あしたまにあーな

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花燃ゆ 第27回「妻のたたかい」

2015年7月 06日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

蛤御門の変がとうとう始まります。この戦を近年では薩摩側、会津側からも見ているので、長州側からどのような描写がされるのかもの凄く楽しみにしていました。ところが登場したのは久坂玄瑞とその周辺メンバーのみで、来島又兵衛は登場後数分で薩摩の西郷率いる兵に討たれてなくなってしまいます。期待していただけにそのギャップにしばらくついて行けませんでした。

薩摩や会津には御所を守るという大義名分があり、それを守るためにどれだけ苦労してきたか過去の大河ドラマで知っていたのですが、今回の長州に関してはほとんど来島又兵衛の独走だけが表現されていて、それを抑えることができない久坂も結果的には鷹司邸に武力で押し入り、要求を伝えるという荒技に出ています。これは交渉とは言わず、完全に脅しの世界です。本当に長州の人々はこんなことを望んでいたのでしょうか。きっとそうでは無かったと思います。

なんとか立ち直りかけていたところに、今度は文が奥に入るという話。ここも完全に唐突すぎて自分はついていくことが出来ませんでした。久坂家も断絶し久米次郎も小田村に返されることになって悲しい気持ちなのは理解しますが、それが奥に入ることとどういう関係があるのかがイマイチ繋がりません。

物語のなかでは偉くなって直接お殿様になぜ罪亡き人が死んでいったのか聞くのだといっていましたが、悲しみの果てにある人がそのようなことを考えるのか、そして過去に砲台建設でさらりと顔を合わした程度の人物のことを取り立てることがあるのか、様々なはてなマークを打ち消すことが出来ないまま物語は終了。もの凄い消化不良に終わった内容となりました。

次回からは奥編ということですが、何を楽しみにしていったらいいのか分からない状況なので、それを探していきたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
京都府京都市
 - 鷹司邸跡

花燃ゆ 第26回「夫の約束」

2015年7月 01日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

このドラマを見ていて常に感じるのは、文を中心に描くことによる大河ドラマ感の欠如と、歴史を中心に描くことによる主人公の存在感の欠如。そのどちらに軸足を持ってくるかというところに難しさがあると思っています。前回は池田屋事件の出来事が大きく、文の言動は久坂の死を予感させるような振る舞いがあるにとどまった印象がありますが、今回も見ている最中は数多く登場しているにも関わらず、印象として残っているのはどうしても来島又兵衛の進撃を止めることが出来なかった久坂たちの苦悩といった表舞台でした。

来島又兵衛のような自分の信念を強く持っていて、突進するような人に対して久坂のように理路整然と説得をしても残念ながら届かないことが想像は出来ていました。久坂がいうように、この戦はなんのために行うのか、長州が再び表舞台で活躍するためには、御所に進軍することはあってはならないことであると誰もが感じることなのですが、当時の長州は力でなんとかなると思っていたのかもしれません。前夜の最高会議で長州としての意志が決定された後は、久坂も決定に従い進軍を行います。

現代においても声の大きい人の意見が通るということは数多くありますが、それが死に直結するということはあり得ません。そう考えるとこの時代の人々よりもローリスクであると思われますが、当時はハイリスクであってもその結果上手くいけば世の中に英雄として名前を残すことができるというハイリターンの世界でもあります。どっちがいい世界なのかはわかりませんが。

主人公の文は夫の帰りを待つために新しい住まいを探し、杉家を出て行くことになります。その時に両親に感謝の言葉を述べながら温かいホームドラマになり涙を誘う演出でしたが、今回の流れが禁門の変の前段階という歴史の表舞台が中心であったため、唐突感が否めなく残念ながら自分は冷静に眺めていました。きっと次回以降も軸足をどこに持って行くのか難しい局面が続くと思いますが、とうとう禁門の変が起こる次回は全編で久坂の生き様を追ってもいいのではないでしょうか。

◆花燃ゆ紀行◆
京都府八幡市
 - 石清水八幡宮

花燃ゆ 第25回「風になる友」

2015年6月 21日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

時代の流れのなかで主流ではなくなってしまった長州のなかで高杉や小田村もほんの少し前までの重役から大きく後退することになります。高杉はおなじみの野山獄に、小田村は長崎に左遷させられてしまうのですが、今回はこの2人の心の持ちようには大きな差が出たように感じます。高杉は野山獄のなかで寅次郎と同じ獄に入れられながらも半分腐りかけてしまうのですが、小田村は違いました。

長崎で商人を相手に苦労しながらも常に藩のことを考え、どんな場所にいようとも自分が今すべき事を全力でするのだと断言します。この辺りの考え方は現代にも通用する話であり自分も忘れないようにしないといけないと感じました。ただ高杉も歴史上に名を残す人物だけにここで終わるわけがありません。次回以降どのように復活していくのか楽しみにしたいとおもいます。

久坂家では、久々の平穏な時間が過ぎていました。養子に来た久米次郎もはじめは寿のそばを離れたくなく、「いとまをいただきます」という置き手紙をして家出までしてしまう始末。そこで話しかけた男性、今の時代なら変質者の疑いもあるだけにドキドキしましたが、それが久坂でした。どうも妙な演出をしたものだと思ってしまいますが、家族が出会うということを示したかったのでしょう。

しかし、それも池田屋事件によって崩されてしまうことになります。京への出発の前の夜のシーンは実に10分程度にわたって文と久坂の将来の夢物語を語り合うというものでしたが、完全にこれは成し遂げられないというフラグであることは見ている者すべてが分かってしまう程でした。きっとこの辺りで涙をさそっていたのかもしれませんが、久坂もいろいろあった人なので複雑だと感じてしまった人もいるのではないでしょうか。

次回は、いよいよ久坂にとっては最後の戦いが始まる模様です。主役級が亡くなっても物語として持ちこたえることができるかどうか見て行きたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
京都府京都市
 - 池田屋騒動之址碑