あしたまにあーな

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江 -姫たちの戦国- 第22回「父母の肖像」

2011年6月 12日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

前回までで授かった茶々と秀吉の間の子供がとうとう世の中に登場します。宮沢りえさんがものすごく苦しんでいる姿とその様子を外から慌ただしく見守る岸谷五朗さんと上野樹里を見ていると、現代ドラマのような感覚を受けてしまいます。

出産までのシーンに時間を使いながら、ようやく鶴松が産まれます。これまで自分の子供がいなかったことを考えると、秀吉はものすごく嬉しかったのだと思います。赤ちゃんの姿を見ると顔がほころんでしまいます。この子どもが産まれることを引き替えに茶々が願ったことは、自分の両親である浅井長政とお市のそれぞれの供養をさせてほしいというすばらしい願いでした。

ものすごいことをお願いするのではないかと、ドキドキしながら見ていたのですが、結果的には納得感のあるお願い事項となります。てっきり、鶴松と共に自分の一生の安泰をお願いするのではとばっかり思っていましたが、実際には浅井家を想う気持ちが誰よりも強い正義感のある人物と表現しています。この辺り作者の愛情を感じます。

その後供養の後に久々三姉妹が勢揃いし、浅井長政とお市の両親の肖像を感慨深げに眺めます。今回最も注力したこの場面ですが、登場した肖像があまりにも写真のようにリアルになっていて思わず驚かずにはいられませんでした。「この時代にここまで精巧な絵を描くことができるの?」と自分の中で無知ぶりを恥じたのですが、後に江紀行で登場した現物をみると、やはりドラマ中に出てきたほどのリアルさはなく、安心しました。しかし写真のような肖像を使うのはどうなんでしょうかね。

前回、子作り宣言をして近江に帰っていった初が、再び登場し京極高次といちゃいちゃしています。自分の姉2人がこんな様子である江は、自分の居場所がないと言って北政所に語るのですが、この思いが今後どのような流れになっていくのか期待したいと思います。最後の方に向井理さん演じる竹千代が登場し、江とのフラグをしっかりと立てています。

今回の自分の中での見どころは、千利休と家康の茶室での話と、北条家の登場でしょう。千利休は自分がやがて厄介者になることをすでに分かっているようで、そのことを家康に語ります。千利休は、茶室に招く人が少ないときは広い茶室を、招く人が多い場合には狭い茶室を使うことによって、無限の広がりを感じさせることができるという世界観を展開しています。聞いていてなるほどと思えるうんちくでした。この場面の重厚さは見応えのあるものとなりました。

もう一つは、北条家の存在です。北条早雲以来この地を治めている北条家にとって、秀吉の天下は認められないもの、必然的に全面対立へとつながっていきます。天地人の際にも北条家が出てきましたが、この小田原攻めについて、どうか北条家の思いもくんだシナリオを作り出してほしいなと思います。

次回から徐々に露出をあげていく向井理さん。この人を通じて江も露出度を高めていってくれるといいなと思います。

◆江紀行◆
和歌山県高野町
 - 金剛峯寺
 - 持明院
 - 奥の院
 - 淀の方が建立した石塔

江 -姫たちの戦国- 第21回「豊臣の妻」

2011年6月 05日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

前回、やっとの思いで秀吉は茶々の心を手に入れることになり、浮かれ気分に拍車がかかります。茶室で秀吉は家康と一服するのですが、その際にも終始ご満悦な状況に思わず家康と千利休は江のことが心配だとアドバイスします。秀吉に襲撃を加えるのではないかといわれていましたが、実際はさすがにそこまでではないものの、猛烈な嫌悪感を抱くようになります。

たしかに、今まで仇だと思っていた男と自分の姉が結ばれてしまったなんていう現実は、今の世の中でもそうそうあるものではありません。すぐに許せるものでは到底ないので、これから30分程度江は茶々を無視するようになります。初が仲裁にやってきてもほとんど効果はなく、時間ばかりが過ぎていきます。

