あしたまにあーな

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江 -姫たちの戦国- 第26回「母になる時」

2011年7月 10日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

今回もすごく感じたことなのですが、恋愛模様や人を愛するという気持ちが物語全面に出ていて、そういった場面の力の入れようが半端ないことがわかります。はじめから江は夫となった秀勝のためにいろいろなことを自分でしてあげたいという思いから着物の折りたたみなどを自分で買って出ます。ところが、作者はいつものようにどこかにユーモアセンスを入れたいようで、折りたたんだ着物を落としたり、あたふたしたりする様子を描いています。

結婚した江と秀勝の役割は、関白になった秀次を監視すること。秀吉が明確にそれを指示していた場面を思い出せないのですが、どこか乗らない二人は秀次のものを訪れます。そこで、秀次の文学好きである側面を見つけて親近感を得る江なのですが、やっぱりここでもユーモアあふれる秀次を描いているのが気になるところ。それが、後の何かの場面に結びつくのならいいのですが、そういうわけでもないようなのでシリアスに描いてあげてもよかったのかなと思います。

そんなラブラブな夫婦を引き裂いていくのが秀吉が鶴松の死をきっかけとして実行に移した朝鮮出兵でした。これによって秀勝は戦に出ることになり、まるで永久の別れのような挨拶を交わして去っていきます。それにしてもAKIRAはやっぱり、この時代の男性にはやっぱり見えず、EXILEにしか見えないのが残念です。現代風な風貌がそうさせているのだと思います。

そんななか、二つの悲しい出来事が次々とやってきます。まず一つ目は秀吉の母である大政所が病で亡くなります。急いで九州から戻った秀吉は、仏前で江と対面するのですが涙も枯れて呆然自失状態です。自分の肉親を殆どすべてなくしてしまった秀吉は、このとき家族に囲まれていた昔の方が幸せだったことを思い出します。これによって何か変化があったのかと思いきや、そういう様子でもなくふらふらと出て行ってしまうのでした。

そしてもう一つは、江の夫である秀勝が病で亡くなってしまったこと。病なのですが、ドラマの中では朝鮮の地元民を斬りつけようとした家臣を止めようとして、逆に切られてしまいその傷をきっかけにして病になってしまった様子です。倒れる時はあっけない感じでした。陣頭指揮の様子ももう少し迫力を出してもよかったのに、ここで終わってしまうのは悲しい限りです。

子供を宿している江はそのことを知って、呆然とする暇もなく出産シーン。姉の茶々の時のような出産場面は割愛され、子供がそばに置かれるところから再会。江は主人公なので、逆なんじゃないかなと違和感を覚えてしまいます。

このように大切な二人が亡くなってしまうのですが、お約束のように不吉な予感をしっかりと感じる江。誰かが噂をしていてもくしゃみをするというお約束までついてきます。あまり大河ではやらないでほしいこういう演出なのですが、全体として親しみやすい印象を与えるための工夫なのかもしれません。

次回は、江をなぐさめるためにことあるごとにやってくる初お姉様も登場します。彼女は本当にここまで足繁く通ったのか謎なところはありますが、江がどのように心境の変化を起こしていくのか楽しみにしたいと思います。

◆江紀行◆
岐阜県岐阜市
 - 長良川
 - 岐阜城跡(金華山ロープウェイ乗り場)
 - 若き日の信長像 岐阜公園内
 - 織田信長居館跡
 - 菅生八幡神社
 - 川原町界隈

江 -姫たちの戦国- 第25回「愛の嵐」

2011年7月 04日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

今回は大きく3つの話題から成り立っています。一つは利休の切腹で、前回の題名は「利休切腹」だったのですが、実際それが実行されるのは今回でした。2つ目の話題は鶴松の死、最後が江の再婚という流れで進んでいきます。いずれの3つの場面でも「愛」というものが登場することから愛の嵐という題名が付いたのでしょう。

まず利休の切腹ですが、これまでこの物語を実質支えていてくれた千利休がついに切腹することになります、秀次によると秀吉は心から利休のことを好いていていつもそばにいてほしいと思っていたのに離れることを選択されたことから、切腹を命じたとのこと。このあたりの描写はうまいと思います。

しかし、堺の屋敷に戻って上杉軍を中心に3000もの兵で囲まれているところに秀勝と江は薪売りの扮装をして潜入するあたり、現実味があまりないような気がしてなりません。お姫様がそんなことをする時代なのでしょうか。しかもその潜入を許可したのは「愛」のマークが兜に入った直江兼続。「愛の嵐」一つ目がここにありました。誰が出演しているのかは非公開だそうです。

必死の説得にも関わらず、利休は自分の道だと諭し切腹の道を選んで果てていきます。石坂浩二の演技は本当にいい味を出していて今回の大河ドラマの骨組みをしっかりと作ってくれました。他の方のブログを拝見するとこちらの方が主役であるとまで書かれている方もいるくらいですが、ある意味これまでの大河ドラマの王道をいく人間味があり言葉に重みがあるキャラクターを演じていたと思います。この方が次回からいないとなると、支える役目は家康役の北大路欣也さんになっていくのでしょう。

2つ目の「愛」は、鶴松の死をもって改めてわかった両親である秀吉と淀の愛情とその反動なって現れる深い悲しみでしょう。演出としては利休の死からあっという間に鶴松が亡くなってしまったような感じになってしまい、唐突感が否めなかったのですが、この出来事をきっかけとして鬼の形相となって半狂乱に陥った秀吉が見物でした。

