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八重の桜 第29回「鶴ヶ城開城」

2013年7月 21日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

人生というものは本当に紙一重の世界であるということを痛感させられます。補給路を奪還するために決死の思いで出陣していった権八さんは、無事に米俵をGETした帰りに銃弾に倒れます。しかし、その数日後には降伏という形で多くの藩士が命をつなぐことになるのです。歴史にタラレバは無用ですが、ここでもっと早く降伏を受け入れていたら、頼母の進言の場面で決断できていたら権八の命は救われたのです。

しかし、容保の決断はほんの少しだけ遅くなり、ついに降伏ということに。最後の命令である「生きよ」という言葉に家臣だけでなく自分もほんの少しだけうるっときてしまいます。自分が会津藩の最後といういうことに責任を感じる容保に対して、突然進言したのが八重でした。この場がどのようなメンツが集められたところなのか謎ではありますが、この集まりの中に八重がいたのがどうしてもわかりません。最後は八重の戦状況が認められ、男達に混じってこういった集まりにも呼ばれるようになったのでしょうか。

八重は、会津は逆賊ではない、何にも悪いことはしていない、というこれまでの持論を展開した上で、殿様も生きて欲しいと願い出ます。これに家臣も呼応し、雰囲気は一気にまとまった感じに移っていきます。この辺りが本当に歴史と一致するのか、それとも演出の一部なのかはわかりませんが、見ている側に演出なんだろうなと思わせてしまっているように感じます。たしかにこの場面は最も盛り上がるところではあるのですが。

籠城もむなしく、秋月の降伏嘆願が受け入れられ長い戦いに幕が下ろされることになります。猪苗代の謹慎所に向かう中にいた八重を女であることを進言するという形で引き留めた尚之助。おそらくこの真意を八重が理解するのはもっと後のことなのでしょう。猪苗代に行っていたとしても、命はきっと助かるでしょうが全く別の道になっていたことでしょう。結果的に良かったのかどうかは分かりませんが、この時点で生死が分からない以上、尚之助の判断は正しいといえます。この2人のシーンはきっとこれで最後となるかもしれません。

次回からは、次の幕が始まることでしょう。戦争後の会津の人々、そして新政府の人々がどのように交錯しながら、物語が進んでいくのか楽しみにしたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
 - 鶴ヶ城

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八重の桜 第28回「自慢の娘」

2013年7月 15日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

今回は、次回からの大きな流れの前のほんの少しの隙間といった雰囲気のなか、物語は八重の決死の戦いと頼母との悲しい別れ、そして佐川官兵衛が中心になります。頼母については、容保が会津にやってきた頃から「自分は殿が間違えていると思ったときは一身にそれを止める」と言っていたように、恭順の道を進言します。

しかし、その前に陣頭指揮をとった戦で敗北し敗軍の将となってしまった頼母に対して、家老たちは「弱腰」といって聞く耳を持ちません。果たして容保も同じように思ったのかどうかは分かりませんが、少なくとも命を下した後、頼母に対して「生きろ」と強く念じたのを見ると、家老達の思いとは少し違った感情を持っていたのかもしれません。夕暮れ時に頼母は、八重たちの制止も空しく去っていきます。

話はもとに戻り、鶴ヶ城ですがこちらは籠城の要である補給路を完全に抑えられていて、もはや時間の問題といった感じ。それでも、女性を中心に最後まで諦めないという強い意志と明るさでみんなで協力して乗りきっている状況でした。この辺りは本当に見ていてつらい状況でした。結末はおそらくみんな分かっているのに、それを出さずに、懸命に生きる姿を感じました。

その中で、八重は危険な不発弾処理をしているところを容保に垣間見られ、そのまま謁見することに。もっと重大な謁見になるのではないかと思っていたのですが、かなりあっさりと修了して拍子抜けしてしまうくらいでした。八重としてももっと容保に話したいことがあったのだと思いますが、周囲の家老から止められ消化不良の状況になってしまいます。見ている自分もそんな気分になってしまいます。

