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幼児の車内放置の限界時間が明らかに

2011/08/09 Category: ニュース

暑くなってくると、必ずニュースで話題になるのがパチンコなどで小さな子供を車内に長時間放置した結果、熱中症で死亡させてしまうケース。放置した親側に世間から非難の声が集まり自分たちも子供を死なせてしまった後悔に人生が狂わされる残酷な事件なのです。

パチンコ業界も、放置したままパチンコをしないように客側に呼びかけを行っていますが、パチンコだけでなくスーパーなどでの買い物時など同様のケースが発生する機会が多いことから、最終的には小さな子供を持つ親一人一人が注意を払っていなければ防ぐことはできません。

このニュースを見ていて気になるのが、長時間放置するという際の「長時間」がどのくらいの時間をさすのかということ。この時間概念を正確に把握しておくことで認識の誤りを正し事件の再発防止にもつながります。その時間について名古屋工業大学と金沢医科大学の研究グループが分析を行った結果を発表いたしました。

それによると、日が差し込む気温45度の密閉された車内において、3歳児ではわずか13分で熱中症になってしまうというのです。同条件において大人は1時間以上大丈夫だったのに対して、子供は大人の感覚以上に短時間で熱中症になってしまう危険性をデータを持って実証したのです。

一般に体温の上昇や発汗に伴って、体内から体重の約3%の水分が失われると熱中症になるといわれています。小さい子供は大人と比べて体温調節機能が不十分であるため、大人としては耐えられる環境も、過酷な状況に居なってしまうのです。

実験では、気温が45度の時と40度の時でそれぞれ水分が失われる時間を調べた結果、3歳児の場合45度では13分、40度でも17分であったことが示されています。いずれも大人では1時間以上かかっていることを考慮すると、子供がいかに熱中症になりやすいかわかるででしょう。

車内温度状況(JAF調べ)

実際には、JAFによると気温が23度程度であっても車内温度は48.7度にまで上がることが報告されており、23度以上になっていることが普通となっている現在、車内温度は上記の実験にある車内温度45度を大きく上回っている状況になっていることでしょう。つまり、実際には13分よりもはるかに短い時間で子供は熱中症になってしまうということになります。

そう考えると今回の実験結果は、数分でも放置することは危険であると改めて認識すべきであることがわかります。悲惨な事件を起こさないようにするためにも一人一人の親の心がけが大切なのです。

【参考】
・日本経済新聞 夕刊 2011/08/09
・JAF http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/temperature/detail1.htm




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