海藻でバイオ燃料を
今まで、バイオエタノールといえば、主にトウモロコシなどの穀物から作られているものが主流となっています。
でも、その結果世界的にトウモロコシの値段が高騰してしまい、様々な食糧問題が発生しています。さらにトウモロコシが金になることから、アマゾンの熱帯雨林がどんどん伐採されていき、畑になっているのです。この勢いは半端ではなく、1秒間にサッカー場2面分の面積が消失しているのです。
このように、食料用穀物の生産が減り、価格が高騰する影響が出ているため、今度目をつけたのが海藻で、水産庁が、バイオエタノールを海藻から作る技術の研究に2008年度から着手し、5年で技術を確立する計画があるというのです。
これにより、土地の制約がない海で養殖できる海藻を原料に作れば、食物と競合せずに温暖化対策が進められると期待されています。水産庁の研究では、海藻に含まれるアルギン酸という糖類を分解・発酵させてエタノールを作るため、これに適した酵素を探します。海藻はワカメやコンブなどの食用ではなく、成長が早い種類の藻を使うそうです。
この計画にも大きな問題があります。
例えば、この藻を大量に海で飼育するとしましょう。すると、そこを住み処とする生態系を破壊してしまうことにならないでしょうか。地上で作成するにはコストもかかるでしょうし、生成できるエタノールの量も少ないことから、海に飼育することは間違いないでしょう。
相変わらず、自然にどのような影響を与えるかを十分考慮に入れていないと感じてしまいます。技術指向は構わないのですが、できることと、実際に行うことは全く違います。理論的にできることはできるとしながらも、実際にそれをするとどうなってしまうのかを考える必要がもっともっとあるんじゃないでしょうか。
【参考】Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080113-00000402-yom-bus_all
◆関連する記事◆