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八重の桜 第5回「松陰の遺言」

2013年2月 03日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

主人公である八重の登場シーンはさほど多くなく、かつての幼なじみとほんの少しだけラブラブな雰囲気を醸し出しているくらいは、日々の家事仕事に追われる毎日が描かれています。今回はその八重の状況よりも周囲の状況の変化の方が比較にならないほど大きいものでした。

一つが、題名にもなっている吉田松陰が有名な安政の大獄で処刑される場面。小栗旬さんが熱演をしている松陰も今日で見納めかと思うと寂しい気もしますが、ナレーションでもあったように世の中が動き出している中で、松陰のような背中を押してくれる存在は、これまでの世にはてなマークがついていた人々を勇気づけ、一つの方向に導いてくれます。今回は登場していないのですが、数年前の坂本龍馬で出てきた高杉晋作などもその1人といえます。

もう1人がその安政の大獄自体を主導した井伊直弼が桜田門外で暗殺されます。今回は、八重自体には変化がないのですが、兄である覚馬の奥さんであるうらに起こる出来事などを見てみると、なんと恐ろしい時代なのだろうと考えてしまいます。何かを変えなくてはならないと正義の道を模索した結果、人をあやめてしまう状況の理不尽さを感じざるをえません。いい見方をすれば、世の中を変えるために必要な手段であると考えることも出来ますが、その逆の考え方も一方であるような気がします。

これまでの幕末ドラマの中であまり登場することのなかった会津藩を上手く表現できており、藩主である容保の存在感はかなり新鮮に映ります。そういう意味で今回のような表舞台で大きな出来事があった場合には、そちらに描写を注力し、本編を控えるという演出はさすがであると思います。それによって、視聴者に時代背景や状況という下地を共有できるようになるのではないでしょうか。

次回は、会津藩としての重要な立ち位置が求められる内容となり、さらにその下地を強固にしていくものとみられます。その中で徐々に八重が表舞台に立つための準備が描かれるとよりいい楽しくなるのではないかと期待して待ちたいと思います。

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八重の桜 第4回「妖霊星」

2013年1月 27日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

今回は、八重周辺には大きな変動がなかったことからあまり大きな描写もなく、代わりに会津藩と幕府の様子w中心に描かれていました。八重の周辺としては、あんつぁまの覚馬が結婚しうらを妻とします。この時代にあって、うらのような女性は世間からも出来た嫁としてものすごく評価されていたのだと思います。

自分の主張などはあまり大きく言わずに、ひたすら旦那様に尽くす。八重には決してできるものではないので、彼女自身も「結婚は、ちっとも楽しくない」と結論づけてしまう始末。

これに対して覚馬がどのように感じるかは描かれていないのですが、それによって世間にとっての出来た妻が自分にとっていい妻なのかどうか、分かることでしょう。八重の動きが少ない今、覚馬周辺の動向を今は見守りたいと思います。

その覚馬の禁足を解除して欲しいと願い出たのが西郷頼母でした。やはり、彼はいい人であり思いやりの気持ちをもって覚馬に接しています。西田敏行の人間味溢れる演技も見ている方としてはすごく癒されます。松平容保もそういった直訴に対して聞く耳を持っており、そういう意味で会津藩は中間の重鎮以外は非常に素晴らしい人物が集まっているといえます。

そして今回最も多くの時間を費やしたのが幕府の状況でした。歴史上も名高い井伊直弼がアメリカと日米修好通商条約を独断で締結し、その上御三家や一橋家に対して冷遇したため大きな反感を食らうことになります。この辺りは、篤姫で登場した場面と思いっきりかぶることから、その当時のことをまだはっきりと覚えている今では、複雑な思いで見ていました。

斉彬は高橋英樹さんのイメージが強く勝と会談しているときの風景に違和感があり、西郷吉之助は小澤征悦さんのイメージが強いのは自分だけではないでしょう。時代がかぶるドラマはもう少しだけ時期を離した方がいいのではないかと真剣に考えてしまいます。

このような政治的な流れのなかで、八重たちの状況がどのように関わるのか、今回はちょっと分かりづらいものとなりました。また、所々に登場する何かを暗示するようなもの、例えば白いネコだったり妖霊星だったりがあまりにも露骨だったのか気になります。こういうのはさりげなく登場させ、後になってこそっとネタがばれるようでないと、見ている方が押しつけられる印象となってしまいます。

次回は、あんつぁまの状況がまたちょっと変わったり、中央政界に激動が走ったりするようです。これによって八重の周りがどのように状況変化していくのか楽しみにしたいと思います。

◆八重の桜◆
滋賀県彦根市
 - 彦根城

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八重の桜 第3回「蹴散らして前へ」

2013年1月 20日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

始まって3回目を迎え、ようやく物語としても落ち着いてきてストーリーの組み立て方が分かってきたように感じます。八重の周辺、会津藩の様子、そして世の中の動向という3部構成で成り立っていて、今はまだ大きな変化がない八重の周辺を他の2つの内容で補っているという構図を見て取ることができるでしょう。これは、過去にさかのぼってみると篤姫などと同じ手法であることがわかります。

まず八重の周辺ですが、いずれ重要な関係になる尚之助との出会いを果たします。思いっきりベタな状況ではありましたが、そのあたりは演出の方法ということで深く考えないようにします。八重としては尚之助に笑われていると初めはネガティブな印象を持ちますが、結果的にその後に褒められ良い雰囲気に。幼なじみも登場しますが、完全に敗北宣言をしたような感じになってしまいます。傘だけ置いて逃げるように立ち去る姿を見ていて何とも甘酸っぱい気持ちになりました。

そんな八重は砲術以外にはあまり興味がないようで、裁縫など全然出来ないのですが、兄である覚馬は砲術以外にも様々なことができる人物でした。「若い者は急ぎすぎていけない」と周囲の上の者からも言われていましたが自分が師として仰ぐ佐久間象山からは「蹴散らして前へ」と言われていることもあり、言いたいことはガンガン言って、先に進もうとしますが、とうとう外出禁止の処分になってしまいます。

柳沢慎吾さん演じる萱野権兵衛のように嫌なやつ前回で接してくる人が多い中、西郷頼母だけは優しい言葉やアドバイスをしてもらいます。この辺りのベテランの演技は本当に素晴らしいですね。物語に登場するベテランはさすがで、風吹ジュンや松重豊などは、見ていて安心し演技であることを見ている側に忘れさせてくれる雰囲気を醸し出しています。大河はやはりこういう人を重要なところに配置しないといけないと改めて感じます。

毎日ボーッと過ごす覚馬を目覚めさせるのも、予想通り八重でした。この辺はまさに平清盛で伊豆に流された頼朝に対して政子が立ちあがらせたのと同じような場面といえます。何年も大河ドラマを見ていると、「これ、どこかで見たことあるような場面だな」と感じる事も多くなるのかもしれません。

次回から息を吹き返した覚馬を中心に、会津藩としても八重としてもどんどん飛躍していくようなストーリーになることでしょう。その時が楽しみです。

しかし、前回まで登場していた八重の子役である鈴木梨央さんがいなくなったのは、なんだか寂しいですね。言い演技をしていただけに、残念です。加藤清史郎くんのようにまた登場するかもしれませんね。

◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
 - 日新館

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