辛みの度合いを示すもの
先日、後輩とともに人気の中華料理屋さんに行ったときのことです。
そのお店の人気商品は麻婆豆腐と担々麺なのですが、がっつりと食べたいと思った自分は麻婆豆腐をチョイス。メニューにはほんの少しだけ辛いという表示がされていて、辛いのが苦手な自分としては一瞬躊躇したのですが、辛みが「ほんの少し」だということを信じてオーダーをします。
そして出てきた麻婆豆腐を見るといやな予感が。表面には唐辛子のような赤いものがたくさん浮いていて、見るからに「ほんの少し」の辛さどころではなさそうです。いつもこのお店に来ている常連客であれば、その程度は身をもって理解しているのでしょうが、久しぶりの来店だったので辛さの度合いを完全に見誤ってしまいました。
そこで感じたのは、定量的な辛み度合いというものはないのかということ。よく甘さは糖度として定量的にはかることができるので、目安にすることができるのですが、甘さ以上に食べたときの後悔感が高い「辛さ」についても何らかの定量的な評価をするものはないのでしょうか。もしその評価があって、メニューに「辛度3.2です」などと書かれていたら、このような選択の誤りをなくすことができるのではないでしょうか。
そこで早速そのような辛み度はないものか調べてみました。辛みと一言に言っても、わさび、トウガラシ、ショウガというような違った辛さがあります。これは舌に作用する物質がそれぞれ異なり、わさびは硫化アリル・アリルカラシ油といったアリル化合物、トウガラシはカプサイシンと呼ばれる成分、ショウガはジンゲロールやショウガオールという成分が作用しているのです。
その中で辛味の度合いを定量的に表す単位として、「スコビル値」というものがあるそうです。ただしこれはカプサイシンの含有率を表す値なので、カプサイシンを含まないものの辛味を測定することはできないという欠点があります。日本人はわさびやショウガに対する耐性は比較的ついていると思うので、スコビル値がメニューに書かれているだけでも、思いを満たすことが十分にできます。
ちなみにスコビル値の算出をするには、トウガラシの辛味の素となるカプサイシンを砂糖水で薄めていってどの濃度で辛味を感じなくなるか計測し数値で表します。砂糖水に溶かさなくとも辛味を感じないものはスコビル値0であり、激辛で有名なハバネロは30万倍の砂糖水を加え、ようやく辛さを感じなくなるといいます。
確かに、麻婆豆腐でひりひりになった自分の舌は、出口に備え付けられていたカルピスを飲むことによってかなり楽になったのも頷けます。あまり広く語られることの少ない唐辛子の辛み度合い「スコビル値」が今後、唐辛子を扱う飲食店で広く普及することを願ってやみません。
【参考】
・TOKYO GAS http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/chie/650.html
・wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9B%E5%91%B3
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