日焼け止めがサンゴ白化の一因
沖縄の海を中心に、日本でもサンゴが白化してしまう被害が問題となっていますが、その原因は地球温暖化が大きな問題だと言われてきました。
今でもそれは変わらないと思いますが、その他に日焼け止めに使われている成分が、ごく低濃度でもサンゴに共生する「らん藻」を殺し、サンゴの白化の一因になっていることがイタリアのマルケ工芸大の研究チームによって実証されたというのです。
成分ごとに調べると、パラベン、桂皮酸、ベンゾフェノン、カンファー抽出物という4種類の物質に、使用時に海に溶け出すのと同程度の量で、サンゴを白化させる作用があることが分かりました。これらの物質は日本で市販されている日焼け止めにも使われているといいます。
サンゴの白化は、その付近の生態系をがらっと変えてしまいます。魚が住むこと場所がなくなり、光合成による酸素もなくなってしまうため、死の大地と化してしまうのです。
日焼け止めを塗ってから海にはいることは、かなりの頻度でやっていることで、自分たちの海との親しむ考え方を根本的に変えないといけないことだと思います。
まずはダイバー一人一人が、ボートから海にはいるときに日焼け止めを落とすようにすること。さらに海水浴においても、海にはいるときは必ずシャワーで日焼け止めを落としてから入ること、そしてシャワーの水も海に行かないように処理を行うといった努力が必要でしょう。
美しい珊瑚礁は、実はもろいガラス製品であることを改めて認識する必要がありそうです。
【参考】Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080216-00000115-san-soci
海洋微生物と共生―サンゴ礁・海底熱水孔の生き物たち (ベルソーブックス 31) (2007/12) 石田 祐三郎 |
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