大蔵の妻である登勢が八重から教わった危ない不発弾処理を実践し命を落とすと、戦況がますますやばくなりつつあり、最後の手段として登場するのが佐川官兵衛でした。中村獅童の演技力はものすごいものがあり、周囲の役者を完全に蹴落とすくらいの存在感と迫力を持って、容保から戦地に赴くように命を受けるというシーンも綾野剛が薄くなってしまうほどでした。

しかも、官兵衛のワンシーンが長い長い。きっと見ている人は誰も感じたのではないでしょうか。官兵衛という人物がこれまでの誰よりも重要視されているかのような雰囲気で、中村獅童がまたその雰囲気を増幅しています。散々存在感を見せつけておいて、次の日は寝坊して背水の陣になってしまうというのは、なんだか切ない話です。

いよいよ、次回はある重大なひとつの結末を迎えます。会津の人々の心がどうなっていくのか不安でもあり期待もしながら選挙開放速報の前に楽しみたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
 - 長命寺

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八重の桜 第27回「包囲網を突破せよ」

2013年7月 07日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

前回に引き続き厳しい戦いを繰り広げる会津の中にあって、今回は冴えた動きをする人が2人ほど登場します。それが八重と大蔵でした。八重は前回に引き続きスペンサー銃を使って確実に敵の兵に命中させていきます。日新館を敵の手に渡らせないように焼き払ったときに、重傷者は自害したという知らせを聞いて改めて憤る八重は、夜襲に出ます。

その際に眼にしたのは目の前にいる負傷した敵でした。その人に向かって至近距離で銃を撃つことに対して、昔両親から言われた「銃は殺生する道具である」という言葉が頭をよぎります。遠くからは「命中」と言いながらガンガン撃っていたのですが、至近距離ではさすがにできなかったようです。

そんな八重の活躍とともに、今回注目を浴びたのが大蔵でした。周囲の中で1人だけ西洋風な軍服を着て、髪の毛もその当時にはないほどのオールバックで、現代人と勘違いしているのではないかと思われる設定なのですが、そんな大蔵は敵に周囲を囲まれている鶴ヶ城に入るために、彼岸獅子を行列の先頭においてその後ろを歩くという奇襲に出ます。

敵兵は「どこの藩だ?」といいながらあっけにとられていますが、明らかに怪しいと思うのは自分だけでしょうか。悠々と登場して城内に入っていくのですから普通に考えたら会津藩の者ではないか、と考えるのではないでしょうか。今回、薩摩や長州のトップの皆様の登場はほとんどなかったので、彼らの指示でスルーさせたという印象は与えずに済みそうですが、結構新政府軍にとってはチョンボだと思います。

その他は、全般的に会津が置かれている厳しい状況を反映するものでした。前回の白虎隊や重臣の自害に続き、今回は中野竹子たちの婦女子隊が敵陣に突っ込んで命を落とします。戦場の少し泥臭い雰囲気とは全く違ったのが黒木メイサでした。ひとりでしっかりとメイクを施し、汚れ一つないまま命を落としていきます。作者としてもなにか思い入れがあって、汚したりはしたくなかったのでしょう。

さて、次回も引き続き戊辰戦争ですが、これまでストッパーの役割を果たしていた頼母が容保から会津を去るように命じられます。この人は会津にとって絶対に必要で、対案を述べてくれる唯一の人だったのですが、非常に残念です。彼が八重に言った「人より強くならないと」という言葉はすごく重みのある言葉だと感じます。人より強くならないと、やりたいことはできない。当たり前なのですがそれが真実。そのために努力が必要だと改めて感じました。

結果はともかく、八重を始め会津の人々がどのようにこの籠城のなかで感じて行動していくのか、それをしっかりと見て行きたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県河沼郡会津坂下町
 - 法界寺

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