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次世代送電網スマートグリッドの威力

2009年5月 27日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

スマートグリッド

自分たちの身の回りでも発電が非常に身近な存在になりつつあります。それを可能にしたのがなんといっても太陽光発電ではないでしょうか。家庭に取り付けることによって補助金も出るし、発電を行いあまった電力を売ることもできることからお得感が広まり徐々に普及しつつあります。

そんな電力供給の現場では、今ひとつの新しい技術が期待されていることをご存じでしょうか。その名も「スマートグリッド」。名前を聞いただけではよく分からないのですが、電力の流れを供給と需要それぞれの立場から制御する次世代送電網なんです。

まず電力の供給者としては、原子力発電や火力発電といった既存の発電設備の他に、風力発電や各家庭からの太陽光発電、それを蓄積しておくための蓄電池などがあります。普段風力発電や太陽光発電によって得たエネルギーは蓄電池に貯めておき、夏場など電力の需要が高まってくると蓄電池に充電していた電力を放出し供給します。全体の需要と供給をシステムとして制御することによって、効率的に電力消費を行うことができるようになるため、CO2削減効果も高いとされています。

それだけではありません。このスマートグリッドは電力の供給だけでなく、需要つまり自分たちの家庭にまでその制御は及ぶ構想なのです。電力需要が一定水準を超えると自動的に家庭のエアコンの設定温度を上げることもできるようになるというのですから驚きます。そのためには、専用に機器を用意する必要があるのですが、エアコンの温度をいきなり上げられたら少し悲しい気分になってしまうので、できたら自主的にやりたいとは思うのですが、企業や工場など法人ユーザからの利用が見込めるでしょう。

このスマートグリッドについては、本格的に検討が始まったばかりの段階ではありますが、利用者がお得に電力を使うことができて、さらに環境にも優しい効率的なエネルギー社会を作ることができるのなら、スマートグリッドは環境対策の救世主となるかもしれません。

【参考】日本経済新聞 2009年5月25日

次世代環境ビジネス―成長を導き出す7つの戦略 次世代環境ビジネス―成長を導き出す7つの戦略
(2009/01)
尾崎 弘之

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日本の環境対策を世界へ

2009年5月 25日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

オバマ大統領は、これまでのブッシュ政権のように経済最優先の政策から環境に配慮するというグリーン・ニューディール政策を発表しました。この演説の中で話題に上がったのが日本のハイブリッドカー技術でした。その筆頭であるトヨタのプリウスは世界で180万台以上を売り上げる大人気エコカーで、プリウスの効果によって、東京都の10倍分の面積の植林と同程度のCO2削減効果があったとされています。

プリウスだけでなく、日本には世界に誇るべき多くの環境技術が存在します。そこで今回はそのような日本の技術を衣食住という観点から再認識し、それを世界へ紹介していきたいと思います。

◆衣
これまで綿花を作るのに大量の農薬が必要となり、土壌汚染の源になっていました。そこでこの問題を解決するために登場するのが竹です。トーマス・エジソンがフィラメントに日本の竹を使ったというほど日本の竹は昔から取り上げられてきました。この竹から作られた竹繊維が今、注目を浴びています。以下に竹繊維の作り方について簡単に示します。1. 竹をチップ状に砕く
2. 煮詰めて不純物を取り除く
3. 糸状に編み上げる
綿繊維と比べて、竹繊維の吸水性は驚くほど高く、これを着ると不思議なことに心がリラックスして体がゆるむそうです。繊維の他に竹をメガネや大型テレビのスピーカーの振動板にも使われています。

◆食
広島にある農業技術センターでイチゴの生産量を高めるために参考にしたのが、京都の枯山水でした。床を白い布で覆って1日に一度棚を一回転させることによってまんべんなく日光を浴びせるようにした結果、生産量を高めることに成功したのです。

また、アメリカ人が好きなビーフステーキ。この原料である牛は1日に400リットルもの大量のメタンガスをゲップという形で発生させています。このメタンガスは温暖化の原因ともなるガスで、大気中の4分の1ものメタンガスが牛のゲップが発生源といわれています。
この牛のゲップをアミノ酸で解決できることを帯広畜産大学の高橋教授が示しました。アミノ酸の一種システインを牛の餌に混ぜることによって、通常の6分の1程度にまでメタンガスの発生量を抑えることができるようになったのです。

