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木材を乾燥させる秘密

2010年2月 23日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

木造の建物は時間が経つにつれて徐々に木材にひびが入ったり、変形してしまうことによってゆがんでしまうことがあります。木という自然のものを利用している以上コンクリートよりもそうなってしまうのは仕方ない面もありますが、その多くは木材の段階での乾燥方法にも要因があるのです。

木材の乾燥は人工で行なわれることが多く、100度以上の高温で一気に乾燥させます。早く乾燥させることができる反面、乾燥の段階で多くの油分が流れ出てしまうためにパサパサした状態になりがちです。その結果として上で紹介したようなヒビなどが生じてしまうのです。特に日本の人工林の半分以上を占めるスギは乾燥するのが難しい木材のひとつで施工後にゆがんでしまうこともあるため、使われにくい状況もあります。

このように、木材を乾燥させるということは全行程の中で重要なポジションを占めている非常に大切な作業なのです。その工程には昔から職人たちの手によって伝えられてきた伝統的な乾燥方法の他に新しい乾燥方法も登場し、今密かに充実してきています。今回はそんな木材の乾燥法という日常生活ではあまり利用しませんが、将来住宅を建てる際などで使える情報を紹介したいと思います。

◆池に眠る木材
滋賀県のとある池にはヒノキの丸太が大量に浮かんでいます。一見乾燥することと正反対のように見えますが、これも水中乾燥という昔から伝わる乾燥方法で、1年ほど水につけてから引き揚げ、さらに半年から1年程度置いておきます。

これは、一度水につけることによって丸太の中に含まれる樹液をはき出させ、代わりに水分が入り込みます。こうすることによって池から引き揚げた際に内部の水が早く均一に抜けてくれるというのです。この水中乾燥によってムラなく乾くことになるので割れにくい木材ができあがり、樹木の油分が適度に残ることから色やつや、香りがいい木材に仕上がるのだそうです。この乾燥方法は伊勢神宮に使用する木材にも利用する昔からの方法だといいます。

◆気持ちよく汗を流す木材
アイ・ケイ・ケイの伊藤好則会長が開発した新しい木材乾燥法が「愛工房」という商品に取り入れられています。上でも紹介しましたが、100度以上の高温で一気に乾燥させるのではなく、45度程度の低温で乾燥させます。しかも驚くことに80度だと1週間はかかっていたとある材木の乾燥時間が、45度だと3日で済んだというのです。伊藤さんは、スギの気持ちになって無理矢理汗を搾り取るのではなく、自然に気持ちよく汗を流してもらうと表現しています。すごくわかわりやすいですし、第一木材への愛情を感じます。

このように、木材の乾燥方法は長い年月をかけて語り継がれるものもあれば、新しく生まれるものもあります。どちらにも共通していえることは効率的に早さを追求したシステムオートメーションでは為し得ない商品となることにあるでしょう。よいモノは手間を掛けてじっくりと作られていきます。その中で木材とのコミュニケーションをしっかりととることが出来たとき、自然からの大きなプレゼントを得ることができるのです。そんな木材で建てた家に住むことができたのなら、こんな幸せなことはないのではないでしょうか。「乾燥」も奥が深い世界なのです。

【参考】日経マガジン 2010年2月

木材乾燥のすべて 木材乾燥のすべて
(2006/01)
寺沢 真

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「ウォームビズ絶滅の危機」の要因は?

2010年1月 30日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

2005年に環境省がクールビズの秋冬版として発表した「ウォーム・ビズ」は、室温を20度前後に設定し、それによって感じる肌寒さを暖かい服装によってカバーする活動です。活動の開始から5年近くを迎え企業の認知度は確実に高まり、実際に室温を20度に設定しているという企業の割合も昨年度は56%と伸びつつあることが分かります。(チームマイナス6%のwebページより)

しかし、企業の活動が活発になりウォーム・ビズ活動に参加している企業が増えているにも関わらず、ウォーム・ビズ用の衣類として期待されていたセーターやベストといった衣類の販売商戦は消えかかっているというのです。クール・ビズ関連商品の売り上げとは対照的にウォーム・ビズ関連商品の売れ行きが悪くなっている背景としてその認知度以上にある商品の爆発的な売れ行きが影響を及ぼしていたのです。

