大豆が追いつめる アマゾン森の民
アマゾンの中流域に森の民ZOE(ゾエ)と呼ばれる原住民が暮らしています。彼らは裸族の一族で狩猟採集を主として生計を立てています。口元になにやら不思議な木のような物をつけている彼らは現在280人前後。
その彼らに大きな危機が迫っています。
それは、大豆です。
彼らの住む森のすぐ近くまで森林の伐採が進み、その伐採された土地には大豆畑が広がっています。そこで獲れた大豆は中国や我が日本にも多く輸入されているのです。
そこで、ブラジルの政府機関「環境再生可能天然資源院(IBAMA)」のマルシアさんを初めとする保護官は、違法伐採の取り締まりを強化する試みを始めました。しかし、違法伐採をする人たちをいくら取り締まってもそれは末端の運び屋。問題の根絶にはなりません。
しかし、アマゾンは広大でこういった取り締まりには人的にもコスト的にも限界があります。以前のブログにも書きましたが、このような大豆畑は密林の内部から広がっているため外からその現状をうかがい知ることはできません。
そういった厳しい状況を救済する星が登場しました。それがアマゾン監視システム。
日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が打ち上げた陸域観測技術衛星「だいち」によって、ゾエに迫る違法伐採の位置まで知ることができるのです。今後このようなシステムによって、ゾエの人々を初め、アマゾンの森が守られることを願ってやみません。IBAMAのマルシアさん達も、こういった最新技術と共に自分たちができる植林という形で保護を進めています。
食用油1リットルに対して大豆5kgが必要で、それを満たすために木が3本切り倒されます。そして、そういった大豆を日本は多く輸入しているのです。経済の原則として、高く売れる物に対してその生産を高めようとする動きは当然といえるでしょう。
我々が大豆の消費量を減らすことは事実上厳しい状況の中、そういった違法に伐採された地域からの大豆を輸入しないといった強い姿勢を持って望むことによって、大切な地球を守ることになるのだと思います。
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