今回も全体的にバランスが取れた内容になりました。初めは、八重と時尾による恋愛相談から始まります。時尾は自分の恋が実らなかったことから一生独身で過ごすと話すのですが、この時代にあってもこのような生き方を選ぶという方法があるんだなと感じます。八重も同じような事をいいますが、いずれ結婚することになるんだよなと、その約束に複雑な思いを感じてしまいます。
恋愛模様は、二葉の弟の大蔵が京へ旅立つ前に八重に対してどのように言うかにつながっていきます。尚之助が気を利かせて場を外してくれたにもかかわらず、大蔵は八重に対してほとんど何もいうことができず、終了。既にこの辺りも心の踏ん切りはついていたのでしょう。人生はうまくいかないものです。
この辺りまでが今週の八重の周辺。長すぎず短すぎずというちょうど良さで表舞台へと移っていきます。京では、容保たちが壬生浪士を集めて京都の治安を維持しようとします。前回「話し合えば分かる」という協調路線から力で押さえつける作戦に変えた容保の思いは、ひとえに帝を、そして将軍家を守ることにありました。孝明天皇から絶大なる信頼を得て、それを感じることで頼母たちからの会津を守るという進言にも耳を貸さなくなります。
最終的には頼母を蟄居にし、自分の周りから遠ざけます。かつて頼母が言っていた、いざとなったら一心に制止すると言っていたのですが、それは自分が殿から必要であると思われている前提に立ってのこと。今回のように必要ないと判断されてしまえば、ただのうざい部下になってしまい、結果的に遠ざけられてしまう危うい関係であったことがわかります。頼母のような異を唱える存在は非常に貴重なのですが、曲げられない信念がある人にとってはそのことがわからないのかもしれません。今後会津が進む道は歴史が示す通り、表舞台をひた走ることになるのです。
次回は、薩長のいざこざに会津が組み込まれる図式。どのように乗り越えていくのか、そして八重が出世していく様子を楽しみにしたいと思います。
◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
- 会津武家屋敷