平清盛 第30回「平家納経」
今回の最大のイベントは、清盛が今まで志半ばで命を落としていった人々の魂を沈めるため、三十三巻の経典を厳島神社に納経しようというもの。これは、前回清盛が自分がこれからも今までの人々の思いも引き継いで生きていくと誓ったことから伏線があったのだと思いますが、今回はそれ以上に多くの人が亡くなっていきます。
自分の子供である基盛だけでなく、藤原摂関家の長である藤原忠通、そして今回の大きなポイントにもなるのが、崇徳上皇でしょう。崇徳上皇以外はちょっと前までぴんぴんで丈夫だったにも関わらず、次のシーンでは亡くなるというあっさりとした描写で、視聴者としてはちょっと戸惑いすら感じてしまいます。
基盛については時忠の画策に乗って、ダメダメな状況をなんとかしようと思っていたら、帝の怒りをかってしまい官職を退き、さらに父上からも怒られてしまい結果として最悪な状況になった後、父親から「お前は自慢の息子だよ」とフォローされて、喜んで頑張っている状況のなかでの死。しかも川におぼれてなくなったとのことで、その理由は全て崇徳上皇の怨念に行き着きます。
井浦新さんの特殊メイクもものすごいことになっていて、これまでのドラマにはない状況が展開されています。いくらそのような人物であったといっても、ちょっとやり過ぎ感が否めないと感じたのは自分だけではないでしょう。そのくらい、今回は完全に崇徳上皇パーティーになってしまいました。
三十三巻の経典を厳島神社に持って行く時も、崇徳上皇の怨念によって嵐が発生し、たまたま船に乗っていて西行との念仏の一騎打ち。現実がそれに完全に引っ張られているのですから、不思議な世界にもなるでしょう。とにかく、この戦いは崇徳上皇の負けで、特殊メイクがほどけてまともになった井浦新さんが静かに息を引き取っていきます。なんか最後は心穏やかに過ごすことができたようでよかったです。
次回からは、「文句があるなら博多を都の隣に持ってこい」といった兎丸の言葉を現実のものにしようとさらに権力を握ろうとする清盛の生き様を第3部として放送していくようです。ドラマがオリンピックに勝てるような魅力的な内容になれば、開始時間もきっちりと始まってくれるでしょう。そうなってくれることを願ってやみません。
◆清盛紀行◆
香川県坂出市
- 松山の津
- 鼓岡神社
- 白峯陵
- 頓証寺殿
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