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坂の上の雲 最終回「日本海海戦」

2011年12月 25日 By: rainbow Category: 坂の上の雲 No Comments →

3年にわたり圧倒的な描写とスケールによって、我々を魅了してきた坂の上の雲もとうとう最終回となってしまいました。原作はあえて読まずに余計な先入観を持たないように映像に集中するようにしてきましたが、それも最後なってしまうのがなんだか寂しく感じます。

前回の終わりから始まった日本海海戦。バルチック艦隊を東郷ターンと呼ばれる丁字戦法で、次々と打ち破っていきます。敵戦艦の前で急ターンするのは知っていたのですが、それによってどのようなメリットがあるのかは事前に「その時歴史が動いた」の第1回放送で予習ができていたので、それがビジュアル的な攻防を今回合わせてみることによって腑に落ちたような気がします。

東郷は、前回の日本海に行くか太平洋に行くか選択する際に、自分の意見が違ったとしても参謀の意見を取り入れる柔軟な姿勢を見せてくれました。それが、今回の丁字戦法でも秋山真之の意見を取り入れた結果、見事に勝利。有能なリーダーはうまく部下の意見を取り入れ最適解を導くという典型のような存在といえるでしょう。ちなみに東郷は、その後も大きな影響力を与え続ける存在になっていったといいます。

壮絶な日本海海戦ですが、このドラマではきちんと敵方の観点もしっかりと入れていて、ロシア側がどのように戦い抜いたのかも描いている点が、今までのドラマにないこのドラマの魅力だと思います。一兵士としてその他大勢として描かれることがほとんどなのですが、勝利後にロシア側に乗り込んだ秋山がみたロシア側の壮絶で悲惨な状況は、見ていて胸が苦しくなるほどでした。ロシアの人から見たときに、これが真実なのかどうか、それは分かりませんが、少なくとも一方的に日本勝利を描くのではなく、その裏側にあるロシア敗北という現実を描いてはじめてドラマに深みが出るんだと思います。

今回のドラマの最大の見せ場はなんといっても、秋山兄弟の母の死でしょう。満州で電報を受け取った好古は「淳は間に合ったかのう」とつぶやきます。この場面から、真之は間に合うのではないかと期待していたのですが、現実はギリギリ間に合わず、なくなった母に話しかけます。自分は少しは世の中のために役に立ったのかということを。今までやってきたことを認めてほしいのは母親だったのですが、その存在が居なくなって自分がやってきたことの正しさに悶々とします。

その閉塞感を打ち破ってくれたのが好古の釣りでの一言、「おまえはよくやった」ということでした。この後真之はなんか解放されたような表情を見せます。こういう細かい演出が素敵ですし、それを迫真の演技で固める阿部寛と本木雅弘はさすがでしょう。

この二人を中心に描かれているため、ポーツマス条約の状況や小村寿太郎の無念、日比谷焼き打ち事件といった内容が薄いのは仕方ないことなのでしょう。ここまで来るとそういったところも詳しく知りたくなってきますが、それは自学でまかないたいと思います。

好古や真之、そして乃木や児玉たちが口々に言っていた「この先の日本はどうなるのだろう」という思い。それを我々は知っているのですが、上のみを目指して登っていった先人のこういった思いは、歴史が示すとおりの結果となります。この結果は、彼らが望んでいたものなのか、それともそうでないのかは今ではわかりません。

今回のドラマを見ていると、1つ感じたことがあります。このドラマの完成度や人間模様はすばらしく、このようなすばらしい歴史作品に出会ったとき、その時代に興味がわき、さらにその周りに起こった色々なことも知りたくなるという広がりをみせるということ。このドラマから、明治を生き抜いた人々の生き様をもっと違った視線で見てみたくなりました。そんなきっかけを与えてくれたこの作品に、心から感謝したいと思います。

坂の上の雲 第12回「敵艦見ゆ」

2011年12月 19日 By: rainbow Category: 坂の上の雲 No Comments →

3年の集大成となる日本海海戦に向けて、いよいよラストランを迎える坂の上の雲ですが、その中で今回は陸軍にとっての最大の見せ場がやってきます。それが奉天会戦でした。戦線が100キロに及ぶということでそのスケールの大きさをどのように表現するのだろうと思っていたのですが、さすがにそれを表現するのは難しかったようです。どうしても戦線が長くなるにつれて、単位面積当たりの人間の数は少なくなってしまうので、迫力という観点ではみせるのが難しかったのでしょう。

