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後任者のためにすべきこと

2009/02/11 Category: ビジネス

とあるテレビ番組で東国原宮崎県知事が次のようなことを仰っていました。

「自分が露出することで宮崎をアピールするだけではダメだ。宮崎県が自分がいなくても自立していけるような環境を作らねば。」

会社やお店、部活などある組織の中で自分が部下や後輩とかなりうまくいき、周囲からも成功したと高評価をいただくことは、本当に嬉しいものです。誰かに評価されるということは、マズローの欲求段階説でも示されているように人間の根源的な欲求といえるでしょう。

<マズローの欲求段階説>
人間の欲求は5つの階層で説明ができ、ある階層のレベルの欲求を満たすと1段階上の欲求に駆られるとしています。。階層の底辺から、「生理的欲」「安全に対する欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」の順となります。

1.生理的欲求
 食欲や睡眠欲など生きるうえで必要不可欠となる欲求

2.安全に対する欲求
 危機回避や健康維持など、未来に対しての不安から自分の身を守りたいという欲求

3.所属と愛の欲求
 集団に属したい、誰かに愛されたいといった欲求

4.承認の欲求
 自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求

5.自己実現の欲求
 自分の能力・可能性を発揮し、自己の成長を図りたいという欲求

他人から認められる人は、より強い自分を求めて自分の可能性を追求しようと外へ飛び出していったり、または任期や卒業、異動といった外部要因によって離れざるを得なくなります。先の東国原知事の場合もそうですが、彼は未だに宮崎を始め全国的に人気がありますが、いずれ彼も任期満了によってその職を離れなくてはなりません。

そうなった場合に、真の指導者は自分がいなくなってもこのうまくいっている状況を維持し、さらにもっと良くなるような仕組みを自分がいる間に作らないといけないのです。今は宮崎県ブランドは東国原知事のステッカーなどを貼り付けたり、知事が自ら全国を飛び回り宣伝活動を行っていますが、知事がいなくなって途端にマンゴーや地鶏といった名産が売れなくなってしまっては意味がないのです。そのことを懸念しているのだと思います。

つまり、自分がいる間に「脱自分」の仕組みを作るのです。そのためには自分の部下や後輩に積極的に動かせ、自分は黒子に徹することが大切だと思います。そこで問題になるようだったら、自分が出て行けばいいのです。それまでは後輩や部下に自分のやり方を吸収させ、さらによりよい方法を考えさせなければなりません。自分への評価が高いときに自分が表に出ないのは周囲もがっかりするし、自分も出ていきたい衝動に駆られるのですが、それをうまくコントロールすることによって、組織全体としてレベルアップすることができるのではないでしょうか。

そんな方法論を東国原知事から学ぶことができ、彼に対して真の指導者像を見たような気がします。

人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ 人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ
(1987/03)
A.H. マズロー

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