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食料と競合しない「日本型」バイオ燃料に向けて

2008年3月 21日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →



前からすごく思っていたことで、ブログにも度々紹介していましたが、バイオ燃料に食料を使うことは価格の高騰を招くにも関わらず、相変わらず各地で食料を原料としたバイオ燃料の開発が進められていて税金が使われている例もあったりします。

そのことにようやく気がついたのか、若林正俊農相は以下のように発言しました。

「食料供給と競合しないバイオ燃料の生産拡大が大事という視点を、北海道洞爺湖サミットの中で議論してもらいたい」

素晴らしい考え方だと思います。トウモロコシなどを原料とする米国などのバイオ燃料増産で穀物価格が高騰し、食料供給にも影響が出ているため、稲わらや木材などセルロース(繊維質)系の原料を使う方式を「日本型」として発信する狙いだと考えられます。

日本はバイオ燃料の生産実績が極めて少なく、セルロース系原料の研究も進め、長期的にはそちらを主力にする方針を今後も推し進めていってもらい、行く行くは原材料が無限にあるような海水などを利用したバイオ燃料を開発して欲しいと思います。

【参考】毎日.jp
http://www.mainichi.jp/select/science/news/20080322k0000m010060000c.html

グーグルアースが守った森

2008年3月 16日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →


Google Earthをご存じですか?

パソコン上にインストールして使用するもので、画面一杯に世界の詳細な画像が広がっています。地球上のあらゆる場所を見ることができ、気球全体の画像から徐々に対象の場所へクローズアップしていく姿は吸い込まれていくかのような錯覚に陥ることもあります。

こんな素晴らしいサービスが全て無料で利用できるのが驚きですが、今日はそのGoogle Earthが地球を救ったお話です。

Google Earthを開発したGoogleはアメリカのシリコンバレーに本社を置くインターネット系大企業ですが、その勤務体系はユニークです。オフィスではビリヤードをやっている人がいたり、自分のデスクを好きなもので埋めたりしていてとても日本の企業ではあり得ないような雰囲気です。

「20%ルール」というものがあり、勤務時間の20%を自由に使えるという不思議な規則もあります。これを使って、太陽光パネルの実験を20%ルールの時間に割り当てることで本業になった人もいます。この規則によって、次々と新しい発想が生まれているのです。

そのGoogleが提供を始めたGoogle Earthは、始めは普通の地図ソフトだったのですが、outreachと呼ばれるプログラムによって、環境団体をはじめとする非営利団体が積極的に利用しやすい環境を整えました。

このプログラムを使って、チンパンジーの保護活動や森林保護活動の支援に役立っています。中でも森林保護の観点では、世界中で起こっている環境変化をGoogle Earthによって把握することができるようになりました。

その一例をご紹介しましょう。

Google本社の南に広がるサンタクルーズ山脈。そこには樹齢1000年を超えるセコイアの巨木が数多く残る貴重な森が広がっていました。そこに、水道会社によって森林を伐採して開発を行う計画があがりました。

Google Earth開発者の一人であるレベッカさんは、この問題をGoogle Earthを使って解決しようと立ち上がりました。2500エーカー以上のセコイアの森は伐採禁止とされていたのがカルフォルニア州の法律から、当時地図ソフトでしかなかったGoogle Earthを使って、伐採対象面積が2750エーカーに上ることが示され、森林伐採計画を中止させることに成功したのです。こうして貴重なセコイアの巨木が生息するサンタクルーズの森が守られました。

パソコンから地球が守られたという新しい形がここにあります。

Google Earth、それは地球の健康状態を測る内視鏡の役割を果たしているのです。

Google Earth で地球を旅するガイドブック
(2006/10/18)
郡司 裕之

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エコラベルの落とし穴

2008年3月 09日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

古紙

今年の初め、大手製紙会社から次々と古紙再生紙の偽装が次々と明らかになりました。業界では随分前から再生紙の方が値段が高いのは当たり前となっていた問題で、「エコ偽装」という名前まで登場しました。

東京大学名誉教授の安井至は、古紙回収、ゴミ分別など環境対策を積極的に行う人が多くなってきたにも関わらず、それが萎えてしまうという危険性をはらんだ重大な問題だと警告を発します。

では、製紙会社はこのような偽装をしてしまったのでしょうか。もちろん経済活動として原価の安いものを使う必要があったという事もありますが、もっと大きな問題がありました。

作った紙を大量に消費する官公庁や企業では、エコマークでないものは全く売れないのです。このエコマークはエコラベルのひとつで、日本環境協会が発行しています。このようなエコラベルは日本国内に90種類以上存在しています。紙を使う企業にとってエコを意識するのはもはや当たり前の事実となっていることから、製紙会社も環境対策をしている紙を提供せざるを得なかったのです。

このエコマークを発行する日本環境協会も、バンバンエコマークを出していたのでしょうか。境界の人によると、メーカに毎日分析期間があるので、それを信頼してエコマークを出していたとのこと。これでは全く意味を成しているとは言えません。

では、そのような偽装問題を引き起こした日本製紙連合会の会長がなんと言っているかというと、「環境に対して言うと、炭酸ガスの産出量については新規に作った方が断然低い。だから古紙を使わなかったからといって環境に負荷を与えたとは言えない」

すでに当事者意識も全くありません。コストが高いのであればそれを安くしようとすることが企業努力であって、それによってよりよい技術が生み出されていくのではないでしょうか。

環境偽装によって余分に1年間に使用された木材の数は、森林面積は東京ドーム485個分にものぼると言います。これでも環境に負荷を与えたと言えないと言えるのでしょうか。全く謎です。

また、ペットボトルのリサイクルもよく行われていますが、その多くが中国に輸出されます。リサイクル法では日本でリサイクルすることとしていますが、中国ではその輸入したペットボトルをぬいぐるみの中綿として利用しているのです。

そのぬいぐるみの多くはゲームセンターにあるクレーンゲームの商品として利用されています。

民間レベルでは、紙コップを減らしたり、会議で使う資料を電子化したり、ビンのデポジット化を進めたりして有限の紙を大切に使う活動が始まっています。

にもかかわらず、一部の心ない大企業によってエコ活動全般が悪いイメージになったり、効果を水の泡にしている、そんな切ない状況が今なんじゃないでしょうか。一人一人の小さいけど決意に溢れたエコ活動も、簡単に企業によって踏みにじられているのです。

今一度、ライフスタイルを見直すいい機会なのかもしれません。

複雑現象を量る―紙リサイクル社会の調査
(2001/09)
羽生 和紀、岸野 洋久 他

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