真田丸 第2回「決断」
本格的に始まった物語ですが、前回の終わりに哀愁漂う姿で敗走していた武田勝頼の続報から始まります。小山田信茂に裏切られ手勢もほとんどいなくなってしまったかつての甲斐の大名の姿はもはやありませんでした。見ていてこちらの方が胸が苦しくなるくらいで、先祖が自害した場所と同じところだということに心のよりどころを見つけ、滝川一益の猛攻に耐えられなくなり自害の道を選びます。
これによって、武田家に仕えていた家臣の身の振り方が課題になって行きます。先般裏切った小山田信茂は織田家によって、捕らえられてしまう結果となり一歩間違えれば真田家も同じ状況に追い込まれることは間違いない状況。当主である昌幸の一挙手一投足が真田を決めることになります。そんななか、信繁や信幸たちは父のもとへ向かっている最中に様々な野盗にあいます。ここでもしっかりと面白さを表現する三谷さんの作品。そのやり玉に挙がったのが母親の薫を演じる高畑淳子さんでした。道中駄々をこねまくり、顔に泥を塗るシーンや、斬られてしまった人に2回も抱きつかれるなど、見せ場を大いに演出してくれました。
さらに三谷さんの演出はこのようなことでは終わらずに、これからどのように真田家を道井美いていくか悩んでいる昌幸が二人の子供にくじによって方向性を決めてもらうといった、通常ではあり得ないシーンに、長い時間を使って緊迫しながらもユーモアなひとときを楽しむことができました。結果としては全く違う答えを突然昌幸が叫び、今までの時間は何だったんだ状態でしたが。
また、他の武将についてもこれまでにないような描写がありました。それが徳川家康。これまでは狸じじいぶりを若い頃から描かれていたのですが、今回は完全に本多正信の家臣かのように全てを委ねきっていて頼りない雰囲気を醸し出します。これも何かの伏線なのかもしれませんが、近藤正臣さんという重鎮が故の演出なのかもしれません。彼と言えば、龍馬伝での山内容堂というイメージがまだ抜けないので、これから少しずつ慣れていこうと思います。
このように、歴史の表場面と描きたい人物が非常に近いので、全ての場面を違和感なくスムーズに見続けられるというのは、何のストレスもなく純粋に楽しめるのだなと改めて感じました。次回も楽しみにしたいと思います。
◆真田丸紀行◆
群馬県東吾妻町
- 岩櫃城跡
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