一方の淀を慰めるべく登場するのが初と江でした。初は京極家からまたも遠出をしてくることになりますが、移動しすぎのような感じがしてなりません。秀吉との間で茶々が恋に悩んでいた時も遠出をして、うまくいくやいなや「自分も帰って小作りをしよう」と言って去っていくものすごい演出があったのですが、作者はきっと3姉妹の結束を伝えたかったのでしょうが、もうすこし違った形にしてあげた方が現実的だと思われます。

また、物語の中では、この鶴松の死をきっかけとして朝鮮への出兵を決意することになるのですが、史実としてどうなるのか気になるところではあります。

最後の3つめは江の再婚です。これまで好きだった秀勝に嫁ぐことになった江ですが、それを決定したのは秀吉でした。先の鶴松の件で半狂乱になった秀吉が、夜な夜な怪しい顔で、「江」と書かれた紙と「秀勝」と書かれた紙を取り上げて、にやつきながら決めた模様です。ものすごい演出でした。そしてその意図も明かされないまま視聴者には悶々としていなさいということなのでしょう。

そんなことはお構いなしに、江は姉たちに「好きです」と告白し、秀勝も江の前で「自分と夫婦になってください」とプロポーズ。まるで現代ドラマのシーンのような直球発言が続きます。わかりやすいんですが大河ドラマという関係上、いいのかなと少し疑問に感じてしまいます。しばらくは彼らのラブラブな雰囲気がドラマを包み込むことでしょう。

今回、見物だったのは家康のシーンでしょう。家康は朝鮮出兵に対して兵を出すのは九州までとしています。これを太閤に認めさせることができると考えていました。自分が今までのんできたものの大きさから、今回その貸しをうまく使おうとしたのです。そのためにこれまで黙って従ってきたのだと思うとなるほどと感じます。必ず後で行動の裏付けがとれる安心感が、家康の演技にはあるのがうれしいところです。

次回は、またも悲しい出来事があるようですがその後にくるうれしい出来事でチャラ担ってしまうのではないかと不安に感じながら次回を楽しみにしたいと思います。

◆江紀行◆
京都府京都市
 - 大徳寺
 - 晴明神社
 - 千利休居士聚楽屋敷跡
 - 聚光院
 - 千利休の墓

江 -姫たちの戦国- 第22回「父母の肖像」

2011年6月 12日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

前回までで授かった茶々と秀吉の間の子供がとうとう世の中に登場します。宮沢りえさんがものすごく苦しんでいる姿とその様子を外から慌ただしく見守る岸谷五朗さんと上野樹里を見ていると、現代ドラマのような感覚を受けてしまいます。

出産までのシーンに時間を使いながら、ようやく鶴松が産まれます。これまで自分の子供がいなかったことを考えると、秀吉はものすごく嬉しかったのだと思います。赤ちゃんの姿を見ると顔がほころんでしまいます。この子どもが産まれることを引き替えに茶々が願ったことは、自分の両親である浅井長政とお市のそれぞれの供養をさせてほしいというすばらしい願いでした。

ものすごいことをお願いするのではないかと、ドキドキしながら見ていたのですが、結果的には納得感のあるお願い事項となります。てっきり、鶴松と共に自分の一生の安泰をお願いするのではとばっかり思っていましたが、実際には浅井家を想う気持ちが誰よりも強い正義感のある人物と表現しています。この辺り作者の愛情を感じます。

その後供養の後に久々三姉妹が勢揃いし、浅井長政とお市の両親の肖像を感慨深げに眺めます。今回最も注力したこの場面ですが、登場した肖像があまりにも写真のようにリアルになっていて思わず驚かずにはいられませんでした。「この時代にここまで精巧な絵を描くことができるの?」と自分の中で無知ぶりを恥じたのですが、後に江紀行で登場した現物をみると、やはりドラマ中に出てきたほどのリアルさはなく、安心しました。しかし写真のような肖像を使うのはどうなんでしょうかね。

前回、子作り宣言をして近江に帰っていった初が、再び登場し京極高次といちゃいちゃしています。自分の姉2人がこんな様子である江は、自分の居場所がないと言って北政所に語るのですが、この思いが今後どのような流れになっていくのか期待したいと思います。最後の方に向井理さん演じる竹千代が登場し、江とのフラグをしっかりと立てています。

今回の自分の中での見どころは、千利休と家康の茶室での話と、北条家の登場でしょう。千利休は自分がやがて厄介者になることをすでに分かっているようで、そのことを家康に語ります。千利休は、茶室に招く人が少ないときは広い茶室を、招く人が多い場合には狭い茶室を使うことによって、無限の広がりを感じさせることができるという世界観を展開しています。聞いていてなるほどと思えるうんちくでした。この場面の重厚さは見応えのあるものとなりました。

もう一つは、北条家の存在です。北条早雲以来この地を治めている北条家にとって、秀吉の天下は認められないもの、必然的に全面対立へとつながっていきます。天地人の際にも北条家が出てきましたが、この小田原攻めについて、どうか北条家の思いもくんだシナリオを作り出してほしいなと思います。

次回から徐々に露出をあげていく向井理さん。この人を通じて江も露出度を高めていってくれるといいなと思います。

◆江紀行◆
和歌山県高野町
 - 金剛峯寺
 - 持明院
 - 奥の院
 - 淀の方が建立した石塔