日米の野球記録は通算していいの?
日経新聞に、野球における日米通算記録についての記事があり、考えさせる内容だったので紹介したいと思います。
「ヤンキース・松井秀喜が通算2000試合出場」、「マリナーズ・イチローが日米通算でボンズを抜いて原液大リーガー最多の2936安打」、数え上げればきりがないくらい多くの記録が日本ではこのように報道されています。
しかし、自分も前々から思っていたのですが、日本とアメリカでは球場や環境、試合数なども全然違うわけですから単純に累積したり比較したりしていいのでしょうか。
例えば、王貞治の868本塁打と、バリー・ボンズの762本塁打、どちらが偉大な成績なんでしょうか。おそらく、全く比較できないどちらも偉大な成績なんじゃないでしょうか。
記事では、日本でこのように通算記録を重視するようになってしまったのは名球会入会の資格のためとしています。投手では通算200勝以上または250セーブ以上、打者では通算2000安打以上というのが、その「資格」です。
大リーグの成績を入れることによって、松井やイチロー、佐々木、野茂も名球会入りすることができるようになりました。
もちろん、私的な団体である名球会がそのように資格を作ること自体は問題ないと思います。でも、その資格上計上している成績がその選手個人の生涯成績として記録されるというのはなんだかおかしいと思います。
例えば、韓国から来日した李スンヨブ選手は韓日通算で長嶋茂雄さんんお444本塁打にあと5本に迫っているそうですが、日本のファンで関心がある人はほとんどいないでしょう。きっとアメリカ人から見た日本の成績も同様なんじゃないでしょうか。
日本でも、アメリカでも素晴らしい記録をそれぞれ残したということでいいんじゃないかと自分は思います。もちろん本人が通算成績にこだわっているのであればそれはそれでいいと思いますが、記録として日本の野球史に残すのであれば、韓国や台湾リーグで活躍している日本人や、逆に李選手のように海外から選手についても通算成績として記録を残してあげるべきなんじゃないでしょうか。
【参考】日経新聞夕刊 (6月11日)
イチローが教えてくれた日米プロ野球世紀の大記録―1900年から2001年までの日米大記録の徹底比較 チャレンジブックス マルジュ社 2001-12 by G-Tools |
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