江は、茶々を許そうと思って出向いてみると、そこでさらに衝撃の一言が。茶々は秀吉の子供を宿っていたのでした。後の鶴丸なのですが、江にとってみれば猿の子供であり、仇の子供。祝えるはずがありません。父や母がそのような子供を認めているとは思えないと訴え、一層疎遠になっていきます。

そんな中で、江の気持ちを落ち着かせ、ゆっくりと凍った氷の心を溶かしてくれたのは、秀勝や北政所、そして初といった、江を支えてくれる人たちでした。秀勝に至っては、早々にすでに江は茶々を許しているのではないかと的を得た質問をしているところをみると、やはり将来の旦那様という感じがします。

今回最も印象に残っているのは、北政所でしょう。大竹しのぶさんが繊細な演技をしてくれて、女の微妙な心の葛藤をうまく表現していました。江との話では、自分も江と同じ気持ちであり今まで寛容でいわれたのは側室に子供がいなかったからと語ります。

さらに、茶々とのシーンではお祝いの言葉を述べた後に、豊臣の子供であることを自覚するようにということと、これからは豊臣の妻としてしっかりと子供を育てて欲しいという願いを伝えます。なにか凜とした雰囲気をその場に与える素晴らしい演技でした。この場から、豊臣家の2大女性の影響力が高まっていくのでしょう。今後江との関係がどのようになっていくのか、そろそろ江の動きが欲しいところです。

◆江紀行◆
京都府京都市
 - 宇治川
 - 妙経寺
 - 淀古城址
 - 與杼神社(よどじんじゃ)

江 -姫たちの戦国- 第20回「茶々の恋」

2011年5月 29日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

今回は、完全に恋模様一色になってしまいました。これまでの回では少なからず歴史の表舞台とのリンクがあったのですが、今回はそれも全くなく茶々の恋と初のノロケで終了してしまうという、おおよそ大河ドラマである必要性を疑うような内容でした。

始まりは、初のノロケシーンから始まります。京極高次のもとに嫁いだ初は、主人から初がいるおかげで男としての自信を持つことができたといわれ、「自分は幸せだ」と叫びます。その知らせを聞いた江は、何通も来る初からの手紙にうんざりするというシーン。ここから一体何を視聴者に伝えたいのでしょうか。この15分程度は完全にいらないシーンでしょう。

重要な史実とのリンクとなる北野大茶湯や、家康、九州の諸侯の状況などを伝聞で済ませ、初のノロケシーンに時間を使ってまで自分たちに伝えたいものは何だったのだろうと悩んでしまいますが、答えなど出てきません。脚本家に聞いてみたいところです。

そしてその後は、前回の茶々の平手シーンの謎解きから秀吉と茶々の結ばれる場面まで。恋に疎いということを伝えたいのか江に指南するのは龍子でした。かなりこの人が登場する割合が高いのですが、この人の役割が何なのかよくわかりません。初と高次を結びつけたということはありますが、江という大河ドラマに時間を割いてまで描くその理由がよくわからなくなってきます。

北政所との目と目でぶつかるシーンは、大竹しのぶさんの演技が見どころではありましたが、全体から見ると江という主人公との関係から考えると、そこまで関連性が内容にも思えてきます。

おそらく、仇と結ばれるには簡単にはいかないので、5回くらいを使ってその困難さを描きたかったのだと思いますが、残念ながらここに時間を割きすぎで、完全に間延びしたドラマになってしまいました。おそらく多くの視聴者は少しずつ飽きだしているのではないでしょうか。茶々と秀吉の物語にしてしまった方がいいのではないかと思えるほどです。次回もまだまだ流れは止まらずに続いていきそうな予告編。本当に視聴者は離れてしまうのではないかと心配してしまいます。

史実に基づいた大河ドラマらしい、迫力と演技力、そして歴史の面白さがいつかは出てきてくれるだろうと思い、江を見続けていますが、今回はそんな気持ちも折れてしまうそうな内容でした。日曜8時がいつも待ち遠しくてテレビの前でうきうきする気持ちが段々なくなりつつも、いつかそんなドラマが見られるのではないかととう一握りの希望をもって見続けたいと思います。

◆江紀行◆
京都府京都市
 - 北野天満宮
 - 北野大茶湯の跡
 - 拝殿
 - 太閤井戸