北海道鹿追町にある環境保全センターでは、糞尿を発酵させそこからメタンガスを取り出し発電に利用しています。これにより、1日あたり4000kwもの電力を発生することに成功しており、糞尿は再度肥料として再利用しています。

◆住
東京・有明にあるパナソニックエコアイデアハウス。ここでは日本人が昔からやってきた伝統をテクノロジーを通じて実現している家を展示しています。
・温度差を利用した冷暖房
古くから町屋造りという仕組みが使われていました。坪庭を利用し、ふたつの庭が相互に日陰、日向になるように造られ、それによって風が生まれる仕組みを利用し冷暖房を実現したのです。また床下を通して外気を取り入れることによって、温度を調整しています。
・珪藻土
七輪などに使われている土で、外壁に利用することで部屋の湿度を調整してくれます。この土には無数の穴があり、湿気があるときには吸収し、そうでないときには放出する自然の調節機能があるのです。

このような日本が生み出した様々なエコ技術が、世界を変える日が来ることを切に願って止みません。そして日本は積極的に世界にアピールするだけでなく、持ち込んで実用化させるところまでサポートする体勢を構築して欲しいと思います。

【参考】素敵な宇宙船地球号 2009年5月24日


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厳選!こだわり食材を探せ!

2009年5月 18日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

トキワ養鶏場

日本の食糧自給率が40%台にまで減少し、海外に食料を依存する傾向が高まっている今、農業や漁業が衰退しつつあり、従事者も高齢化を迎えています。この状況に誰もが危機感を抱き始めています。

今回は、農産物流通コンサルタントである山本謙治さん(通称やまけんさん)の力を借りて、農業、漁業、養鶏業の観点から地球に優しい食材に向けた取り組みについて見ていきたいと思います。

◆農業
秋田県大潟村では、ギャル社長で有名な藤田志穂が「イケてる農業」と題して、渋谷のギャルに農業体験をしてもらい、食について考えるきっかけを提供するノギャルプロジェクトが始まっています。

今、日本では空前の農業ブームで都内の家庭菜園はどこも大人気で1年待ちという状況もざらではありません。そんな中世界遺産の一つである白川郷にあるトヨタ白川郷自然学校では、循環型農業に取り組んでいます。日本全国で至るところにある休耕田を利用し、堆肥を肥料として農作物を作成するのです。

◆漁業
神津島では、たくさん獲れるにも関わらず売り物にならない魚が数多くあるといいます。その一例がゴマサバ。市場に出すことができない最大の理由はその採算性にありました。運賃や梱包料金だけで赤字になってしまうのです。神津島では1キログラムあたり200円を超えないと採算がとれないそうです。このゴマサバは100円以下なので、大漁であっても捨てるしか選択肢がないのです。

そんな、捨てられている魚も非常においしく食べることができるにも関わらず自分たちが口にすることができないのはなんとも残念でなりません。何かいい方策があればいいのですが、非常に難しい問題です。

◆養鶏業
卵の自給率を下げているのは、エサである海外産の穀物類です。そんなエサで工夫しているところが青森県にありました。それがトキワ養鶏で卵の黄身の色が白いのです。その白い卵の秘密は、米をつかったエサにありました。海外からのエサに頼っている状況を変えないといけないと考えた結果、日本で独自に仕入れることができる穀物である米に着目したのです。休耕田となっていた土地で飼育米を栽培し、それをヒナの頃から鶏に与えます。

さらに、地面にはもみ殻ともみ殻を灰にしたものを混ぜて敷き詰めることにより、衛生面やニオイの面をクリアしています。また、もみ殻と鶏のフンがまた飼料米の肥料として利用されると言うことから、循環型農業を実現しているのです。色だけではなく、おこめをエサにした方がトウモロコシよりもうまみ成分が高いことが証明されていることからも今、注目を集めています。

今、身近なところで農業や漁業を見直そうという動きが始まっています。誰かが何かしてくれるという考え方ではなく、自分たちの食べ物は自分たちの手で守るという強い気持ちを持った人たちが今後増えることによって、自ずと食糧自給率は上がっていくのではないでしょうか。

【参考】素敵な宇宙船地球号 2009年5月17日


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