そんな中でも、第3軍を指揮していた乃木が本隊に合流し、今まで閉塞感が漂っていた前線にも活気がみなぎります。その乃木と共にロシア側の騎兵隊に立ち向かうのが好古でした。まさにぎりぎりの戦いで、好古自体も最後は精神論を述べていましたが、クロパトキンは多くの兵が攻めてきたといって退却します。見たところロシアの陸軍には参謀というものがあまり登場せず、クロパトキンの判断によって行動が決まっている感じがしますが、実際のところはどうだったのでしょうか。

物語の中でも語られていましたが、兵力の面では日本側が完全に不利。戦術を駆使してようやく五分五分です。それをなんとか六分四分にもっていくことによって、世界的に勝利したとふれまわろうという戦略だったといいます。奉天を奪取した際の描写はすごくきれいで、それまでの好古や乃木の苦労を目の当たりにすることができるのですが、もう少し好古の活躍のシーンを多くしてもよかったのではないかと思います。物語の中で真之と共に主人公になる一人なんですが、次回は最終回の日本海海戦。ということは、コサック師団と打ち破るシーンはあまり多くが描かれずに終わりそうです。

そして次回へのつなぎという観点で、すでに日本海海戦が始まろうとしていました。まずバルチック艦隊が対馬を抜けてくるか、太平洋を抜けてくるかという大きな問題にぶち当たります。山本権兵衛も部下に指示出しするように迫られますが、あくまで東郷を信じる山本。このあたりの男の信頼関係はすごく気持ちがいいです。

東郷は、真之や参謀長から太平洋に移動する案を提示され、自分は反対の意見であったとしてもそれを受け止めます。この裏には、秩序とやる気、それと何か大切なことを真之たちに感じてほしいという思いがあったからなのかもしれません。最終的には、対馬で残ることを選択した三笠をはじめとした艦隊は、見事的中することになります。このあたりの渡哲也の堂々とした演技にひたすら心酔している自分、男としてかっこいいですね。

最後に真之が述べた「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」。ちょっと説明を受けないと分からないのですが、日本が有利であることを述べているといいます。船上でぱっと右を示した東郷。この戦術がどのようになっていくのか、物語はクライマックスを迎えます。

それと共に気になるのが、伊予松山で生まれた三人が最終的にどうなっていくのか。正岡子規は今回はあまり登場しませんが、三人を通じて作者が言いたかったこと、それを最後にしっかりと確認したいと思います。

3年の集大成となる日本海海戦に向けて、いよいよラストランを迎える坂の上の雲ですが、その中で今回は陸軍にとっての最大の見せ場がやってきます。それが奉天会戦でした。戦線が100キロに及ぶということでそのスケールの大きさをどのように表現するのだろうと思っていたのですが、さすがにそれを表現するのは難しかったようです。どうしても戦線が長くなるにつれて、単位面積当たりの人間の数は少なくなってしまうので、迫力という観点ではみせるのが難しかったのでしょう。

そんな中でも、第3軍を指揮していた乃木が本隊に合流し、今まで閉塞感が漂っていた前線にも活気がみなぎります。その乃木と共にロシア側の騎兵隊に立ち向かうのが好古でした。まさにぎりぎりの戦いで、好古自体も最後は精神論を述べていましたが、クロパトキンは多くの兵が攻めてきたといって退却します。見たところロシアの陸軍には参謀というものがあまり登場せず、クロパトキンの判断によって行動が決まっている感じがしますが、実際のところはどうだったのでしょうか。

物語の中でも語られていましたが、兵力の面では日本側が完全に不利。戦術を駆使してようやく五分五分です。それをなんとか六分四分にもっていくことによって、世界的に勝利したとふれまわろうという戦略だったといいます。奉天を奪取した際の描写はすごくきれいで、それまでの好古や乃木の苦労を目の当たりにすることができるのですが、もう少し好古の活躍のシーンを多くしてもよかったのではないかと思います。物語の中で真之と共に主人公になる一人なんですが、次回は最終回の日本海海戦。ということは、コサック師団と打ち破るシーンはあまり多くが描かれずに終わりそうです。

