篤姫 第33回「皇女和宮」
安政の大獄によって井伊直弼を失った徳川家は、もはや自分たちだけの力ではどうすることも出来ずに天皇家を頼ることになります。その決定に至るまでの、老中配下の力不足に本当に悲しくなります。天璋院に一言の話も無く、また10年後に攘夷を約束するなど、ありえない約束を天皇家とさせられることになり、その約束を守ることもできないにもかかわらず、今だけを見て政をしている姿に、徳川家の末期を感じます。
一方、京都にいた和宮ですが、本当に女性は政治の道具に使われる悲しい出来事を受け入れなくてはならなかった時代の無念さがあります。すべては「日本国のため」という言葉に、和宮だけでなく天璋院もまた飲み込まれた一人だったんですよね。でも、それをプラスの力に変えて前向きに頑張っていける人と装でない人の間に大きな差があるんですよね。きっかけは誰かに決められたことであっても、それを運命と割り切っていい方向へと変えていける姿、それがまさしく昔、菊本が言っていた「女の道は一本道」なんじゃないでしょうか。
和宮を演じるのは掘北真希ですが、芯の強い姿をうまく演じているようなきがします。これから、彼女がどのように宮崎あおいと演じていくのかがたのしみです。この二人は、同世代として各方面からライバル扱いされているのですが、ここでは演技という真剣勝負の場でうまくそれが相乗効果につながればいいと思います。
次回から嫁と姑という現代にもつながるような問題に、どのように話が展開していくのかが楽しみです。そして大久保をはじめと知る薩摩の武士たちがどのように動き出すのか、静か見守っていきたいと思います。
徳川300年ホントの内幕話―天璋院と和宮のヒミツ (だいわ文庫 H 88-1) (2007/12/10) 徳川 宗英 |
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