三島市観光協会の「ゆるい情報」戦略
今、世の中ではかっちりしたものよりも、突っ込み処満載な多少ピントがずれていても愛嬌があるようなものの方が人気が高まっています。こういったものを「ゆるい」と表現しますが、ゆるいキャラとして、せんとくんやひこにゃん等がいい例でしょう。しっかりとしたキャラクターではなく、どこか抜けているからこそ逆にかわいいと感じさせる作戦が根底にはあるのだと思います。
そんなゆるい人気があるからなのか、そうではないのか定かではありませんが静岡県三島市の観光協会が公式Webサイトで公開した三島市までの交通アクセス案内がネット上で話題になっています。新幹線など一般的な交通手段から、徒歩やちゃりんこ、SwimmingにSkiといった手段まで記載されるなどもはやとどまることを知りません。
百聞は一見にしかずなので、まずは三島市観光協会のWebページを見てみてほしいのですがいつ更新されてしまうか分からないので、簡単に紹介したいと思います。東京、名古屋、沖縄、北海道のそれぞれの都市から三島市へのアクセス方法と所要時間について表形式でまとめられています。
◆東京から
「新幹線」や「踊り子」までは真面目に書かれていますが、「どんこう」、「くるま」あたりからやる気がなくなっていき、最後には「徒歩」という選択肢の登場です。徒歩で「2日ぐらいかな・・・?」と書かれています。
◆名古屋から
「ちゃりんこ」の選択肢があり「5日あればきっと・・・」到着できるそうです。なんとかやればできそうではあります。東京からの徒歩よりは少ない時間で行けるのではないでしょうか。
◆沖縄から
「Swimming」の選択肢があり「だれかやってみて!」とチャレンジを呼びかけています。もはやここまで来るとどのくらいで着くかといった本来の情報とは関係が無くなってきています。
◆北海道から
「Ski」の選択肢があり「冬季限定。でも三島には雪が・・」と暗に三島にSkiで来ることを控えてほしいことが書かれています。
この他、全体的に三島市観光協会のWebページはゆるく書かれているところが多いのがわかります。彼らによると、「三島市へのアクセスは、調べればすぐに分かる。観光協会のWebサイトは、観光の面白さや楽しさをアピールする場所。徒歩などでアクセスした場合にどれくらいの時間が掛かるかなど、従来とは違った視点で書いたほうが意味があると思った」そうです。
これによって、このように話題を作ることができ、三島市への関心も確実に高まるでしょう。それを狙っていることは間違いないでしょう。三島市の楽しさを伝えるだけでなく、それをどのようにして多くの人に知ってもらうか、その2つの要素を両方とも実現させているのが三島市観光協会のWebページなのです。
今後同じような戦略をたてる自治体も登場してくると思いますが、その際には「そこに行ってみたい」と思える要素も盛り込んで欲しいと思います。例えば観光ページには謎だけが面白く書かれていて、実際に現地に行ってみないと分からない仕組みになっているとか、行ってみると楽しいことが待っているとか。いっそのことコロプラのような位置ゲームと連動するのも面白いかもしれませんね。
【参考】
・三島市観光協会 http://www.mishima-kankou.com/index.html
・ITmedia http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/06/news049.html
<地元で話題の!>甘藷みしまコロッケ 5個入り
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