そして次回へのつなぎという観点で、すでに日本海海戦が始まろうとしていました。まずバルチック艦隊が対馬を抜けてくるか、太平洋を抜けてくるかという大きな問題にぶち当たります。山本権兵衛も部下に指示出しするように迫られますが、あくまで東郷を信じる山本。このあたりの男の信頼関係はすごく気持ちがいいです。

東郷は、真之や参謀長から太平洋に移動する案を提示され、自分は反対の意見であったとしてもそれを受け止めます。この裏には、秩序とやる気、それと何か大切なことを真之たちに感じてほしいという思いがあったからなのかもしれません。最終的には、対馬で残ることを選択した三笠をはじめとした艦隊は、見事的中することになります。このあたりの渡哲也の堂々とした演技にひたすら心酔している自分、男としてかっこいいですね。

最後に真之が述べた「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」。ちょっと説明を受けないと分からないのですが、日本が有利であることを述べているといいます。船上でぱっと右を示した東郷。この戦術がどのようになっていくのか、物語はクライマックスを迎えます。

それと共に気になるのが、伊予松山で生まれた三人が最終的にどうなっていくのか。正岡子規は今回はあまり登場しませんが、三人を通じて作者が言いたかったこと、それを最後にしっかりと確認したいと思います。

3年の集大成となる日本海海戦に向けて、いよいよラストランを迎える坂の上の雲ですが、その中で今回は陸軍にとっての最大の見せ場がやってきます。それが奉天会戦でした。戦線が100キロに及ぶということでそのスケールの大きさをどのように表現するのだろうと思っていたのですが、さすがにそれを表現するのは難しかったようです。どうしても戦線が長くなるにつれて、単位面積当たりの人間の数は少なくなってしまうので、迫力という観点ではみせるのが難しかったのでしょう。

そんな中でも、第3軍を指揮していた乃木が本隊に合流し、今まで閉塞感が漂っていた前線にも活気がみなぎります。その乃木と共にロシア側の騎兵隊に立ち向かうのが好古でした。まさにぎりぎりの戦いで、好古自体も最後は精神論を述べていましたが、クロパトキンは多くの兵が攻めてきたといって退却します。見たところロシアの陸軍には参謀というものがあまり登場せず、クロパトキンの判断によって行動が決まっている感じがしますが、実際のところはどうだったのでしょうか。

物語の中でも語られていましたが、兵力の面では日本側が完全に不利。戦術を駆使してようやく五分五分です。それをなんとか六分四分にもっていくことによって、世界的に勝利したとふれまわろうという戦略だったといいます。奉天を奪取した際の描写はすごくきれいで、それまでの好古や乃木の苦労を目の当たりにすることができるのですが、もう少し好古の活躍のシーンを多くしてもよかったのではないかと思います。物語の中で真之と共に主人公になる一人なんですが、次回は最終回の日本海海戦。ということは、コサック師団と打ち破るシーンはあまり多くが描かれずに終わりそうです。

そして次回へのつなぎという観点で、すでに日本海海戦が始まろうとしていました。まずバルチック艦隊が対馬を抜けてくるか、太平洋を抜けてくるかという大きな問題にぶち当たります。山本権兵衛も部下に指示出しするように迫られますが、あくまで東郷を信じる山本。このあたりの男の信頼関係はすごく気持ちがいいです。

東郷は、真之や参謀長から太平洋に移動する案を提示され、自分は反対の意見であったとしてもそれを受け止めます。この裏には、秩序とやる気、それと何か大切なことを真之たちに感じてほしいという思いがあったからなのかもしれません。最終的には、対馬で残ることを選択した三笠をはじめとした艦隊は、見事的中することになります。このあたりの渡哲也の堂々とした演技にひたすら心酔している自分、男としてかっこいいですね。

最後に真之が述べた「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」。ちょっと説明を受けないと分からないのですが、日本が有利であることを述べているといいます。船上でぱっと右を示した東郷。この戦術がどのようになっていくのか、物語はクライマックスを迎えます。

