求められる皇居ランナーのマナー
東京マラソンが始まった頃から急速に皇居周辺のランナーが増え、それと共に周辺施設でランナーのための施設までで登場するようになりました。ランナーの聖地となりつつある皇居に近隣の都市から宿泊付きのツアーまで開催されることもあるというのですから、いかに皇居という場所がランナーにとってあこがれの場所であり、人気の中心かがわかると思います。
しかし、皇居周辺の歩道はもともとランナーのために作られたものではないので、当然のことながらトラブルも発生します。特に皇居の北部では歩道が狭いため多くのトラブルが発生しているといいます。また、場所によっては会社帰りの人たちと完全に流れが逆になり、通行の妨げになっている部分もあるとのこと。
美術展を見た帰りに皇居沿いを散策している女性が立て続けに3回もランナーとぶつかり、挙げ句の果てに「邪魔だ!」と怒鳴られたといいます。ゆっくりと散策もできない場所となりつつある一例なのかもしれません。
もちろん、このようなランナーがすべてだとは思いませんし、多くの人が気を遣いながら走っていることと思います。しかし、実際問題としてランナーでない人から見れば上記のような事故が1回でもあれば、全体がそうであると考え皇居に対するイメージは完全に悪くなるでしょう。
そんなイメージ悪化を避けるべく、千代田区観光協会は以下のような皇居ランナーマナー10ヶ条を作成しました。
<皇居ランナーマナー10ヶ条>
1.左側走行を心がけます
2.狭いところは1列で。追い抜きは避けます
3.できるだけ反時計回りで、逆行は控えます
4.混雑時はタイムにこだわらず、常にゆとりあるペースを心がけます
5.追い抜き・追い越しの際の「声かけ」を心がけます
6.グループ走は広がらず、大集団にならないように工夫します
7.クールダウン、集団での立ち話、そぞろ歩きで歩道をふさぎません
8.音楽プレーヤーのボリュームは控えます
9.ゴミは必ず持ち帰ります
10.いつでも思いやりのこころを持って走ります
近隣の住民や会社つとめの人、さらに観光客と良好な関係を保つことによって、ランナーは併存することができるのです。自分たちだけの場所ではないということを強く意識しておくことによって、みんなが気持ちよく過ごすことができる場所にしたいものです。
【参考】日本経済新聞 2010/10/25
ランニングを極める アレクサンダー・テクニークで走りの感性をみがく (2009/12/02) マルコム・ボークアンドリュー・シールズ |
◆関連する記事◆