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坂の上の雲 第3回「国家鳴動」

2009/12/13 Category: 坂の上の雲

今回は主人公の3人を描く場面と、歴史的に重要な場面の2つがうまく混ざり合い全体としてバランスの取れた内容でした。あまりにも主人公ばかりに注目してしまうと、その背景となる歴史については軽くなってしまい非常に突拍子のない話となってしまい、逆に歴史の場面ばかりを描いてしまうと、教科書とかわらなくなってしまいます。そのバランスがうまく取れていたといえるでしょう。

主人公の3人もそれぞれの道にひたむきに突き進んでいました。正岡子規は肺結核を患ってしまいかっ血するも、新聞日本に入社し自分の道を信じて俳句の世界を深めようとしていました。ドラマ中にもコメントがありましたが正岡子規にはいい仲間を得る天才だったのかもしれません。新居に松山から律や母も呼び、それを夏目漱石が手伝っていました。なんと豪華なメンバーだと思っていたら、夏目漱石は「吾輩は猫である」の原案を惜しげもなく話していて、ニヤニヤしてしまいました。

真之は海軍で立派になりつつも、松山に帰ると陸軍兵ともめ事を起こし父親におさめてもらう一面もありました。この後、父である久敬は静かに息を引き取っていくことになります。伊東四朗の演技も素晴らしく、厳しくも中心となる部分で頼りになるアドバイスを与えてくれる立派な父親を演じてくれました。物語の中でこのように味があって重みを与えてくれる役者をどのくらい入れることができるかで、全体の品質を推し量ることができると思います。父が偉くではダメで、最低限食べさせるだけの援助はするけどそれ以上は自分で何とかしなさい。この助言は非常に大きく、父親としての偉大さを感じることができます。好古も、父親の死後に母親を東京に呼び、以前下宿していた佐久間家の娘である多美と結婚することになります。前々からお互いに好意を持っていたことがよくわかる二人であっただけに、なるほどという結果となりましたね。

こういった主人公の合間で、日清戦争に向かう首脳陣の苦悩をうまく表していました。特に伊藤博文や陸奥宗光、東郷平八郎といった人々がどのように考え、戦争を回避したり突き進んでいったのかを大物俳優の圧倒的な演技力で表現できていたと思います。以前長州藩が欧米との戦いで惨敗した経験を持つ伊藤博文と山県有朋の2人でも考え方が全く異なるのですから、伊藤博文も日清戦争回避は困難だったのも分かるような気がします。自分たちは歴史を知っていますが、伊藤の言うとおりこの時日本が敗北していたら、自分たちの今は絶対になかったでしょう。主人公の3人の姿も後世に残らなかったのです。

次回は、避けられなかった日清戦争が始まります。騎馬戦のシーンや海の戦いシーンも力を抜いておらず、スケールの大きさは保っています。これに演技力が加わり、どのように3人は巻き込まれていくのか楽しみにしたいと思います。


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