あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 松田翔太


平清盛 第30回「平家納経」

2012年7月 29日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回の最大のイベントは、清盛が今まで志半ばで命を落としていった人々の魂を沈めるため、三十三巻の経典を厳島神社に納経しようというもの。これは、前回清盛が自分がこれからも今までの人々の思いも引き継いで生きていくと誓ったことから伏線があったのだと思いますが、今回はそれ以上に多くの人が亡くなっていきます。

自分の子供である基盛だけでなく、藤原摂関家の長である藤原忠通、そして今回の大きなポイントにもなるのが、崇徳上皇でしょう。崇徳上皇以外はちょっと前までぴんぴんで丈夫だったにも関わらず、次のシーンでは亡くなるというあっさりとした描写で、視聴者としてはちょっと戸惑いすら感じてしまいます。

基盛については時忠の画策に乗って、ダメダメな状況をなんとかしようと思っていたら、帝の怒りをかってしまい官職を退き、さらに父上からも怒られてしまい結果として最悪な状況になった後、父親から「お前は自慢の息子だよ」とフォローされて、喜んで頑張っている状況のなかでの死。しかも川におぼれてなくなったとのことで、その理由は全て崇徳上皇の怨念に行き着きます。

井浦新さんの特殊メイクもものすごいことになっていて、これまでのドラマにはない状況が展開されています。いくらそのような人物であったといっても、ちょっとやり過ぎ感が否めないと感じたのは自分だけではないでしょう。そのくらい、今回は完全に崇徳上皇パーティーになってしまいました。

三十三巻の経典を厳島神社に持って行く時も、崇徳上皇の怨念によって嵐が発生し、たまたま船に乗っていて西行との念仏の一騎打ち。現実がそれに完全に引っ張られているのですから、不思議な世界にもなるでしょう。とにかく、この戦いは崇徳上皇の負けで、特殊メイクがほどけてまともになった井浦新さんが静かに息を引き取っていきます。なんか最後は心穏やかに過ごすことができたようでよかったです。

次回からは、「文句があるなら博多を都の隣に持ってこい」といった兎丸の言葉を現実のものにしようとさらに権力を握ろうとする清盛の生き様を第3部として放送していくようです。ドラマがオリンピックに勝てるような魅力的な内容になれば、開始時間もきっちりと始まってくれるでしょう。そうなってくれることを願ってやみません。

◆清盛紀行◆
香川県坂出市
 - 松山の津
 - 鼓岡神社
 - 白峯陵
 - 頓証寺殿

平清盛 第29回「滋子の婚礼」

2012年7月 22日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

源氏の姿もほぼ見えなくなり、世の中は完全に平氏一門の世界となって行きます。その中で、今回のポイントはなんと言っても後白河上皇でしょう。彼と清盛の間にある様々な思いや駆け引きは、今回から本格化していくというシナリオ。今回は、滋子という1人の触媒がそのきっかけを与えたものとして、大きく取り上げられています。

この辺りのシナリオは非常に面白く感じます。今までにあったような露骨な前振りはあまり多くなく、後白河院にとって、滋子がどれだけ必要な存在であったかを上手く表現した上で、結果を示していたのではないでしょうか。そういう意味で、今回はこれからの後半戦のドラマの中で大きな転換点となったのではないでしょうか。それを確認することができるのは終わってからかもしれませんが。

平氏が平家と呼ばれるようになって、いままで活躍してきた人々の世代交代が進んでいきます。筆頭家人の家貞、美福門院得子とこれまで支えてきた人々がナレーションだけでなくなっていき、これまでの活躍を考えると少し寂しい気もします。

これからは、帝である二条帝と後白河院という大きな勢力に対して、清盛がどのように振る舞っていき、自分の勢力を伸ばすように努力していくのか、それが最大のポイントとなります。源氏との関係など見所が複数あったものから絞られていき、いよいよ本格化してきたなと感じます。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 - 青蓮院門跡
 - 須賀神社

平清盛 第28回「友の子、友の妻」

2012年7月 16日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

平治の乱も終わり、義朝たちは敗れ去ります。つい先日まで生き生きと生きてきた義朝が落ち武者のように山林を配送する姿を見ると、なんだか胸が痛くなるとともに1つの時代が終わったのだと改めて感じます。山林の中で頼朝がはぐれなければきっと後の時代が作り出されなかった事でしょう。そのくらい微妙な差で運命は変わってしまうのでしょうね。

前回予想したとおり、謀反の首謀者である藤原信頼は、お笑い芸人の塚地武雅さんが演じている以上どこかに笑いの要素を盛り込んだ状態で散っていくと思っていました。そして今回、信頼はとなりの藤原成親が縁者であることを理由におとがめがなかったことに重ねて、自分も同じように救ってほしいとなりふり構わず申し出ます。この辺りの振る舞いはさすがでした。これに流されることなく、しっかりと断罪を申し渡した清盛もさすがと言えるでしょう。

今回の題名は、友の子である頼朝と、友の妻である常磐御前に対して、清盛がどのように感じ、そしてどのように振る舞っていくのかというところが焦点になります。その部分で、非常に見応えがあるものとなりました。まず頼朝に対しては、母上のお願い事があったとしても、それに流された結果というのではなく、頼朝を義朝に重ねて、自分がこれからも苦しい世の中を武士の頂を目指して歩んでいかないということを語り、それを遠くから見ておけと言う気持ちで生かします。この辺りの演出は粋なものを感じます。

そして、常磐御前に対しては、自分の母親が自分を守って死んでいった姿に重ね、子供を守るために生きるように諭します。この2つの結果はいずれ平氏にとって災いとなって行くのですが、それは後の話。お互いにライバルがいると、切磋琢磨しながらよりレベルの高いことができるようになります。清盛にとって源氏というライバルを残すという選択肢をしたのは、どこかにそんな思いがあったからなのかもしれません。

平氏がいずれ源氏に敗れ去るのは、平氏が世の中にあっておらず退場すべき存在であったから。いつでも日本をよりよくするために、必要な手段なのではないでしょうか。そう感じた今回の清盛の決断でした。

さて、次回からは清盛が名実ともに頂点の人として君臨することになります。後白河上皇との関係など、これからの見所をしっかりと見極めたいと思います。

◆清盛紀行◆
愛知県美浜町
 - 大御堂寺