それと共に気になるのが、伊予松山で生まれた三人が最終的にどうなっていくのか。正岡子規は今回はあまり登場しませんが、三人を通じて作者が言いたかったこと、それを最後にしっかりと確認したいと思います。

坂の上の雲 第11回「二〇三高地」

2011年12月 12日 By: rainbow Category: 坂の上の雲 No Comments →

今回は、乃木希典が指揮する第三軍による旅順要塞総攻撃がほぼ全編にわたって繰り広げられていました。この1つの戦いに1時間以上を費やしてじっくりとみせるのは、後にも先にもこのドラマだけなんだろうなと思うほど、内容が充実していました。戦争というものを肯定するつもりはありませんが、指揮官だけでなくその配下で必死になって戦っている将兵たちの生き様をこれでもかという位に目の当たりにして、これまでにない複雑な気持ちになります。

きっと、これに続く第二次世界大戦、太平洋戦争という場面では、もっと兵力が乏しい中でこれ以上の戦果を求められることになるのだと思いますが、自分にとってはこの戦いだけみても本当に戦争の悲惨さを感じてしまいます。

特に、三千百余人の白襷隊は、旅順要塞に対して人柱となって特攻していくのですが、その姿は後の特攻隊に重ねて見てしまうほどつらいものです。日本兵の観点から綴られている物語ですが、敵兵として描かれているロシア兵側にとっても、絶えず突進される日本兵との戦いは苦しいものだったでしょう。広瀬が亡くなって、ロシア側の観点から物語を語ることができなくなってしまったため、「日本にとってどうだったのか」という一方面からのみとなっています。

自分にとっては、この事実自体を詳しく知らなかったので、それを知るために今回の二〇三高地に関する内容はそれを十分すぎるほどリアルに描いてくれていて把握することができるのですが、それだけで終わらせるのではなく、ロシア側からみた日露戦争というものがどのように写ったのか、そのことを知ることによって両側面から物事を見ることができると思っています。

乃木は今まで正面突破をこれまでなくなった兵士のためだと表現していましたが、それを今回はもっとマクロ的に観て日本が勝つために、正面突破はあきらめ二〇三高地奪取に切り替えようとします。その二〇三高地は北海道出身の第七師団によって頂上を占拠しますが、それも一時的。このときの師団長の演技がものすごく迫真に満ちていて、演技に完全に飲み込まれます。

この二〇三高地は、実際のロケは北海道で実施したそうなのですが、スケールが違うと感じたのは山を駆け上る人の多さです。山一面を人がよじ登っていく姿は、本当の戦争を間近で観ているようで背筋が凍る思いで観ていました。おそらく多くの人がそう感じたのではないでしょうか。壕の間をかける兵士たちの表情を観ていると、生死は本当に紙一重のように思えます。

二〇三高地がすぐにロシア側に奪取された後に、第三軍を指揮することになったのが満州軍総参謀長・児玉源太郎でした。乃木と西南戦争の時の話をし、その頃から乃木にとって児玉は命を救ってくれた恩人であったので、いやな顔せずに指揮権を渡します。このあたり、人間ドラマですね。高橋英樹と柄本明の演技が光っていました。何も語らずとも二人の心が通っていることを感じさせます。

高橋英樹といえば、桃太郎侍だ、越後製菓だという人もいますが、このときの彼は、完全に総参謀長でした。彼の指示は的確で、見方の多少の犠牲に臆することなく、全体としての最適解を導いたことによって二〇三高地の制圧に成功します。このときに遠くに旅順港が見えることに歓声を上げる兵士と共に、自分も涙がとまりませんでした。

しかし、二〇三高地は戦争の1つの場面です。まだ秋山兄弟が登場するそれぞれの大きな戦いが2つ残されています。これらが、二〇三高地を制圧したことによってどのように変わっていくのか、次回へのフラグはすでに両方に張られています。二〇三高地からの旅順港への砲撃は停泊中の戦艦を何艘かに命中しますし、満州では大量のロシアによる増兵が確認されています。それぞれの戦いはまだまだ続きそうです。来週も見逃せません。