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バイオ燃料を使うときに注意すべきこと

2009年3月 25日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

環境対策に積極的な対策が採られつつある今、自分たちの身の回りでわかりやすい対策の一つが、トウモロコシやサトウキビなどから獲れるバイオ燃料の利用ではないでしょうか。日本でも徐々にではありますがバイオ燃料の利用が進みつつあります。

その流れに逆行するかのように、京都市交通局はこれまで行っていたバイオディーゼル燃料を100%使った市バスの実用化を断念することにしました。使用済みの天ぷら油から精製した100%バイオ燃料をごみ収集車に使い、市バスは軽油に5%混ぜて実験をしていたのですが、市バスではバイオ燃料がエンジンオイルなどに染み出す不具合が判明し、運行を続ければエンジンが故障する可能性が高いとして実験を取りやめたそうです。

同様な事象は、兵庫県姫路市の運送会社でも行っていて、集荷作業中にエンジンがかからなくなったそうです。バイオディーゼル燃料に含まれる不純物で燃料フィルターが詰まり、燃料が供給されなくなったのが原因だとされています。

このように使用済みの油から作ったバイオ燃料を使用することによって、燃料フィルター部分に不純物が溜まってしまうのであれば、使用済みなのが問題なのではという考え方もできます。

独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のレポートによると、バイオディーゼルには燃料に含まれるバイオディーゼルの量に応じた溶剤効果があるといいます。これにより燃料システムをきれいにし、過去のディーゼル使用により燃料タンクの壁やパイプに溜まった付着物を取り除くこともあるというのです。

始めに普通のディーゼル燃料を使っていた自動車が、ある日からバイオディーゼル燃料を使い出すことによって、これまでついていた付着物が剥がれていきます。その剥がれ落ちた付着物がフィルターに詰まってしまい、結果としてエンジン停止にまでなってしまうのです。なので、一度詰まった燃料フィルターを積極的にチェック、交換することで付着物をとれることから、それ以降は問題なく使えることになります。

始めから100%のバイオ燃料を使うことはないと思うので、定期的な燃料フィルターの点検が必要ですね。大事故につながる危険性をもった非常に大きな問題であることから、改めて安全で安いバイオ燃料の登場が求められます。

【参考】
・NEDO http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1026/1026-06.pdf
・Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090323-00000019-kyt-l26

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井熊 均バイオエネルギーチーム

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世界初!超低空の流氷

2009年3月 23日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

流氷

見慣れている風景も鳥の視線から見ると少し違うことを以前、東京という街を撮影したフランス人エア・フォトグラファーであるヤン・アルテュス・ベルトランさんから教わりました。いつもの風景なんですがそこには自分たちが見たことない違った側面を持っていて、それは実に美しいのです。

そんな空から見た地球のすばらしさの虜になった一人の日本人がいます。それがエア・フォトグラファーの多胡光純さん、34歳です。多胡さんはタクラマカン砂漠で一気に高度を上げたときに目の前に広がってきたのがどこまでも続く砂の海に感動し、その後被写体を求めて世界中を飛び回りました。アメリカのツィンギ、モンゴルの大平原、マダガスカルのバオバブ並木などこれまでに撮影した場所は100箇所にのぼります。

多胡さんは、大学時代は探検部に所属しその後写真撮影に目覚めカナダへ行ったときのこと。何気なく登った丘に心打たれたそうです。目の前に広がる風景、その瞬間を写真に撮りたいと強く願うようになったのが、エア・フォトグラファーになろうと思ったきっかけでした。

そんな多胡さんが次に目標に掲げたのが、北海道の知床半島に接岸する流氷を超低空で撮影することでした。実は知床の秋の風景を撮影していた多胡さんは、地元の方に知床の本当の姿は冬にあると教えられ、いつしかその映像を撮りたいと願うようになったそうです。

モーターパラグライダーは、200ccの排気量で満タンにして約2時間の飛行が可能です。平均時速は約30kmで、風速3m以下でないとカメラが揺れてしまい絵にならないため、撮影できない繊細な職人技が求められます。

何日も知床の天気が良くなる日を待ちながら、とうとう絶好の日がやってきます。多胡さんは満を持して大空へ飛び立ちます。映像は、流氷というこれまでのイメージを根底から覆すほどの迫力で、眼前に迫ってくるものでした。見ている自分もこれまで「静」というイメージがあった流氷が、激しくぶつかり合い大きなうねりを伴って迫ってくる「動」を感じ、しばし見入ってしまうほどの映像です。

