールでは3度つぎ、アサヒビールとサントリーでは2度つぎを推奨しています。そのつぎ方について以下に示します。

1. 約30センチの高さから注ぎ、泡をたてます。泡と液体が1対1になるようにします。

2. この後、「カニ泡」と呼ぶ粗い泡が消えるまでしばらく待ちます。

3. 2度つぎは、グラスを斜めにして静かに注ぎます。これによって泡が壊れず上がってきます。

4. 3度つぎをする場合、この後やや高めから注いで泡を足します。

3度つぎをすると、2度つぎよりもより細やかな泡ができ、泡が消えるまでの時間が多少長くなるという場合もあるようです。

このようにして注ぐ方法を少し工夫するだけで1分以上泡を持続させることができます。ただ、どんなにがんばっても泡は2分から3分で消えてしまうので、なるべく早く飲んだ方がおいしく頂けます。

さらに、注ぐグラスを冷蔵庫に5分程度冷やしておくことによって、3分近くまで泡を持続させることができることから、ほんのちょっと手間をかけてあげてもいいと思います。

最近家で飲む場合には第3のビールが主流になりつつありますが、それでも上記のような注ぎ方でおいしく飲めるといいます。

自分で作る飲み物はほんの少し手間ひまをかけることによって、飲む人の思いも重なってぐんとおいしく感じられるものなのかもしれません。

【参考】日経Plus1 2011/7/2

家でビアホールのビールを泡マスター

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ものを塩漬けすると長持ちするわけ

2011年7月 08日 By: rainbow Category: グルメ No Comments →

高温多湿の時期を迎えるとどうしても食べ物が傷みやすくなります。早めに食べることが最もいい解決方法なのですが、保存食として長持ちさせる方法が古来から伝えられてきました。例えばものを冷やすという考え方。冷凍保存をしたり室に入れておくことによって、長期間の保存を実現しています。

そしてもう一つ、古来から伝わる保存方法として「塩漬け」があげられます。この塩漬けというものは、塩の脱水作用をうまく利用した保存法といえます。食べ物の表面に塩をまぶすことによって、食べ物の表面と内部の間の塩分濃度に大きな差が生まれます。その塩分濃度をできるだけ均一にしようとして、食べ物の内部にある水分が表面に出てきて薄めようとするのです。これを浸透圧の作用といいます。

浸透圧の作用とともに食べ物自体の細胞も活動が止まるのです。このことを「塩ごろし」といいます。塩ごろしが起こり、野菜自身の酵素が働いて微生物が活発になることによって、漬け物のおいしさと酸っぱさが生まれるのです。

かつては、塩分濃度を高めることによって長期間の保存に耐えうるものを作ってきました。奈良県に安土桃山時代から435年ものの梅干しも現存しているようです。信長や秀吉の時代と今を結ぶ架け橋のような梅干しの味にすごく興味があるのですが、軽々と食べることなどできないような厳かさがあります。

そんな漬け物の塩分濃度なのですが、近年では冷蔵庫の普及により冷温保存が可能になったことや我々消費者が減塩を好むようになったという背景から低塩分化が進んでいるといいます。例えば、1960年代と1990年代以降における漬け物の塩分濃度を比較すると次にようになっています。

・ 梅干し: (1960年代) 約20% →  (1990年代以降) 約8%
・ たくあん: (1960年代) 約14% → (1990年代以降) 約5%
・ 福神漬け: (1960年代) 約10% → (1990年代以降) 約5%

時代とともに保存食の作り方も変化し続けているのです。今から50年後の世界では、どのような保存食が生まれているのか楽しみでもあります。

【参考】R25 2011.7.7 NO.288