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龍馬伝 第25回「寺田屋の母」

2010/06/20 Category: 2010年_龍馬伝

今回は、龍馬の今後の進路を再び惑わすような出来事がやってきますが、それは物語の最後に登場するとして、それまでは比較的穏やかに進んでいきます。物語全体を穏やかにしてくれたのが、やはり寺田屋の女将であるお登勢さんでしょう。

草刈民代さんは龍馬の母についで2度目の登場ですか、それを物語の中でもそっくりな人物としてそのまま利用してしまうあたり、NHKのしたたかさを感じます。本当に、龍馬の母である幸さんとお登勢さんはそっくりだったのでしょうか。それは歴史のみが知る事実なのかもしれません。

お登勢さんに「母上」「龍馬」と呼ばせておいて、全然違うと言ってはニヤニヤしながら布団に潜り込む龍馬は少し怪しい人物でした。そんなお登勢さんを頼りに、後にお龍の一家を引き連れてやってくるのですが、ここまでお節介だと周囲も逆に温かい気持ちになって協力しようという雰囲気になるのでしょうか。そんな魅力が龍馬にはあったのかもしれません。

「うみ」といってみなさいとお龍に話し笑顔を引き出す場面、そして急速に龍馬との距離を近づけていくお龍は、「次はいつ来るのですか?」と龍馬に聞いたときにはもう、もはや龍馬のことをただの人だとは思えず、片思いの存在になった瞬間でした。龍馬が立ち去った後も笑顔の練習をするお龍になんだか見ている方もニヤニヤしてしまったのではないでしょうか。

そんな浮かれた気分は、蛤御門の変と海軍操練所の問題、武市の問題で帳消しになってしまうことになります。長州藩は池田屋事件の後になんとか京で帝をお救いしようと立ち上がるのですが、会津藩、薩摩藩との戦でボロボロになって敗北してしまいます。これが蛤御門の変です。京都では「この前の大火」といえば、この蛤御門の変を言うそうです。歴史をあたらめて感じます。

この蛤御門の変によって、これまで長く攘夷派の中心にいた久坂玄瑞もとうとう自害します。その昔、吉田松陰のことで大泣きしていた彼のユーモアな雰囲気はもはやそこにはありませんでした。焼けた街の中でほっかむりをしている桂小五郎を演じる谷原章介も何となく場違いでしたが、ここで命を落とすことなく再起を賭けるように考えられたことが今後にすごい影響を与える結果になった、まさに紙一重の歴史の瞬間だったと思います。

蛤御門の変をきっかけに世の中は長州を征伐する流れとなり、今日本の中で内紛をすべきでないとごもっともな意見を言った勝麟太郎は、逆に池田屋事件で海軍操練所のものが下手人の中にいたとして、海軍操練所、軍艦奉行の2つを失ってしまうのです。龍馬にとって、人生をかけて取り組んできた海軍ができないと分かったとき、これからどうしていいか分からなかったことでしょう。無念な気持ちは痛いほど伝わってきます。これから龍馬が次の道をどのように発見していくのかを見守りたいと思います。

最後に、今回最も痛い思いをしたのは岡田以蔵でしょう。ぼこぼこになる場面しかこの数週間ないのですが、とうとう見るに見かねた武市は、毒入りのおにぎりを弥太郎に渡して、以蔵に食べさようとします。考えてみれば、弥太郎はその昔龍馬を毒殺しようとして毒入りのお茶を振る舞いますが、ぎりぎりのところでそれを自ら阻止した経緯があります。今回もきっと弥太郎にはできないのだろうと思いますが、どうなるでしょうか。弥太郎もつらい立場ですよね・・・はやく商売したいでしょうに。

次回はどうやら西郷どんが登場します。自分の中で西郷といえば篤姫の際に登場した小澤征悦さんなのですが、今回はその印象をいい方向に上書きすることができるか楽しみにしたいと思います。

◆龍馬伝紀行◆
京都府京都市
 - 蛤御門
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 - 上善寺

とうとう龍馬の水まで登場です。しかも龍馬のぶぶんを「わし」と読ませます!




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