江 -姫たちの戦国- 第26回「母になる時」
今回もすごく感じたことなのですが、恋愛模様や人を愛するという気持ちが物語全面に出ていて、そういった場面の力の入れようが半端ないことがわかります。はじめから江は夫となった秀勝のためにいろいろなことを自分でしてあげたいという思いから着物の折りたたみなどを自分で買って出ます。ところが、作者はいつものようにどこかにユーモアセンスを入れたいようで、折りたたんだ着物を落としたり、あたふたしたりする様子を描いています。
結婚した江と秀勝の役割は、関白になった秀次を監視すること。秀吉が明確にそれを指示していた場面を思い出せないのですが、どこか乗らない二人は秀次のものを訪れます。そこで、秀次の文学好きである側面を見つけて親近感を得る江なのですが、やっぱりここでもユーモアあふれる秀次を描いているのが気になるところ。それが、後の何かの場面に結びつくのならいいのですが、そういうわけでもないようなのでシリアスに描いてあげてもよかったのかなと思います。
そんなラブラブな夫婦を引き裂いていくのが秀吉が鶴松の死をきっかけとして実行に移した朝鮮出兵でした。これによって秀勝は戦に出ることになり、まるで永久の別れのような挨拶を交わして去っていきます。それにしてもAKIRAはやっぱり、この時代の男性にはやっぱり見えず、EXILEにしか見えないのが残念です。現代風な風貌がそうさせているのだと思います。
そんななか、二つの悲しい出来事が次々とやってきます。まず一つ目は秀吉の母である大政所が病で亡くなります。急いで九州から戻った秀吉は、仏前で江と対面するのですが涙も枯れて呆然自失状態です。自分の肉親を殆どすべてなくしてしまった秀吉は、このとき家族に囲まれていた昔の方が幸せだったことを思い出します。これによって何か変化があったのかと思いきや、そういう様子でもなくふらふらと出て行ってしまうのでした。
そしてもう一つは、江の夫である秀勝が病で亡くなってしまったこと。病なのですが、ドラマの中では朝鮮の地元民を斬りつけようとした家臣を止めようとして、逆に切られてしまいその傷をきっかけにして病になってしまった様子です。倒れる時はあっけない感じでした。陣頭指揮の様子ももう少し迫力を出してもよかったのに、ここで終わってしまうのは悲しい限りです。
子供を宿している江はそのことを知って、呆然とする暇もなく出産シーン。姉の茶々の時のような出産場面は割愛され、子供がそばに置かれるところから再会。江は主人公なので、逆なんじゃないかなと違和感を覚えてしまいます。
このように大切な二人が亡くなってしまうのですが、お約束のように不吉な予感をしっかりと感じる江。誰かが噂をしていてもくしゃみをするというお約束までついてきます。あまり大河ではやらないでほしいこういう演出なのですが、全体として親しみやすい印象を与えるための工夫なのかもしれません。
次回は、江をなぐさめるためにことあるごとにやってくる初お姉様も登場します。彼女は本当にここまで足繁く通ったのか謎なところはありますが、江がどのように心境の変化を起こしていくのか楽しみにしたいと思います。
◆江紀行◆
岐阜県岐阜市
- 長良川
- 岐阜城跡(金華山ロープウェイ乗り場)
- 若き日の信長像 岐阜公園内
- 織田信長居館跡
- 菅生八幡神社
- 川原町界隈
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