帰ってきた多胡さんの第一声は「言葉にならない」でした。さらに「まず飲込まれそうになった。一つとして同じ形がない氷が知床に来ていることが分かった」と興奮を隠しきれません。

今年2009年の流氷接岸は2月19日。過去2番目に遅くやってきた流氷は、年々その量も減っているといいます。同じ流氷がこの先、みられるとも限らないのです。今地球がどうなっているんだろうということを記録したい、それを見て欲しい、感じて欲しい、それが何かの芽になればいい、何かのきっかけになればいいと多胡さんは話します。

自分たちは、この素敵な流氷の姿を後世の人々にも伝え、そして守っていく必要があるんですよね。そのことを多胡さんは映像を通して伝えているのかもしれません。それは、直接伝えるのではなく、今ここにある地球が、日本が素晴らしいんだということを伝えることにとって自分たちに理解させるという最高の形で。

多胡さんはすでに次の目標に向かって走っています。それは山形・蔵王で樹氷を撮影すること。多胡さんの挑戦はこれからも続きます。

【参考】素敵な宇宙船地球号 3月22日

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ベトナム発ドブ川再生大作戦

2009年3月 16日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

水質浄化プロジェクト

日本からおよそ3600km離れたベトナム社会主義共和国

その首都ハノイは急激な経済発展に伴い、その人口はここ10年で2倍以上にも増加しています。人が多くなってくると社会問題として発生しやすいのがゴミ問題です。以前このブログでも紹介させていただきましたが、シンガポールやセブ島、ベナン共和国などでは、人々が捨てるゴミが街中を覆い尽くし、景観を悪くするだけでなく多くの疫病の発生源となってしまう危険性もあるのです。

ハノイでも同様の事象が発生していて、ここ数十年ゴミ集めに来たことがないといった申告や、洗い物などの生活排水がそのまま流れていて強烈な悪臭が辺りに漂う状況に陥ってしまっています。

そこで、2人の名人を中心にハノイの川を再生させるプロジェクトを発足させました。一人目は、NPO法人とよあしはらの事務局長である山本裕隆さん、彼は以前木炭入りの筏作りを提案し、その上で葦などの植物を自生させることによって、水を浄化する施策の立案者です。もう一人は、NPO法人印旛野菜いかだの会の理事長である美島康男さん。早速彼らはハノイに向かいます。

トーリック川に注ぐ名もない川が今回のプロジェクトの場所です。この川で浄化の方法を模索し今後の可能性を探る実験を行うことを目的とします。現状調査としてまず行ったのが水の透明度調査です。その結果9.5cmとものすごく悪い結果となりました。さらに深刻なのがリンの濃度です。リンは生活排水に含まれ、川の富栄養化を促進してしまう物質の一つです。

早速プロジェクト開始です。まず美島さんが目を付けたのが街の食堂にあった空心菜。最近日本でもよく食べられる食品です。美島さんは千葉県印旛沼を空心菜を使ってきれいにしていたのです。空心菜を筏に乗せて栽培すると、林野有機物の汚れを根っこから吸い上げてくれるのです。

一方山本さんは、トーリック川に入り川底から大量のメタンガスが吹き出してくるのも構わず調査を続けます。辺りには変な人を見るかのような住民がいるのですが、一緒になって川をきれいにしようという気持ちが大切だと山本さんは語ります。そこで、山本さんが訪ねたのは近くの小学校。子供たちに川の大切さを教えて欲しいと訴えます。ゴミを捨てる人がいたとしても、それを拾っている姿を見せることによって段々と捨てる人は少なくなってくるといいます。

ベトナムの人は花が大好きであることを山本さんは感じていました。うまくこういた花を浮島に飾り付け、その他葦なども植え付けて、川へと投入するときがやってきました。美島さんの空心菜のいかだも川に浮いています。

ベトナム環境省の人も定期的にメンテナンスしてくれています。住民たちが一致団結して川をきれいにしようとする気持ちが、水の都ハノイを復活させる第一歩なのです。その試みが今始まろうとしています。

【参考】素敵な宇宙船地球号 3月15日


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