あしたまにあーな

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平清盛 第36回「巨人の影」

2012年9月 16日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

物語は変わらず大きく3部構成であり、今回は王家の状況が少なく抑えられ、その分平氏に時間が割かれる状況となりました。おそらくこの構成は最後まで続いていくことになるような気がします。

まず登場したのは京の鞍馬寺にいる源義朝の子である遮那王。常盤御前との約束だからとこの場所にやって来て、そのまま僧になるつもりだったとのこと。お寺の住職は義朝のことを話したがっていたのですが、常磐御前からみると全くの迷惑で、ここに連れてきた意味を全くわかっていないとこいうことになっています。将来平氏を恨んで自分の命を失うことになってしまうということを危惧してのことだったのですが、歴史の上から見るとそのようになってしまうのでした。

話の流れ的には、このお寺の住職が遮那王に話すのではないかとみられますが、これがなかったらまた違った歴史が待っていたことになります。その時々では残酷なことであっても、時間が経過したときに時のつながりが変わってしまう不思議さが歴史の面白さではないでしょうか。この時遮那王が僧のまま終わっていたら、どうなっていたのでしょうか。

源氏の話としてはさらに頼朝の方にもスポットライトが当てられます。北条政子との出会いは果たしたのですが、まだまだお互いのことを知るのは先になりそうです。政子の父親がブロックをかけていましたが、それも時間の問題でしょう。その出会いを果たしたとき、頼朝はどのように復帰することになるのか見物です。

平氏に関しては、題名にもありますが完全に清盛の存在が大きすぎて重盛もどうしていいのか分からない状況にあります。清盛だって忠盛の影響力に負けそうになりながらも、武門を率いて一人前になって行ったのですが、重盛はその壁が大きすぎたのでしょうか。

周囲に信頼されるようになるのは時間がかかります。その時間がものすごく早く過ぎていて、清盛のときのようにもう少しだけゆっくり見守ってあげようと思ってしまうのですが、作者は重盛の求心力のなさを強調したいのかもしれません。それを示す出来事を今回だけでも複数回用意しています。

清盛も重盛に家督を譲るのであれば、もう少し思っていることや方向性を示し、アドバイスをしてあげればいいのに、多くを語ろうとしないように見えます。重盛もものすごくツライ立場にあったことでしょう。比叡山、後白河法皇、藤原摂関家など数多くの難敵に自分なりの方向性をどのように指し示していくか、その独自性に注目したいと思います。

◆清盛紀行◆
広島県廿日市市
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平清盛 第35回「わが都、福原」

2012年9月 09日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回、とうとう清盛の目指す武士の世の中について明らかになります。これまでのらりくらりとしてなかなか明かさなかったのは、考えがまとまらなかったからなのか、単にタイミングを待っていたのか。いずれにせよ、今回は見逃すことのできない内容となりました。

それは、福原に博多のような大きな港をもつ街にして、ここを都と定める。それは平家の都であり、朝廷の枠組みを超え平家一門の力で、貿易で得た富で国を豊かにする政治をおこない、そして武士の世をつくるとのこと。一門でのみ繁栄を築くという辺りはまだまだ時代が追いついていない感じはありますが、言っていることは現代にも十分に通じるもの。

そのために、頼盛の存在は欠かせないものであると清盛はいいます。途中まで摂関家の言いなりになっていて、どこかで見たことがあるような裏切りにあうのではないかとヒヤヒヤしたものですが、今回は清盛が最後に上手く頼盛を救った形になりました。

今回は、それ以外にも頼朝あたりの状況にも上手く触れており、北条政子が登場し今回最後の最後で接触することに成功します。次回以降は結びつきを強めることになりそうです。

さらに朝廷では、後白河上皇が「今に見ておれ」と野望を燃やしている状況が続いていますが、どのように権力を自分のもとにたぐり寄せるのかがイマイチ分からないまま、上皇による指示が飛んでいたりしてよく分からない指示体系になっているので、もう少しわかりやすく説明が必要なところと言えるでしょう。

次回は、山法師もより存在感を強めて抵抗し、これにすごろくと賀茂川の水が登場したら白河法皇の手に負えない3セットのコンプリートです。どうなるか期待して待ちたいと思います。

◆清盛紀行◆
兵庫県神戸市
 - 平清盛像
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平清盛 第34回「白河院の伝言」

2012年9月 02日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

この時代において大病を治すためには、祈るしかないというのがセオリーのようで、この物語のなかでも「宋の薬を用意せよ」となって、手に入らないとなると祈祷をするという流れをいくつもみることができるでしょう。その中で今回は、主人公である清盛が張本人となりました。

たった40分程度のなかで様々な要素を盛り込んでいかなければならないので、非常に大変なのですが、今回も先ほど話の出た清盛の危篤、頼朝の状況、王家といつも通りのラインナップを流さないといけません。なんとなく一つ一つの内容が薄くなってしまった印象を持ちましたが、それでも多くの人に伝えるためにはやむを得なかったのかもしれません。

清盛が危篤になったことによって、これまで隠されていた人々の本当の思いを知ることができたのは大きかったと思います。まずは後白河上皇。実は清盛の鋭い挑発的な視線によって、自分の存在価値と生きる楽しさを得ていたことがわかります。憎まれ口をたたきながらも、清盛のことが好きであったということは改めて分かります。

そしてもう1人が、重盛を取り巻く平氏の人々。盛国のように清盛がいなくなったら自分の生きる意味はないと潔い人もいる一方で、時忠や宗盛のように棟梁という立場に思いを持っている人も登場し、このような状況が平氏の中で不信感となって蓄積されていきます。このような状況は、少しずつ平氏の内部分裂を引き起こすことになるというフラグを今、ここでたてているのかもしれません。

肝心の清盛の危篤シーンですが、内容としてはほとんど割愛してもよかったものでした。視聴者にとって白河院、舞子、忠盛などのやりとりはすべて知っているものでありましたが、清盛が心の中でそれを反芻する形で生還を果たすという内容で、新しい情報はほとんどなかったと考えられます。

といっても、危篤状況から生還を果たしたのは大河ドラマの中であまり多くなく、清盛くらいしか記憶にない状況でした。周辺のキャストも若いままでとても50代には見えません。もうすこし清盛のやりたいことが描かれるということで安心して次回以降も見ることができそうです。

◆清盛紀行◆
兵庫県たつの市
 - 室津港
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