それが、ユニクロの「ヒートテック」を代表とする発熱・保湿下着の登場です。昨年はユニクロのヒートテックは販売開始から手に入りにくい状況が続き、希望する消費者に行き渡ることがなかったため顕在化しませんでしたが、今年はその販売量が激増し、需要を満足するだけの供給を行っただけでなく、ヒートテックの関連商品も下着メーカーやスーパーのプライベートブランドとして、多くの製品が世に出回りました。その結果上位5社で発売する保温下着だけで6400万枚もの販売量を今年見込んでいます。

これらの機能性下着の多くが2000円以下で購入することができる安価な価格であることや、1枚着ていればその上にさらにセーターやベストといった衣類を着込まなくても十分温かいという機能性から、本来ウォーム・ビズ商品として期待されたセーターやベストの売れ行きが大幅に下がってしまったのです。一部セーターやベストと機能性下着を共に扱っているところは売り上げとしては一長一短ですが、多くのアパレルメーカーウォーム・ビズの恩恵を受けることなく厳しい戦いを強いられているのが現状です。

こういった動きも本来のウォーム・ビズ活動として考えてみると大成功といえると思います。消費者はより安く温かい商品でかつファッション性に優れるものを探し求めています。自分の会社ではスーツにYシャツでなければならないというものはなく比較的自由な服装ですが、なかにはセーターを着るのに抵抗を感じてしまう人もいるでしょう。そういった人にとっても機能性下着であれば暖かさを感じつつも見た目はいつもと同じなので抵抗は少ないでしょう。そういったサラリーマン心理も生じているのかもしれません。

こういった流れに対してウォーム・ビズそのものの運動を鈍化させてしまうのではなく、新しい需要であると気持ちを切り替えて消費者の目に立った新たなウォーム・ビズ商品の開発をアパレルメーカーには期待したいと思います。

【参考】日本経済新聞 2010/01/29


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街の小川の力で街灯がともる時

2010年1月 20日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

群馬県前橋市の水深10センチメートルにも満たない小川から今、日本に1つの環境対策が発信されています。そこには小川の水流を利用した小型発電装置が取り付けられており、商店街の街灯をともすための電力源になっているのです。この小型発電装置は東京にあるシーベルインターナショナル社が製造した流水式小水力発電機というもので、流れる水を効率よく集めて水位差がなくてもタービンを回すことができ、今までのように大きな水位差がなくても発電することができるという点が画期的な装置であるといえます。

日本には、大きな川にダムを造ることに対して世の中の流れとしては厳しい状況になりつつあります。大きなダムを造り出すのに多額の費用が掛かることに加えその完成までの期間も長期に渡ってしまいます。またダムを造ることができる場所も限られることから、よりコンパクトで最大限の効果を得ることができる発電装置の登場が社会的に求められていたという背景もあるのだと思います。

発電機が出力することができる発電量は500ワットのものから最大40キロワットまで出力することができるものまであり、様々な水路に導入することができその用途も街路灯からもっと多くの電力を必要とするものまで適用することができるのではないかと見られています。また、今話題の太陽光発電よりも5?6倍もの発電量を見込むことができ天候に左右されにくいという観点からも、他の自治体や海外から大きな注目を浴びているのです。現在の課題は、流れてきたゴミなどが発電機のタービンに絡まって動かなくなってしまうことがあるので、より汎用的に利用することができるかどうかが今後のポイントとなりそうです。

このように、自然環境をうまく利用したコンパクトな製品は地域の中に導入しやすく、導入することによって環境対策への意識もより高めることができるというメリットがあります。大きな設備を作らないと発電ができないというこれまでの固定概念を根本から覆す画期的な商品といえるでしょう。他にも海が近いところでは干満や波の力で発電させる装置ということも考えられると思います。こうした設備が至る所に設置され、スマートグリッドの仕組みが機能したとき日本のエネルギー政策はより地球に優しい方向へと転換点を迎えるかもしれません。

【参考】日本経済新聞 2010/01/18

水の恵みを電気に!小型水力発電実践記―手作り発電を楽しむ (サイエンス・シリーズ) 水の恵みを電気に!小型水力発電実践記―手作り発電を楽しむ (サイエンス・シリーズ)
(2006/02)
川上 博

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